信用金庫の融資を徹底解説!
融資を受ける流れや審査のポイントについて
目次
開業資金や運転資金の資金調達方法として、信用金庫からの融資を検討されている方も多いと思います。融資を受けるには会員資格が必要など、事前に把握しておくべき項目が多いといった特徴があります。
本コラムでは、信用金庫で融資を受ける流れや、審査を通過するためのポイントなどを解説してまいります。
信用金庫の融資の特徴
信用金庫は、地域の人々の相互扶助を目的とした金融機関であり、地域の会社や個人が会員となって出資する非営利組織です。
中小企業、個人事業主、創業時や初めて融資を利用する方に向いているといえます。
なお、信用金庫の営業地域は一定の地域に限定されます。
信金には主に3つの法人向け融資があります。
一般融資 | 中小企業のニーズに応じ、長期・短期問わず、資金の融資が受けられます。 |
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制度融資 | 信用金庫と地方公共団体、信用保証協会の三者が協調して行う融資です。 |
代理貸付 | 信用金庫が公庫、事業団等の代理人となり、政府資金の長期融資を行う制度です。 |
融資を受けるには会員資格が必要
信用金庫で融資を受けるためには、会員資格を持っていることが条件となります。
会員資格は信用金庫法によって定められています。但し、700万円以内の小口融資なら会員以外でも融資対象です。
【会員資格】
- 信用金庫のある住所内に事業所または住居を有するもの
- 信用金庫のある住所内で勤労をしているもの
- 信用金庫のある住所内に事業所を有するものの役員
- 中小企業の場合、従業員300人以下または資本金9億円以下の事業者
信用保証協会を経由するケースが多い
信用金庫から初めて融資を受ける場合、基本的には信用保証協会を経由します。
信用保証協会の保証付き融資とは、信用保証協会が融資の保証を行う融資のことを言います。万が一、返済が困難となってしまった場合でも、事業主に代わり、信用保証協会が立て替えて返済を行ってくれます。
信用金庫側からすればリスクを軽減できるため、実績の乏しい事業者でも融資を受けやすくなります。ただし、保証協会に「信用保証料」という手数料を事前に支払わなくてはならないため注意が必要です。
信用保証料は融資を受ける金額のおおよそ0.5~2.3%の間で決められます。
信用保証協会を通さずに直接信用金庫から融資を受ける(プロパー融資)ことも可能ですが、信用保証協会を通した融資よりもハードルが高くなります。
信用金庫を利用するメリット・デメリット
【メリット】
- 中小企業や個人事業主でも融資を受けやすい
- 貸し渋りや貸し剥がしのリスクが低い
- 会員ならではの特典がある
- 地域密着型で親身になって対応してくれる
【デメリット】
- 対象地域が限られている
- 金利が高い
- 融資限度額が低い
- ATMの設置数が少なくネット対応が弱い
銀行と信用金庫、それぞれの融資の詳細については、以下のリンク先をご参照ください。
融資を受けるならどっち?銀行と信用金庫の違いやメリット・デメリット
信用金庫から融資を受ける流れ
保証付き融資の申込方法は2通りあります。
1.信用金庫経由で保証に申し込む方法 | 2.信用保証協会から保証に申し込む方法 |
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1は手続きを行う機関が信用金庫のみのため、2よりも着金までの期間が短い傾向にあります。
以降では一般的な流れである1を詳しく解説します。
①信用金庫に融資を申し込む
申し込みは信用金庫の窓口か電話が可能です。
営業時間はたいてい平日9時~15時が多く、スムーズな申込みを行うために、電話で予約してから行くとよいでしょう。
また、信用保証協会は月末が休日となっており忙しいため、申込みは月初めに行うことをおすすめします。
②融資審査に必要な書類を準備する
必要書類を準備し、信用金庫経由で信用保証協会に提出します。必要書類は、融資の種類や信用金庫ごとに異なります。
また、創業前と創業後でも用意する書類が異なります。場合によっては下記以外の提出を求められることもあります。
創業前の場合 | 創業後の場合 |
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③信用保証協会による審査を受ける
仮審査と本審査の2段階の審査があります。仮審査では、収入や勤続年数などをもとに、申し込み内容や金額に問題がないか確認されます。
本審査では、仮審査の結果と信用情報機関に問い合わせた情報をもとに、返済能力に問題がないか確認されます。
④融資が実行される
審査の結果、保証が確定したら、保証協会から信用金庫に「信用保証書」が発行されます。保証書に記載された条件内で融資が実行されます。
信用金庫の融資の審査基準
信用金庫の審査基準は融資の種類や信用金庫によって異なります。一般的には以下のような項目をもとに審査しているといわれています。
- 資金使途
- 事業計画
- 返済能力
- 信用情報
資金使途
信用金庫によっては、資金の使途を確かめられることがあります。これは、資金流用、散財、隠れ負債、裏金などに使用されることを懸念しているためです。
資金使途の計画性、妥当性などを基に経営者のレベルとモラルが審査されます。
特に事業用資金の融資を受ける場合には明示を求められます。資金使途確認書類として見積書・注文書・契約書等の提出を必須としている信用金庫もあります。
事業計画
信用金庫では事業計画も重視されます。事業計画書で信用金庫側に事業が成功すると納得してもらう必要があります。
事業計画書の内容に将来性を感じられない、根拠が不透明で非現実的な場合、審査に落ちるおそれがあります。
返済能力
信用金庫側はきちんと返済されるかをチェックします。事業用資金の借り入れの場合、「事業の売上」「自己資金」で返済能力を判断します。
- 事業の売上:今の事業が将来的に変わらず継続していけること
- 自己資金:自己資金があること(返済能力があると判断、融資審査に受かりやすくなる)
信用情報
借入する人物の人的信用も、重要な審査基準となります。利用中のローンや過去の返済実績を信用情報から確認されます。
以下に該当する場合、審査に通らない可能性があります。
- 債務整理や自己破産などでブラックリストに入っている
- クレジットカードや携帯料金などの滞納経験がある
- 事業で債務超過がある
- 税金の滞納がある など
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信用金庫の融資審査に通るためのポイント
信用金庫の審査に通過するポイントとして、以下5点が挙げられます。
- 綿密な事業計画書を作成する
- 自己資金をある程度貯めておく
- 提出前に書類を確認する
- 面談前にしっかり対策しておく
- メインバンクを信用金庫にする
綿密な事業計画書を作成する
事業計画書とは、事業内容や戦略、収益見込みなど、事業をどのように展開していくかを具体的にまとめた計画書のことです。
今後の事業の方向性を示す、経営指針のようなものともいえます。実績がない、あるいは、創業間もない企業や、経営経験のない経営者は、事業計画書の内容が融資の審査に大きく影響します。また返済計画(資金計画)も重要で、無理のない現実的な数字を算出するように注意しましょう。
【事業計画書を作成するポイント】
- 的確な資金使途を記載する
- 収支計画を立てて、説得力を持たせる
- 根拠を明確に示す
- 実現可能な計画であること
- 十分な収益性があること など
事業計画の詳細につきましては、以下のリンク先をご参照ください。
融資を受けるための事業計画書の書き方とは?税理士に依頼するメリット自己資金をある程度貯めておく
融資の担当者は返済能力があるかどうかを判断します。自己資金を貯めている場合、返済能力があると判断され、融資審査に受かりやすくなります。個人事業主は確定申告時に節税対策をしすぎて、見かけ上の収入が少なくなる場合が多いです。
自己資金不足を理由に融資を断られる可能性があるため、節税対策はほどほどにしておくことをお勧めします。
提出前に書類を確認する
必要書類は漏れなく準備しておきましょう。書類の不備を防ぐためにも提出前の確認が大切です。
また、公的書類には有効期限があるため、有効期限の確認も忘れずに実施しましょう。
面談前にしっかり対策しておく
信用保証協会での審査では面談を実施することもあります。申込人の人柄・意欲など、数字では評価できない定性面が重視されます。
経営者として事業に情熱を持ち、人生をかけて会社経営を行っていることをアピールすることが大切です。また、事業計画書の内容と矛盾なく回答できるよう対策しておきましょう。
【面談で質問されること】
- どのような事業を行うのか、ビジネスモデル
- 創業の動機
- 創業する事業の経験
- 強み、セールスポイント
- 得意先、仕入先
- 資金用途
メインバンクを信用金庫にする
融資してもらいやすい状況を作るには、メインバンクを信用金庫にしておきましょう。普通預金や定期預金、定期積金、公共料金の引き落としなど、様々な取引を行っていると心証が良くなります。
これにより、万が一経営が悪化しても、比較的借入しやすい状況を作ることができます。融資前から信用金庫との付き合いがあると、借りやすい関係を築くことができます。
信用金庫の融資はキークレアがサポートいたします!
資金調達において、事業計画の準備や、的確な対策は欠かせません。そのため、専門家によるサポートこそが成功に導く鍵となります。
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信用金庫の融資に関するQ&A
信用金庫の融資審査は銀行と比べて甘い?
信用金庫の審査は銀行と比較して甘いと思われがちですが、ほとんどの場合、保証会社の審査が入るため、それほど大差ないと考えられます。
信用保証協会の審査基準は公開されておらず、融資の種類や借入先によって異なります。融資を受けるためには、銀行と同じく十分な準備・対策が必要であることに変わりありません。
法人への銀行融資や、個人への銀行融資については、以下のリンク先をご参照ください。
法人が銀行融資を受けるには?融資の流れや審査のポイントを詳しく解説
信用金庫の融資にかかる期間はどれぐらい?
保証協会付きの融資は、保証協会の融資審査が必要なため、一般的に1〜1ヶ月半程度かかります。
信用保証協会を介さない場合は、審査は信用金庫内のみで済むため審査期間は短くなります。
ただし、保証協会の審査を行わない分審査が厳しい傾向にあります。なるべく早く融資を受けたいのであれば、信用金庫のホームページを確認し、あらかじめ必要書類を準備しておくことが重要です。
信用金庫と日本政策金融公庫の融資を同時に利用することは可能?
信用金庫と日本政策金融公庫による協調融資を実行することも可能です。
リスク分散が図れるため、1,000万円を超える融資も可能となります。
日本政策金融公庫とは、中小企業や小規模事業者に向けて融資を行っている政府系金融機関です。そのため、創業時でも融資を受けやすく、信用金庫に比べて低金利かつ融資を受けるまでの期間が短い点が特徴的です。
日本政策金融公庫の融資の流れについては、以下のリンク先をご参照ください。
日本政策金融公庫の融資の流れ信用金庫の融資をご検討中なら、実績豊富なキークレア税理士法人に一度ご相談下さい。
信用金庫の融資は保証協会を介するのが一般的です。また、融資審査に通るためには、事業計画や返済計画などの準備が必要です。
信用金庫の融資を成功させるなら、税理士や融資の専門家のサポートがおすすめです。
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