創業時や事業の継続・拡大時には資金調達が不可欠です。

資金調達コンサルティング会社は資金調達をサポートしてくれる存在ですが、単に資金調達だけでなく、適正な借入額の計算、長短期借入金のバランス調整、返済期間や利率の交渉など、会社の財務状況に合わせた分析・計画・交渉まで対応可能です。

今回は、資金調達コンサルティングでできること、メリット、選び方などを解説していきます。

資金調達コンサルティングとは？

資金調達コンサルティングとは、事業の成長や変化に伴い最適な資金調達をサポートするサービスです。
必要な資金調達の方法を提案し、事業計画の策定を含め支援します。

資金調達コンサルティングを活用する事で、資金調達先に応じた準備や対策を効率的に行い、企業の財務状況や成長戦略に合った最適な資金調達を実現することができます。
企業が成長や変革に備えるためには、資金調達コンサルティングの専門知識とサポートが有用です。

資金調達コンサルティングを検討するタイミング

【創業時】

創業時には設備投資や備品の整備、仕入れなど様々な費用がかかります。
創業時はどのように資金調達すべきか、経営者が知らないケースも多いです。
その為、最適な資金調達を実施する為には、専門家である資金調達コンサルティングを活用する事がオススメです。

【新規事業を始める時】

新規事業を始める際も同様で、新たな設備投資が必要な場合があり、融資が必要となる事があります。
融資を受けるためには説得力のある事業計画書の作成が重要となる為、やはりコンサルの活用が近道となります。

【事業拡大をする時】

事業拡大の際には運転資金と設備資金の両方が必要であり、過大な投資や強気な計画となりやすいというリスクがあります。
こうした段階での資金調達コンサルティングは、リスクを最小限に抑え、効果的な戦略を策定するための重要な手段となります。

特に資金調達コンサルティングを受けるべきケース

以下のようなケースについては早急な対応が必要なので特にコンサルを活用すべきです。

• 決算の内容が赤字である
• 黒字にもかかわらず利益が少ない
• 融資の返済が迫っているが、資金が用意出来ない
• 税金や社会保険などの滞納履歴がある
• 信用情報機関の信用情報に事故歴が記録されている
• 返済能力に対する債務が多すぎる、債務超過している
• キャッシュフローを安定化させるために融資を受けたい

赤字決算や利益の少なさは、企業の財務健全性に深刻な影響を与える可能性があります。
融資の返済が迫っているが資金が不足している場合や、滞納や事故歴がある場合は、企業の信用力が低下し、融資やビジネスの継続に支障をきたす可能性があります。

債務超過やキャッシュフローの安定化のために融資が必要な場合も、資金調達コンサルティングによって最適な解決策を見つけ出すことができる事があります。

資金調達コンサルティングでできること

資金調達コンサルティングでは、資金調達方法の提案や事業計画の策定・資金繰りのアドバイス、必要書類の作成、資金調達先へのアピールなどの業務を行います。

資金調達方法の提案

資金調達先は多岐にわたり、企業の状況や成長段階によって最適な方法が異なります。
銀行や政府系金融機関、ノンバンクからの融資、ファクタリングや補助金の活用、株式の発行などが一般的です。

コンサルタントは企業の状況を鑑み、低金利の融資先や返済不要の助成金など、負担を考慮し企業のニーズや戦略に合せて、最適な資金調達方法を提案します。

【主な資金調達先の例】

• 銀行(都市銀行・地方銀行・信用金庫)からの融資
• 日本政策金融公庫からの融資
• ノンバンクからの融資
• 制度融資
• 地方自治体が実施する補助金制度
• ファクタリング
• 株式の発行　など

事業計画・資金繰りのアドバイス

金融機関から融資を受けるには、審査を通過する必要があります。そのためには、目標達成までのビジョンとプロセスが具体的に記された事業計画が必要です。資金調達コンサルティングでは、どのような行動を起こせば目標達成できるのか、目標までの計画を練り、融資審査に通過するためのポイントを押さえた事業計画書の作成をサポートします。さらに、調達後の事業を継続していくための資金繰りをサポートすることもできます。融資を受けるためだけではなく、戦略的なアプローチを提供し、企業の成長と安定した経営を支援します。

融資を受けるための事業計画書の書き方とは？税理士に依頼するメリット

必要書類の作成

資金調達には様々な書類が必要であり、書類の内容やフォーマットは調達先や事業状況によって異なります。独力で作成すると負担がかかり、ミスも生じやすいですが、サポートを受けることで、業務負担を軽減し、本業に専念する事が可能です。慣れない必要書類の作成に長い時間を割くより、会社の業績を伸ばすことを優先する方が、会社にとって最善な選択と言えるでしょう。

資金調達先へのアピール

金融機関は返済能力や経営の健全性を審査し、融資するに値する相手かどうかを審査します。信頼性を高めるためには、健全な経営を実施しており、返済能力が十分にあることをアピールすることが重要です。また、経営者の人柄や誠実さも信頼性を評価するうえで重要な要素になることがあります。資金調達コンサルティングを活用すれば、効果的な説明方法や資料作成のアドバイスを受けることが可能です。また、交渉時に同行してもらえるケースもあり、心強いでしょう。

資金調達コンサルティングを受けるメリット

資金調達コンサルティングを受けることで、調達の成功率が高まり、経営者は本来の業務に集中する事ができます。さらに、多様な資金調達先の選択肢が提供され、経営状況の改善にもつながります。また、法律上のナレッジを持っているケースも多く、契約締結上のリスク回避にもつながります。

資金調達の成功率が上がる

資金調達コンサルティングを受けることで、事業計画書の具体性や説得力が向上し、金融機関からの信頼度が高まります。これにより、資金調達の成功率が上がるだけでなく、より良い条件での資金調達が可能となります。コンサルティングの専門知識と経験が、企業の資金調達プロセスにおいてとても重要な役割を果たすことがあります。

本来の業務に集中できる

資金調達には多くの準備が必要であり、それに時間を費やすことは経営に影響を与える可能性があります。専門家からコンサルティングを受けることで、準備や調査にかかる時間や労力を削減し、結果として本来の業務に集中できるようになります。これにより、事業の運営を疎かにすることなく、資金調達を可能にすることができます。

資金調達先の選択肢が広がる

コンサルタントは複数の調達先を確保しており、広い人脈や金融機関との取引があります。そのため、有利な資金調達先を紹介してもらうことが可能となります。また、コンサルタントのアドバイスを受けて事業計画のアドバイスを受けて信頼度が高まれば、資金調達方法の選択肢自体も広がるというメリットがあります。

経営状況の改善にもつながる

資金調達を検討する過程で、企業は自社の状況や課題を整理し、明確化することができます。これにより、経営改善に向けた取り組みが促進されます。また、金融機関の審査においても、事業の課題や改善策が明確に示されれば有利に働き、経営状況の改善につながります。

契約・法律上のリスクを回避できる

資金調達には法律上のリスクが潜んでいます。資金調達の契約では、内容を十分に理解しないままに合意してしまい、トラブルになるケースが多いです。そこで、資金調達コンサルティングを利用し、専門家と一緒に契約内容を確認することで、法的なリスクを回避することが可能です。また、株式などの有価証券を発行する場合は、金融商品取引法等の法令に準拠する必要があります。コンサルティングを通じて適切な届出や手続きを行えば、契約や法的なトラブルを未然に防ぎつつ、資金調達プロセスを安心して円滑に進めることができます。

資金調達コンサルティングを依頼する2つの方法

資金調達コンサルティングを依頼する方法には、コンサルティング会社と社外CFOサービスの2つの選択肢があります。

1. 最も一般的な方法は、コンサルティング会社に依頼することです。経営や資金繰りの改善、経費削減など幅広いアドバイスを受けることができ、税理士や弁護士との連携により税務や法務面からの支援も期待できます。
2. 社外CFOサービスに依頼する方法もあります。この方法では、社外のCFO（最高財務責任者）が常駐し、必要な時、必要な業務のみを委託することができます。これにより、雇用コストを抑えつつ、専門的な財務管理や戦略立案を得ることができます。

資金調達が得意なコンサルタント会社の選び方

資金調達コンサルティング選びを失敗すると、財務上のリスクが生じるだけでなく、信頼失墜が生じる場合もあります。資金調達コンサルタントを選ぶ際は、実績や信頼性、専門性を慎重に確認し、顧客の評判や口コミも参考にする事が重要です。

専門分野を確認する

資金調達コンサルティングを依頼する際は、コンサルタントの専門分野や得意な業種を確認することも重要です。自社の業界・業種や、希望する資金調達方法に精通しているコンサルタントを選ぶことで、効果的な支援を受けることが可能です。最初の相談時に、どのような案件の担当経験があるか、どのような相手との交渉が得意かを確認するようにしましょう。

資金調達の実績を確認する

資金調達コンサルティングを選ぶ際には、過去の支援実績や資金調達額をヒアリングし、その実績を確認しましょう。実績や調達額が多ければ、質の高いアドバイスやサポートが期待でき、成功率も高まります。ただし、売上げや実績を実際のものより誇張している業者も存在するため注意が必要です。ホームページの記載だけを信用せず、直接問い合わせてみることがおすすめです。

報酬や契約内容を確認する

資金調達コンサルティングを依頼する際は、報酬や契約内容を細かく確認しましょう。どこまでサポートしてもらえるか業務範囲もチェックすることが大切です。書類作成やその他サポートで追加料金が発生するケースもあるため注意が必要です。報酬の支払い方法には、成功報酬型と定額型の2つがあります。企業のニーズや予算に応じて適切な契約を選択しましょう。

成功報酬型	一定の成果をあげたときに報酬費用が発生します。初期費用が、かからない、若しくは少額であるケースが多いです。但し、初期費用を抑えられる分、結果が出たときに発生する報酬は高額になりやすい傾向があります。
固定報酬制	発注者と受注者が契約を結んだ時点で報酬が確定され、仕事の進捗状況や品質に関わらず報酬費用が発生します。一定額の費用が毎月又は毎年発生するので、資金繰りを圧迫する場合がありますが、高額な成功報酬がない点がメリットです。

担当者との相性も重要

資金調達コンサルタントとのお付き合いは長期にわたることも多く、その担当者を信頼できるか、長期的にお付き合いできるかといった人間性の部分も非常に重要な要素となります。分かりやすく説明できることはもちろん、親身になって相談に応じてくれる、話しやすい、レスポンスが良く迅速に対応してくれるなど、担当者の誠実性、信頼性も確認するようにしましょう。

【チェックすべきポイント】

• 親身に話を聞いてくれるか
• 話しやすいか
• 説明は分かりやすいか
• 対応は早いか
• 課題やリスクについてもアドバイスがあるか

資金調達サポートは財務コンサルティングに強いキークレア税理士法人にお任せ！

キークレア税理士法人では財務コンサルティング法人と連携し、中小企業や個人事業主向けの資金調達において多くの実績を持ちます。また、私たちは豊富な知識と専門性を備える担当者が多く在籍し、財務分析や事業計画書の作成、融資面談から経営改善や資金繰りまで様々なサポートを提供する事が可能です。お客様のニーズに合わせ、一社一社に最善・最適なサービスを提供いたします。

資金調達コンサルティングを受ける場合の注意点

資金調達コンサルティングの利用には、以下のようなリスクもあるため注意が必要です。

■ノウハウが社内に蓄積しにくい
コンサルティングを利用すると、資金調達の手続きをほぼ丸投げしてしまう為、資金調達のノウハウが社内に蓄積しにくくなってしまう危険性があります。できる範囲で、自社でも作業を実施し、ノウハウの蓄積に努めましょう。

■相性の悪い会社や担当者もいる
コンサルタント会社や担当者と相性が悪ければ、その効果は半減してしまう可能性があります。契約前に担当者と直接会い、入念なヒアリングと調査をすることをおすすめします。

■審査で不利になるケースもある
審査では経営者の事業に対する熱意も見られます。コンサルタントに丸投げすると審査で不利になる恐れがあるため、事業への熱意をもって取込んでいる姿勢をアピールするだけでなく、事業計画の内容などはご自身でしっかりと説明できるようにしておきましょう。

資金調達・資金繰りでお悩みの際は、実績豊富なキークレアにご相談下さい。

資金調達において、事業計画の準備や、的確な対策は欠かせません。そのため、専門家によるサポートこそが成功に導く鍵となります。キークレア税理士法人には幅広い知識と豊富な実績を持ち、資金調達に関する包括的なサポートを提供できる担当者が数多く在籍しており、財務分析から事業計画書の作成、融資面談、経営改善、資金繰りまで、あらゆる段階での専門的な支援が可能です。また、中小企業や個人事業主にも強みを持ち、お客様ごとにカスタマイズされたサービスで、ニーズに最適な支援を提供いたします。資金調達の成功に向けてキークレア税理士法人の専門家チームがお手伝いさせて頂きますので是非、お気軽にご相談下さい。