マンションの固定資産税は築年数で下がる?評価額や計算方法
目次
「マンションの固定資産税、築年数が経っているのになぜか安くならない…」と、納税通知書を見てため息をついたことはありませんか?
建物は年々老朽化していくため、税金もそれに比例して下がるのが自然に思えます。
しかし、実際にはマンションの固定資産税は一戸建てに比べて「下がりにくい」という特徴があります。
本記事では、マンションの固定資産税が築年数によってどう変化するのか、その計算の仕組みや評価額の決まり方を詳しく解説します。あわせて、税負担を軽くするための軽減措置や節税のコツもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
固定資産税とは
固定資産税とは、毎年1月1日時点で土地、建物、償却資産(事業用資産など)を所有している人に対して課せられる地方税です。
徴収目的と納付先
この税金は、地域の教育、福祉、道路の整備といった公共サービスの資金源として活用されます。納付先は、その固定資産が所在する市町村(東京23区の場合は東京都)となります。
マンションにおける算出方法
マンションの場合、一戸建てと異なり「自分の専有部分」だけでなく、エントランスや廊下などの「共用部分」も持ち分に応じて課税対象となります。税額は「土地分」と「建物分」をそれぞれ別に算出し、合算した金額を納める仕組みです。
都市計画税について
また、固定資産税とセットで請求されることが多いのが「都市計画税」です。これは原則として市街化区域内に不動産を持つ場合に課される税金で、最高税率は0.3%と定められています。
固定資産税額はマンションの築年数によって下がる?
結論から言うと、建物の評価額は築年数の経過とともに下がります。これは法定の経年減価補正率(評価減率)により、古くなるほど評価額が低く算出されるためです。
ただし、土地の評価額は築年数では下がらず、また近年は地価が上昇傾向のため合計課税額があまり下がらないケースが多いという実態があります。評価額は3年に一度見直され、その値がその後3年間適用されます。
土地の固定資産評価額
土地の評価額は、実際に売買される「実勢価格」とは異なります。
- 評価の目安:
一般的に、国が公示する「地価公示価格」の70%程度が目安とされています。 - マンション特有の計算:
マンションの敷地全体の評価額を、各住戸の所有者が持つ「敷地権の割合(持分割合)」によって按分します。大規模マンションで戸数が多いほど、一戸あたりの土地負担分は小さくなる傾向があります。
建物の固定資産評価額
建物の評価額は「再建築価格(その建物と同等のものを建てるときの費用)から経年劣化分を控除した価値」で算出され、鉄筋コンクリート造のマンションは耐久性が高いことから、木造建築より評価額が高めに出る傾向があります。
評価額の目安は一般的に建物の時価の50~70%程度とされ、築年数の経過に応じた経年減価補正率により、古くなるほど評価額は低くなっていきます。
固定資産税の計算方法と計算例
固定資産税の基本的な計算式は以下の通りです。
固定資産税額 = 固定資産税評価額 × 標準税率(1.4%)
この「1.4%」という税率は標準税率と呼ばれ、全国の自治体でほぼ共通して採用されています。
建物部分については、築年数に応じた「経年減価補正率表」を用いて再計算されます。これは、時間が経過することによる建物の価値の減少を数値化したもので、法務局や各自治体が公開しています。
| 築年数 | 固定資産税額 |
|---|---|
| 新築 | 約21万円 |
| 築6年 | 約18~22万円 |
| 築10年 | 約17~20万円 |
| 築20年 | 約15~18万円 |
| 築30年 | 約12~15万円 |
| 築40年 | 約10~12万円 |
| 築50年 | 約8~10万円 |
| 築60年 | 約8万円前後 |
新築時
東京都内の新築分譲マンション(価格6,000万円、面積75㎡)を購入した場合の想定です。
- 土地評価額:1,500万円
- 建物評価額:2,500万円
- 軽減措置:
小規模住宅用地(住宅やアパート等の敷地で200㎡以下の部分)については住宅用地の特例が適用されるため1/6をかけ、建物部分は新築マンションの特例が適用されるため、築5年までは1/2をかけて計算します。
- 土地: 1,500万円 × 1.4% × 1/6 = 35,000円
- 建物: 2,500万円 × 1.4% ×1/2 = 175,000円
合計:約21万円(※都市計画税を除く)
築6年
同じマンションが築6年を迎え、建物の軽減措置が終了した場合です。
- 土地評価額:1,600万円(地価上昇と想定)
- 建物評価額:2,100万円(経年減価補正率0.8335を考慮)
- 軽減措置:建物分は終了
- 土地:1,600万円 × 1.4% ×1/6 = 37,300円
- 建物:2,100万円 × 1.4% = 294,000円
合計:約33万円
新築時より建物の価値は下がっていますが、軽減措置がなくなるため、支払額は新築時より高くなります。
築35年
築35年が経過し、評価額が十分に下がった状態です。
- 土地評価額:1,800万円
- 建物評価額:500万円(補正率の下限付近)
- 土地:1,800万円 × 1.4% ×1/6 = 42,000円
- 建物:500万円 × 1.4% = 70,000円
合計:約11.2万円
築35年の例では、建物部分の経年減価補正率がさらに低くなり、評価額が大きく下がるため、建物分の税額も低く算出されます。
土地評価額が大きな割合を占めるため、築年数により税額が大きく下がる仕組みになっている一方で、土地価値が高い地域では合計額があまり下がらないこともあります。
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マンションにおける固定資産税の軽減措置
固定資産税には所有者の負担を軽くするためのさまざまな軽減措置が設けられています。以下で代表的なものを紹介します。
新築マンションの軽減措置
新築の居住用マンションのうち、床面積が50㎡以上280㎡以下の物件が対象です。
- 内容:
建物部分の固定資産税が1/2に減額されます。 - 適用期間:
一般的なマンション(3階建て以上の耐火住宅)の場合、新築から5年間適用されます。
この軽減措置により新築直後の固定資産税は通常より大きく抑えられ、節税メリットがあります。
長期優良住宅の軽減措置
国が定める「長期優良住宅」の認定を受けたマンションの場合、さらに優遇されます。
- 内容:
建物部分の固定資産税が1/2に減額。 - 適用期間:
通常の5年から延長され、7年間適用されます。 - 適用要件:
耐久性、耐震性、維持管理のしやすさなど、厳しい基準をクリアする必要があります。新築マンションの軽減措置と併用するのではなく、期間が2年延びる形となります。
マンション長寿命化促進減額
2023年度からスタートした新しい制度で、老朽化マンションの再生を支援する目的があります。
- 内容:
管理計画認定を受けたマンションなどが、適切な大規模修繕工事を実施した場合、工事翌年度の建物分の固定資産税(100㎡分まで)が1/6~1/2の範囲で減額されます(市町村条例により減額割合は異なります。)。 - 適用要件:
築20年以上、10戸以上、過去に1回以上の大規模修繕工事が行われていることなどが条件です。
マンションの固定資産税を安く抑えるコツ
土地価格が上昇しやすい都市部では、何もしないと固定資産税はなかなか下がりません。少しでも負担を抑えるためのポイントを3つ紹介します。
自治体の減免制度を利用する
各自治体では、独自の減免制度を設けている場合があります。例えば、耐震改修工事やバリアフリー改修、省エネ改修を行った際に税金が安くなるケースがあります。該当しそうなリフォームを検討中の方は、事前に役所の税務課へ問い合わせてみましょう。
滞納しない
当たり前のことですが、最も確実な節税は「余計な費用を払わない」ことです。固定資産税の延滞金は非常に高く、最大で年14.6%かかることもあります。支払期限は必ず守りましょう。
クレジットカードやスマホ決済で支払う
税額そのものは変わりませんが、支払方法を工夫することで「実質的な還元」を受けられます。クレジットカード払いや、PayPay・au PAYなどのスマホ決済を利用すれば、カード会社のポイントが付与されるため、現金払いよりもお得になります
(※自治体によっては決済手数料がかかる場合があるため、損益分岐点を確認してください)。
マンションの固定資産税に関するご質問はキークレア税理士法人までお問い合わせください
マンションの固定資産税は、建物の構造や築年数、さらには土地の評価など、多くの複雑な要素が絡み合って決定されます。
特に「築5年を過ぎてから急に税金が上がった」「中古マンションを購入したいが、将来の税負担が不安」という方は多いはずです。
固定資産税の仕組みを正しく把握することは、不動産という大きな資産を守り、賢く運用するための第一歩です。税額計算に疑問がある場合や、相続・売却に際しての税金対策を検討されている方は、ぜひ専門家へご相談ください。
キークレア税理士法人では、不動産オーナー様の税務に関するお悩みに親身に対応いたします。複雑な計算や最新の軽減措置についても、専門的な知見から分かりやすくアドバイスさせていただきます。まずは一度、お気軽にお問い合わせください。