社長の相続対策について

急な病気や不慮の事故などで社長が亡くなった場合、相続財産は会社への貸付金・自社株式、事業にかかわる不動産なども該当します。
上記資産については、すぐに現金化しづらい上に相続税が課税されるため納税資金の不足が生じやすくなります。

相続対策は「今」「何が」「いくら」あるのか、正確に現状を把握し、「納税額」「遺産分割の仕方」「納税資金の準備」のポイントを押さえ、実行の妥当性を確認しなければなりません。

今回はそちらの内容について分かりやすくまとめておりますので、是非参考にしてください。

相続・事業承継 社長が考えなければいけない相続対策

相続税額を低く抑えようとして土地や建物などの不動産を購入したとしても、それが「遺産分割の仕方」や「納税資金の準備」というポイントからみた場合、足を引っ張りかねないこともあります。

特に自社株式の承継などもかかわっている相続の場合、「遺産分割の仕方」と「納税資金の準備」は大きな課題となります。

後継者である相続人が相続税評価額の大きな自社株式を相続した場合、各相続人が取得する相続財産の割合がどうしても特定の相続人に偏る傾向になります。後継者であるお子さん一人が多額の財産を相続してしまえば、他の相続人たちが納得できず、争い(争続)に発展することもあります。また換金できない自社株式を相続した後継者は、相続税を払う事が困難になり、納税に悩むことになるでしょう。

相続・事業承継 相続対策とは?

相続対策として、みなし相続財産の活用があげられます。
みなし相続財産とは、(1)生命保険契約や(2)死亡退職金のことです。このみなし相続財産には「非課税額=相続税がかからない金額」がありますので、あらかじめ指定された後継者が固有の財産として現金を受け取ることができます。

また上記みなし相続財産には「遺留分(=相続人に与えられている最低限の相続権利)」を下げる効果もあります。

(1) 生命保険契約とは

社長の死亡によって取得した死亡保険金で、その保険料の一部または全部を社長が負担していたもの

(2) 死亡退職金とは

社長の死亡によって勤務先から支給される退職金で社長の死亡後3年以内に支給額が確定したもの

それぞれ「500万円×法定相続人の数」の非課税額を利用できるため、受け取った保険金や退職金の手取りが多くなり、「納税額」「遺産分割の仕方」「納税資金の準備」のどのポイントからでも有効な手法と考えられます。

相続・事業承継 おさえておくべき3つの相続財産

(1) 社長貸付金はありますか?

相続財産を調べる際に問題になりやすいのが、役員借入金(=社長貸付金)の存在です。
多くの中小企業の場合、業績が悪化して資金繰りが逼迫すると、銀行などの金融機関よりも社長から借り入れすることにより資金を調達することがあります。

社長が会社へ貸しているお金ですので、きちんと返済計画書も作成されず、返済も実行されずそのまま滞留している会社はよく見受けられます。
社長ご自身も、それを「ご自身の財産」と認識していないことが多いですので、いざ相続が発生した際、これも相続財産に含めて相続税額を計算しなければならず、「思ってもいなかった相続税額になった」ということもしばしばあります。

対策としては、下記の方法がありますが、それぞれ税務上の要件などを考慮する必要があるため、慎重に行わなければなりません。

  • 役員報酬を減額するなどして浮いた資金を用い役員借入金の返済を進める方法
  • 社長貸付金を放棄する方法
  • 役員借入金を資本に振替える方法
  • 社長貸付金を贈与する方法

(2) みなし相続財産はありますか?

生命保険の死亡保険金などは受取人固有の財産ですが、非課税額があるとはいえ「みなし相続財産」として相続財産の一部として認識しなければなりません。

また、どこの保険会社にいくらの保険金を掛けているか、相続人は知らないものです。きちんと生前に生命保険契約のリストアップが必要になってきます。

(3) 不動産のリストアップはお済ですか?

財産の中でも、不動産は権利関係が複雑になっている可能性が高いです。
第三者へ貸している場合は、不動産賃貸契約書などで条件が明確になっていると思われますが、社長名義の土地や建物を自社で使用している場合、契約が曖昧になっているケースは多くあります。

社長ご自身が所有しているもの、社長とご親族が共有しているものなど、すべてについて現在の所有者は誰なのか、賃借人とはどのような契約になっているかを確認しなければなりません。

会社の銀行融資の担保になっていないかなども含めて、正確なことを知るためには、登記簿謄本を確認することも必要です。

相続・事業承継 まとめ

今回は相続・事業承継として「社長の相続対策について」といった内容をご紹介いたしました。
こちらを踏まえて、実際にどういったことを今後考えていく必要があるか少しご理解頂けましたでしょうか。

相続・事業承継はとても難しくその対策を進めていくためには、ご自身では限界がでてまいります。そのため一度プロにきちんとご相談頂くことをお勧め致します。

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