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建設業における資金調達の方法は?重要性やポイントなどを解説

代表税理士 三嶋 泰代
監修代表税理士三嶋 泰代

年々、資材・人件費・設備費の高騰で建設業の資金繰りは厳しさを増しています。その中で、生き残りの鍵となるのは原価管理の徹底と価格転嫁の交渉です。

工事ごとのコストを見える化し、資材高騰分を契約に反映させることが欠かせません。さらに、補助金や低金利融資の活用で資金調達を多様化し、出来高払い契約や請求・支払サイトの見直しでキャッシュフローを改善する動きも重要です。

こうした取り組みを組み合わせることで、コスト増の波を乗り越え、安定した経営基盤を維持する道が見えてきます。

建設業における資金調達の重要性

材料費など先行出資が多い

工事が着工される前には、材料の調達や機械・設備の購入など、先行出資が必要となる場合が多いにもかかわらず、以下のような原因で資金繰りに困っていることが多いです。

  • 工事期間が長い
    受注してから完成・引き渡しまでに数か月から数年かかることもあり、その間の経費は先払いになることが多いです。
  • 入金タイミングが遅い
    受注してから完成・引き渡しまでに数か月から数年かかることもあり、その間の経費は先払いになることが多いです。
  • 急な資材高騰や追加工事
    原価が想定以上に上がると、手元資金を一気に圧迫することになります。

入金されるまでの期間が長い

入金のタイミングが遅くなりがちな原因としては、いくつかのパターンがあります。

まず、契約条件による遅延による原因、また工事完成後や検収完了後に請求書発行という条件だと入金が数か月先になることがあります。また、検収や承認手続きの遅れによって請求書の処理が後ろ倒しになるケースも多いです。

さらに多いのが、元請や発注者の資金繰り悪化により、意図的に支払いが遅れることもあります。加えて、請求書の不備や必要書類の不足も、支払いスケジュールを延ばしてしまう原因となります。

こうした要因を事前に把握し、契約段階から入金条件を明確化しておくことが大切です。

手形取引が多い

建設業界では、いまでも手形取引が多く利用されています。手形取引とは、現金の代わりに「将来の期日に支払います」という証書(約束手形・為替手形)を渡して決済する方法です。

発注者にとっては、実際の資金の支払いを数か月先に延ばせるため、手元資金を温存しながら工事を進められるというメリットがあります。資金繰りの調整がしやすいという点から、特に元請けや発注者側にとっては便利な仕組みなのです。

一方で、下請け会社や協力業者にとっては事情が異なります。手形を受け取っても、現金が入るまでには時間がかかり、その間は資材や人件費の支払いを自社で立て替えなければなりません。資金繰りが厳しい会社ほど、この数か月のタイムラグが大きな負担となります。

さらに怖いのが「不渡り」のリスクです。期日に手形が決済されなければ、受け取った側は資金を回収できないだけでなく、連鎖的に自社の資金繰りにも影響し、最悪の場合は倒産の危険にも直結します。

このように、手形取引は発注者にとって資金負担を軽くする仕組みですが、受け取る側にとってはリスクの大きい決済方法でもあります。それでも建設業界で手形が多く使われてきたのは、長年の慣習が背景にあり、「現金払いを求めにくい」という力関係も影響しています。

では、受け取る側はどのように対応すべきでしょうか。現金支払いを契約で条件として明記するのが理想ですが、元請けとの関係上、強く主張するのは難しいケースも多いでしょう。

そこで現実的な対策としては、手形を銀行で割引して早めに現金化する方法があります。ただし割引には手数料がかかるため、その分を見積もりに織り込んでおく必要があります。また、契約時に請求から支払いまでの期間をできるだけ短くするよう交渉するのも効果的です。

建設業におすすめの6つの資金調達方法

銀行融資(運転資金・設備資金の基本的な調達手段)

  • メリット: 安定した資金調達の基本であり、金利が比較的低い。長期の返済計画が立てやすく、信用力の向上にもつながる。
  • デメリット: 審査が厳しく、決算内容や担保を求められることが多い。すぐに資金化できない場合もある。

日本政策金融公庫(中小企業向けの低利融資制度)

  • メリット: 中小企業や創業期の会社に優しい制度で、低金利・長期返済が可能。建設業でも利用実績 が多い。
  • デメリット:手続きに時間がかかることがあり、急な資金需要には対応しにくい。

補助金・助成金(返済不要で活用できる制度)

  • メリット:返済不要で資金が得られるため、負担が少ない。新規設備導入や働き方改革など幅広い活用が可能。
  • デメリット:採択されるには申請書類や要件を満たす必要があり、準備に手間がかかる。採択率も保証されない。

ファクタリング(売掛金を早期に資金化)

  • メリット:売掛金を早期に現金化できるため、資金繰り改善に即効性がある。不渡りリスクを回避できる。
  • デメリット:手数料が高めで、継続利用するとコスト負担が大きくなる。取引先に知られる可能性もある。

手形割引(受け取った手形を現金化)

  • メリット:受け取った手形を銀行で割引して現金化できる。支払い期日を待たずに資金を確保できる。
  • デメリット:割引料のコストがかかり、繰り返し利用すると利益を圧迫する。手形の信用力に依存する。

リース・割賦(設備導入時の資金負担軽減)

  • メリット:高額な機械や車両を一度に購入せず、分割で利用できる。資金負担を平準化でき、最新設 備を導入しやすい。
  • デメリット:総支払額は現金購入より高くなる。途中解約が難しく、長期契約が負担になることもある。

①日本政策金融公庫の新規開業資金

日本政策金融公庫の新規開業資金は、これから建設業を始める方や創業後間もない方を対象にした融資制度です。

事務所や作業場の設備資金、車両・機械購入、運転資金など幅広い用途に利用でき、融資限度額は最大7,200万円、返済期間は設備資金で最長20年と長期に設定されています。利率も民間金融機関より低めで、返済負担を抑えられる点が特徴です。創業期は資金繰りが不安定になりやすいため、安定した資金源を確保したい方や、金融機関との取引実績がまだ少ない方に特に適しています。

②全国信用保証協会連合会の信用保証制度

全国信用保証協会連合会の信用保証制度とは、中小企業が金融機関から融資を受ける際に保証人となり、返済不能時に代わりに弁済してくれる仕組みです。これにより、金融機関は安心して融資できるため、企業は信用力を補強し資金調達の幅を広げられます。

特徴は、担保や保証人が不要になるケースがあること、金融機関からの信頼を得やすくなることです。特に、創業後しばらくして安定的な資金調達を目指す時期や、景気変動や金融危機など予期せぬ資金難に備える「安全網」として有効です。建設業のように資金需要が大きい業種には心強い制度です。

③民間銀行のプロパー融資

民間銀行のプロパー融資とは、信用保証協会の保証を付けずに銀行が自らの判断と責任で実行する融資のことです。保証料が不要で、迅速かつ柔軟に大規模資金を調達できる点が特徴です。

金利も比較的低く設定されることが多く、安定した業績や十分な信用力を備えた企業にとっては、長期的な資金調達の柱となります。

一方で、審査は厳しく、決算内容や経営者の資質、将来性などが細かくチェックされます。建設業においては、安定成長期に低利で大規模資金を確保したい場合や、将来的に目指すべき資金調達の形として適しています。

④手形割引

手形割引とは、受け取った手形を満期日前に銀行などに買い取ってもらい、現金化する資金調達方法です。建設業では工事代金の入金までに数か月かかる一方で、材料費や外注費の支払いは先行するため、資金繰りが厳しくなることがあります。そこで手形割引を利用すれば、早期に資金を確保できる点が大きなメリットです。

ただし、割引料(手数料)が差し引かれるため、受け取れる金額は額面より少なくなります。また、手形割引は形式上は買い取りですが、実質的には融資とみなされるため、手形の振出人や利用企業の業績が審査で重視され、場合によっては断られるリスクもあります。

⑤民間企業のファクタリングサービス

ファクタリングとは、工事代金などの売掛金をファクタリング会社に売却し、早期に現金化する資金調達方法です。銀行融資と異なり、企業の信用情報や追加担保を求められない場合が多く、審査も比較的スピーディーに行われます。

建設業では完成から入金まで数か月かかるが、先に材料費や人件費を支払わなければならないといった資金繰りの課題に適しています。

また、新しい事業を拡大したい時や、銀行融資が難しい状況でも利用しやすいのが大きな特徴です。ただし、手数料が高めに設定されることが多いため、コスト負担とのバランスを意識する必要があります。

⑥地域建設業経営強化融資制度

地域建設業経営強化融資制度とは、地方公共団体などが発注する工事において、工事出来高に応じて資金調達ができる仕組みです。保証人や担保が不要で、通常の融資よりも簡易かつ迅速に資金を受けられる点が大きな特徴です。

また、この制度を利用した融資額は負債回転期間の負債合計額から控除できるため、経営事項審査(経審)の数値改善にもつながります。建設業特有の資金繰りの課題を解消しつつ、経営力の強化にも役立つ制度です。

メリットとしては、資金調達コストが下がる、返済期間が長く資金繰りの安定に繋がる、公共工事の継続受注にも有利になる点があります。
デメリットとしては、制度利用にあたり計画書作成や行政との調整が必要で、申請手続きが煩雑になりやすいこと、利用条件を満たさない場合は使えないことです。

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建設業における資金調達のポイント

建設業における資金調達のポイント

  1. 資金繰り計画の重要性
    建設業では、工事代金の入金が数か月先になる一方で、材料費や外注費は先に支払う必要があります。入金と支出のズレを把握し、資金が不足する時期を予測しておくことが安定経営の第一歩です。
  2. 信用力の向上
    金融機関から融資を受ける際には、決算内容や税務申告の適正さが大きく評価されます。帳簿の整備や黒字化の継続はもちろん、業界団体への加入や取引実績の積み重ねも信用力アップにつながります。
  3. 融資制度の活用
    銀行融資に限らず、日本政策金融公庫や信用保証協会、地域建設業向けの特別融資制度など、多様な資金調達の選択肢があります。自社の状況や目的に応じて、複数の制度を比較・活用することが重要です。
  4. コスト管理
    融資には利息や保証料、ファクタリングや手形割引には手数料がかかります。資金調達の金額だけでなく、トータルコストを考慮しなければ利益を圧迫します。事前に見積もりへ反映する工夫も必要です。
  5. 緊急時対応策
    突発的な資金不足に備えるには、迅速に現金化できる手段も準備しておくことが大切です。ファクタリングや短期融資など即効性のある方法を「最後のカード」として把握しておくと安心です。
  6. 経営審査への影響
    公共工事を受注する建設業にとって「経営事項審査(経審)」の点数は重要です。借入金や融資制度の利用状況によっても経審の評価が変わるため、資金調達を単なる資金繰り対策にとどめず、経営戦略の一部として考える視点が必要です。

説得力のある事業計画を立てる

金融機関から融資を受ける際には、説得力のある事業計画を立てることが重要です。事業計画がしっかりしていれば、審査に通りやすくなる可能性が高まります。

計画には「具体的な工事やプロジェクトの内容」「資金の使途(材料費・人件費・機械購入など)」「収益やコストの見込み」「返済スケジュール」を明確に盛り込むことが不可欠です。特に建設業は入金と支出のズレが大きいため、資金繰りをどう安定させるかを示すことが金融機関からの信頼につながります。

事業計画は単なる提出書類ではなく、経営の道筋を示す羅針盤でもあるのです。

複数の融資先と関係を深めておく

建設業における安定した資金調達のためには、複数の融資先と信頼関係を築くことが大切です。

取引銀行を一つに絞るのではなく、普段から担当者とコミュニケーションを取り、自社の経営状況や資金繰りを率直に共有しておくことで、いざという時の融資相談がスムーズになります。複数の金融機関と関係を持っていれば、それぞれが提供する異なるタイプの融資制度やサービスを比較でき、有利な条件で資金を調達できる可能性が広がります

資金需要の大きい建設業だからこそ、日頃からの情報開示と信頼関係づくりが将来の資金繰りを支える重要な鍵となります。

例えば、

  • 定期的な業績報告
    四半期や半年に一度、売上や利益、受注状況などを簡単なレポートにまとめて金融機関に共有します。
  • 日頃からの相談姿勢
    資金が必要になる前から、投資計画や新規プロジェクトの構想段階で意見を求めることで信頼を築きます。
  • 担当者との関係強化
    面談やイベント参加などを通して、担当者と顔を合わせる機会を増やし、会社の方針や現場の状況を理解してもらいます。
  • 返済や契約条件の遵守
    期日通りの返済・報告を守ることは信用の基本です。小さな信頼の積み重ねが、将来の融資枠拡大にもつながります。

また、各金融機関の融資条件や得意分野を把握することで、プロジェクトや資金用途に応じた最適な資金調達手段を選べるのもメリットです。

建設業許可や認証で信用を高める

建設業において資金調達や取引先との信頼関係を築くためには、建設業許可や各種認証を取得していることが大きな強みとなります。

これらは、企業が一定の業務品質や法令遵守、安全基準を満たしていることを示すもので、金融機関や元請企業からの信用獲得につながります。

例えば建設業許可は公共工事や大規模案件の受注に不可欠であり、ISO認証や安全衛生に関する認証も、取引先に対する安心材料となります。

資金調達においても、こうした許可や認証は「健全な経営体制を持つ会社」として評価されやすく、融資の審査が有利になる可能性があります。

1.信用力が高まる理由・法令遵守の証明

建設業許可は、経営経験・財務基盤・技術者配置など厳しい要件をクリアして初めて取得できます。これにより一定の基準を満たしている会社という公的なお墨付きになります。

  • 入札参加の条件
    公共工事や多くの大規模民間工事では、建設業許可が参加条件になっています。許可があれば取引のチャンスが広がります。
  • 金融機関からの評価
    銀行や信用金庫は、許可やISO認証を持つ会社を継続性・信頼性のある企業として融資審査で評価する傾向があります。

2.認証の組み合わせでさらに強化

  • ISO認証(品質・環境・安全)
    品質管理や環境配慮、安全管理体制を第三者が評価するため、元請や自治体にアピール可能。
  • 建設キャリアアップシステム登録
    技能者の資格や経験を可視化し、受注先に信頼感を与えます。

実務的メリット

  • 入札や契約で有利になる
  • 新しい取引先との商談が進みやすくなる
  • 銀行の融資枠や条件が良くなる
建設業許可とは?

建設業の資金調達に活用できる補助金

建設業における資金調達は融資だけでなく、補助金を活用するという選択肢もあります。補助金の最大のメリットは返済義務がなく、資金繰りの負担を軽減できる点です。

特に建設業で活用しやすいのは、設備導入や生産性向上を支援する「ものづくり補助金」、新分野展開や業態転換を支援する「事業再構築補助金」、販路開拓や経営基盤強化に役立つ「小規模事業者持続化補助金」などが挙げられます。

ただし、補助金は要件が厳しく競争率も高いため、申請には詳細な事業計画や書類作成が不可欠です。採択を目指すには、早めの準備と専門家への相談が成功の鍵となります。

金融機関からの融資以外で建設業許可業者が活用できる補助金制度はいくつかあります。
代表的な制度と、それぞれのメリット・デメリットを簡単にご説明します。

1.ものづくり補助金

新技術の導入や省力化、品質向上を目的とした設備投資に利用可能。中小企業が対象。

メリット
  • 高額な設備導入費の一部(最大1,000万円程度)を補助
  • 新工法やICT活用など先進的な取組にも使える
デメリット
  • 採択率は毎回変動し、審査が厳しい
  • 事業計画書作成に手間がかかる

2.事業再構築補助金

コロナ後の事業転換や新分野進出に対応するための大型補助金。

メリット
  • 最大で数千万円規模の補助が可能
  • 大規模な事業転換や新規事業にも対応
デメリット
  • 投資規模が大きく、自己資金負担も発生
  • 採択後の事業実施・報告管理が厳格

3. IT導入補助金

会計システムや勤怠管理、建設クラウドなどのITツール導入に利用可能。

メリット
  • 資金負担を抑えてDX化を促進
  • 工事原価管理や労務管理の効率化に直結
デメリット
  • 対象ツールが限定されている
  • 事前登録されたIT導入支援事業者との契約が必要

4. 省エネ・環境関連補助金(例:省エネ補助金)

高効率機器や再エネ設備の導入に活用。

メリット
  • 光熱費削減と環境対応を同時に実現
  • 国や自治体から幅広く募集
デメリット
  • 対象機器や導入条件が細かく制限される
  • 公募期間が短い場合がある

建設業の資金調達に関するご相談はキークレアにお任せください

キークレアグループでは、建設業界に精通した行政書士・税理士・社労士、そしてクラウド会計、財務コンサルなどの専門スタッフが社内に揃っており、許可申請から経理・労務・税務まで、ワンストップで対応可能です。各士業へ個別に連絡する手間がなく、窓口を一本化することで、情報共有や進捗管理もスムーズ。

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お客様のビジョン達成のために、グループ一丸となり全力で支援してまいります。 お客様のビジョン達成のために、グループ一丸となり全力で支援してまいります。

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