会社が融資を受けられない7つのケースとは?対処法もあわせて解説
目次
日本政策金融公庫や銀行へ融資を申し込んでも、融資を受けられないケースがあります。融資が受けられない理由を知り、きちんと対策することが重要です。
こちらのコラムでは、融資を受けられない会社の特徴、融資を断られた場合の対処法などを解説していきます。
融資を受けられない会社とは?7つのケースを紹介
融資は日本政策金融公庫や銀行から受けるのが一般的です。
ただし、日本政策金融公庫や銀行に融資を申し込んでも断られるケースがあります。
融資を受けられない会社の特徴は主に以下の7つのケースです。
- 自己資金が不足している
- 信用情報に問題がある
- 公共料金などの支払いに遅延がある
- 税金の未納や滞納がある
- キャッシングの利用残高がある
- 経営計画に矛盾・不備が生じている
- 面談で説明が十分にできていない
銀行融資を断られるケース・対処法のより詳しい解説は、以下をご参照ください。
銀行から融資を断られる9の理由とは?①自己資金が不足している
自己資金が全くない場合や少なすぎる場合は、融資が受けられない可能性が高くなります。
日本政策金融公庫の創業融資を受けるには、最低でも融資希望額の10分の1以上の自己資金が必要と言われていますが、実際に自己資金の10倍の融資を受けられることは稀であり、基本的には多くの場合、自己資金の2~3倍程度までしか融資を受けられないということになります。
ただし、第三者からの贈与資金を受けることは、自己資金扱いとならないため注意が必要です。
見せ金(誰かから借りたお金)は自己資金と見られず、融資を受けられない可能性が高いのです。
【明らかに見せ金とわかる例】
- いきなり通帳のお金が増えている
- 会社設立後に資本金に相当するお金が引き出され、現金がなくなっている
②信用情報に問題がある
日本政策金融公庫や銀行等の金融機関は審査の際、信用情報を必ず調査します。
CICなどの信用情報機関には、クレジットカードやローンの残高と2年分の返済状況が記載されています。直近5~10年以内に債務整理や自己破産を受けている場合は融資審査が非常に厳しくなります。
【審査で不利になるケース】
- キャッシングの残高がある
- 過去2年以内の複数回滞納を繰り返している
【ほぼ審査落ちになるケース】
- 過去5年以内に延滞が61日以上あった
- 過去5年以内に強制解約があった
- 過去5年以内に債務整理をした
- 過去10年以内に自己破産している
③公共料金などの支払いに遅延がある
公共料金などの支払いに多数の遅延があると、融資を受けられない可能性が高くなります。
生活に必要な固定費の支払いが遅れるということは、融資金額の返済も遅れるだろうと判断されるためです。
また、携帯電話の支払いが遅れると、その情報が信用情報に記載されるため特に注意が必要です。
家賃や水道光熱費についても、支払いができているか半年分の通帳をチェックされるため、6ヶ月前から支払いに遅延がないように注意しましょう。
水道光熱費をコンビニなどで現金支払いしている場合、3ヶ月分の領収書の提出を求められることがあるため保管しておくことをおすすめします。
④税金や社会保険料の未納や滞納がある
支払うべき税金を支払っていないと基本的には融資を断られます。
特に日本政策金融公庫は政府が100%の株式を保有している公的金融機関であるため、更に難しいと考えておいてください。
国税徴収法により、融資額の返済よりも税金の支払いの方が優先される恐れもあります。社会保険料も同様です。
また、過去の未納に関しても融資を受けられない原因となることがあります。未納や滞納分を全額支払ってから融資を申し込むことをおすすめします。
【特に気をつける税金】
- 所得税
- 法人税
- 住民税
- 事業税
- 消費税
⑤キャッシングの利用残高がある
消費者金融や、カードローン、キャッシングなどの利用残高がある場合、融資を受けられない可能性が高くなります。
銀行からは借入できない何かしらの事情があると判断されてしまうためです。金融機関は信用情報を閲覧できるため、他社から借入していることを隠すことは不可能と考えておいてください。むしろ虚偽申告とならないよう注意しましょう。
⑥経営計画に矛盾・不備が生じている
経営計画に矛盾・不備が生じていると融資を受けることが難しくなります。
金融機関は、融資する資金が確実に回収できるかどうかを検討し最終判断するため、事業拡大が見込めない計画には融資をしない可能性が高くなるのです。
そのため、納得してもらうには、明確な根拠を示した数字と実態に矛盾のない経営計画が必要です。事業計画書の作成に自信がなければ、専門家に依頼することをおすすめします。
事業計画書の詳細は、以下をご参照ください。
融資を受けるための事業計画書の書き方とは?税理士に依頼するメリット
⑦面談での説明が十分にできていない
融資を申し込むと担当者と面談を行うことになります。融資担当者は、話し方や面談に臨む姿勢から申込者のやる気や人柄をみています。会社の経営計画をきちんと把握し説明できなければ、融資を受けることは難しくなります。事前に質問を想定し、受け答えできるように準備しておきましょう。
【面談で担当者から聞かれること】
- 融資を希望する理由
- 事業内容やビジネスモデル
- 現在の業況
- 創業であれば創業理由や過去のご経験内容
- 計画書に記入した数字に関する説明・根拠 など
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銀行や日本政策金融公庫から融資を受けられない場合の対処法
一度融資を断られても、再度申し込みできる場合もあります。その際には、十分な対策をとって臨むことが重要です。
【融資を受けられない場合の対処法】
- 融資を断られた原因を把握して改善する
- 銀行融資の場合:日本政策金融公庫に申し込む
- 日本政策金融公庫の場合:半年後に再度申し込む
- 認定経営革新等支援機関である税理士・コンサルティング会社に相談する
融資を断られた原因を把握して改善する
まずは融資を受けられない理由を明らかにすることから始めます。基本的には「信用情報の問題」「自己資金の有無」「経営計画の矛盾」のどれかに当てはまると考えられます。
融資を受けられなかった理由が明らかになったら、その原因を改善しましょう。なぜ審査に落ちてしまったのかまったく見当がつかない場合は、専門家に相談することをおすすめします。
自己資金不足で融資が受けられなかった場合
自己資金不足が原因で融資を断られた場合、「自己資本比率」を上げることで審査に通ることがあります。
【自己資本比率を上げる方法】
- 現預金を投入する
自身のお金はもちろんのこと、家族・親族からのお金であれば、通帳コピーを提出してその出所を証明すれば認めてくれる場合があります。 - 個人的に所有している車や機械を会社の資産とする
会社に貸し付けることになるため、会計上「役員借入金」となります。これは中小企業であれば、資本金と同じように見られるため、実態として自己資本比率を上げることになります。
ただし、自己判断で全てを会社の資本とすると、かえって疑われてしまう可能性もあるため専門家に相談することをおすすめします。
また、金融機関によっては、預貯金以外も自己資金として認めてくれる場合があります。
【自己資金として認められるもの】 ※東京都の制度融資の例
- 敷金・入居保証金
- 上場有価証券
- 融資を受ける前に取得した設備や事業用の器具
- 融資を受ける前に仕入れた商品等
銀行融資の場合:日本政策金融公庫に申し込む
銀行に断られた場合、日本政策金融公庫に融資を申し込みましょう。一般的には銀行と比較すると融資を受けやすいと言われています。
日本政策金融公庫の審査通過率は60%前後です。ただし、銀行に申し込んだ時よりも、さらに資料に根拠を持たせるなど準備が必要となります。
日本政策金融公庫の融資の流れについては、以下をご参照ください。
日本政策金融公庫の融資の流れ融資が受けられない業種もあるため注意
日本政策金融公庫では融資を受けられない業種もあるため注意が必要です。
【日本政策金融公庫の融資対象外業種】
- 銀行や貸金業、補助的金融業などの金融・保険業
- 公共料金以外の集金業などの裏社会との関わりが強いと言われる業種
- 風俗業界
- パチンコや競馬などの一部娯楽業
- 福祉事務所などの社会福祉・介護事業関連・社会保険
- 郵便業
- 文化団体や政治・経済
日本政策金融公庫の場合:半年後に再度申し込む
日本政策金融公庫の融資を断られた場合、6ヶ月経てば再度申し込みが可能です。
業歴が比較的浅い会社でも、6ヶ月の業歴があれば審査でプラスに働く可能性があります。
ただし、再度申し込みすれば必ず融資を受けられるわけではありません。専門家の力を借りながら対策をとることをおすすめします。
認定経営革新等支援機関である税理士に相談する
認定経営革新等支援機関とは、中小企業支援の専門知識・経験をもつ、国から認定された機関です。
認定経営革新等支援機関を利用して融資に申し込むことで、融資審査に通りやすくなることがあります。実際には、融資の際に提出する書類の作成、面談対策などをサポートしてもらえます。
キークレア(税理士法人及び財務コンサルティング法人)は経営革新等支援機関の認定を受けています。
キークレアの融資サポートを受けるメリット
このように、融資を受けられない場合の対処法は様々ありますが、自身で全てを対処することは難しいことでもあります。
キークレアにて融資サポートを受ける場合以下のようなメリットがあります。
- 融資を受けられる事業計画書を作成支援
- 担当者との面談をアドバイス
- 自己資金を作るためのアドバイス
- 一度融資を断れられた場合の再チャレンジを支援
- 認定支援機関として日本政策金融公庫の中小企業経営力強化資金もサポート
- 財務コンサルティング法人と提携
それでも融資を受けられない場合に検討すべきこと
再チャレンジしても融資を受けられない場合は以下を検討することをおすすめします。
- 普段取引のない銀行で融資を受ける
- 自治体の制度融資に申し込む
普段取引のない銀行で融資を受ける
普段取引していない銀行に融資を申し込みましょう。新たに銀行と取引をする場合、返済能力を重点的に確認されます。そのため、売上計画や融資の返済計画を資金繰り表にして提出する必要があります。
また、相手の信頼を得ることも重要です。相手の質問に誠実に答え、求められた文書・資料があれば迅速に提出するなど、信頼関係の構築に努めましょう。
自治体の制度融資に申し込む
地方自治体で行っている制度融資の活用を検討しましょう。
制度融資とは、地方自治体(都道府県や市町村)・金融機関・信用保証協会が連携して行う定型化された融資のことをいいます。金融機関から直接融資を受けるよりも、審査に通りやすいと言われています。
自治体によって制度融資の条件などは異なります。普段取引のない銀行への融資と並行して検討することも可能です。
融資を成功へと導くために、実績豊富なキークレアがサポートいたします。
融資を受けられないケースを理解し、対策をとることで融資獲得に繋がります。その上で、もし融資を断られた場合でも、再チャレンジできる可能性はあります。
融資を成功へ導くためには専門家に相談することをおすすめします。
キークレアでは、ビジョン、会社の方向性等大きな方針や、現在の業況・資金繰りもお聞きした上で、融資の目的を確認し、必要な融資の申込を進めています。
財務コンサルティング法人も有しているため、連携をとりながら融資支援が可能です。
融資に関すること、その他経営・財務に関して、ご不明点がありましたら、何でもお問い合わせください。