株の相続税評価額はいくらになる?計算方法や調べ方、注意点など | 福岡の税理士 | キークレア税理士法人 | 福岡・東京を拠点とした7社によるキークレアグループ

各種お問い合わせ

受付時間:8:30-17:30 / 定休日:土・日・祝日

092-406-6736 メールでのお問い合わせ
キークレア税理士法人

株の相続税評価額はいくらになる?計算方法や調べ方、注意点など

代表税理士 三嶋 泰代
監修代表税理士三嶋 泰代

相続の対象となる財産の中に「株式」が含まれている場合、その株式も不動産や預貯金と同様に相続税の課税対象になります。株式には、大きく分けて証券取引所で売買される「上場株式」と、市場で取引されない「非上場株式」の2種類があります。
これらの株式は、それぞれ評価方法が異なります。とはいえ、どちらの株式も「1株あたりの評価額」を算出し、その評価額に被相続人が保有していた株数を掛けるという基本的な流れは同じです。

本コラムでは、上場株式と非上場株式、それぞれの相続税評価の方法について、わかりやすく解説していきます。

株を相続したら相続税の対象になる?

株式を相続した場合、その株式も相続税の課税対象に含まれます。株式は大きく分けて、証券取引所で取引される「上場株式」と、取引所に上場していない「非上場株式」の2種類に分類されます。
上場株式」は、証券会社を通じて市場で売買できる株式で、市場価格(株価)が存在します。そのため、相続時の評価は比較的明確です。

一方で「非上場株式」は、取引所に上場しておらず、公開市場がないため、株価が明確に定まっていません。このような株式は、実際には売り手と買い手の間で条件を調整しながら取引されるのが一般的です。
どちらの種類であっても、相続税を計算する際には「1株あたりの評価額」を算出し、それに相続した株数を掛けて評価額を求めるという手順になります

上場株式の相続税評価方法

上場株式は、証券取引所を通じて売買されており、売り手と買い手の需給関係によって価格(株価)が日々変動しています。上場株式には、常に客観的な市場価格が存在するため、相続税の評価においてもこの価格情報が活用されます。
株価は、企業の業績だけでなく、経済全体の状況や社会的な動きなどにも左右され、短期間でも大きく変動することがあります。そのため、相続税を計算する際には、できるだけ公正かつ適正な価格を採用する必要があります。

相続税評価の際には、以下の4つの時点の終値を比較し、相続人の税負担が過度にならないよう、これらの中で最も低い価格を使って評価されます。

  • 相続が開始した日の終値
  • 相続開始月の毎日の終値の平均
  • 相続開始前月の終値の平均
  • 相続開始の2か月前の終値の平均

相続開始日が土日祝日だった場合

相続が発生した日が土日祝日などで株式市場が休場している場合、その日には株価の終値が存在しません。このような場合には、評価に使用する価格として、最も近い取引日の株価を基準とすることになります。
例えば、相続開始日が土曜日であった場合は、その直前の営業日である金曜日の終値が評価額として用いられます。
もし相続が連休の途中で発生した場合には、連休前と連休明けの取引日の終値の平均値を採用する形になります。

上場株式の相続税評価額の調べ方

上場株式の評価に必要な株価は、新聞やインターネット上で簡単に調べることができます。相続が発生した日の終値も、こうした媒体を使えばすぐに確認が可能です。
また、終値の平均値については、「日本取引所グループ(JPX)」の公式ウェブサイトで公開されており、相続税の計算に必要な情報を手に入れることができます。

さらに、相続税の申告にあたっては、証券会社から「残高証明書」を発行してもらうと安心です。この証明書には、相続時点での株式の評価額が記載されているため、正確な申告のためにも、活用することをおすすめします。

①インターネットで調べる

上場株式の終値を調べるには、インターネット上の金融情報サイトを利用するのが便利です。
たとえば「Yahoo!ファイナンス」では、企業名や証券コードを入力することで、該当する株式の終値などを簡単に検索できます。

また、相続税の計算に必要な「相続開始月」「前月」「前々月」の株価平均を確認する際は、「日本取引所グループ(JPX)」公式サイトに掲載されている「月間相場表」が役立ちます。
このページでは、各月の終値の一覧や平均値が確認でき、相続税評価額の算出に必要な情報が一目でわかります。

②証券会社で残高証明書を発行してもらう

相続税の申告を行う際には、証券会社から「相続開始日付の残高証明書」を取得しておくと安心です
この証明書には、保有している株式の数量、1株あたりの評価額、それに基づく評価額が明記されており、相続税の計算ミスを防ぐことができます。
残高証明書を発行してもらうためには、証券会社に対して「残高証明書発行依頼書」の提出が必要です。それに加えて、一般的には以下のような書類の提出が求められます。

  • 相続の発生を確認できる書類
    (被相続人の戸籍謄本など)
  • 依頼者と被相続人の関係を示す書類
    (戸籍謄本、遺産分割協議書など)
  • 依頼者の本人確認書類
    (運転免許証、マイナンバーカードなど)

なお、必要となる書類や手数料の金額は、証券会社によって異なる場合があります。手続きを始める前に、あらかじめ各社の窓口や公式サイトで確認しておくとスムーズです。

③証券保管振替機構に照会する

被相続人がどの証券会社で株式を保有していたのか分からない場合は、「証券保管振替機構(ほふり)」に対して情報開示の請求を行うことで、口座を開設していた証券会社などの情報を確認することが可能です。
具体的にどの銘柄をどれだけ保有していたか(株数など)は、開示された証券会社に直接問い合わせて確認する必要があります。
照会には証券保管振替機構に対して「開示請求書」の提出が必要です。その他に必要な書類は、以下の通りです。

  • 請求者(相続人)の本人確認書類
  • 相続関係を証明する書類
    (法定相続情報一覧図、または戸籍謄本など)
  • 被相続人の住所を証明する書類
    (戸籍の附票、株式関係の郵便物など)

相続人等が開示を求める場合、1件目は6,050円、2件目以降は1件ごとに1,100円が追加されます。なお、調査の結果として該当する情報が見つからなかった場合でも、手数料は返金されませんのでご注意ください。

非上場株式の相続税評価方法

非上場株式は、証券取引所などで売買されておらず、市場価格(株価)が存在しないため、相続税の評価は国税庁が示している「財産評価基本通達」に基づいて行われます。
評価の方法は主に次の2つに分かれています。

  • 原則的評価方式
  • 配当還元方式

どちらの方式を使うかは、株式を取得した人と会社との関係によって決まります。
被相続人から株式を引き継いだ人が、その会社の経営に関して実質的な影響力(支配力)を持っている場合は、「原則的評価方式」が適用されます。
一方、支配力を持っていない場合には、「配当還元方式」による評価が用いられるのが一般的です。

原則的評価方式

原則的評価方式では、まず対象となる会社を「大会社」「中会社」「小会社」のいずれかに分類します。この区分は、従業員の数、総資産の規模、年間の取引額など、会社の規模に関する複数の要素によって判断されます。
それぞれの会社区分に応じて、原則として以下の評価方法が用いられます:

  • 大会社:類似業種比準方式
  • 小会社:純資産価額方式
  • 中会社:類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式

類似業種比準方式

類似業種比準方式は、事業内容が近い上場企業と比較して評価額を算出する手法です。この比較では、上場企業の「株価」「配当額」「利益」「純資産額」などを参考にして、評価対象企業の価値を見積もります。
この方式は、大会社とされる非上場企業の評価に使われます。なぜなら、大会社はたとえ上場していなくても、規模や事業の安定性が上場企業に近い場合が多いためです。
一般的には、従業員が70名以上など、一定規模以上の企業が大会社と見なされます。

また、大会社については、類似業種比準方式と純資産価額方式のいずれか有利な方法を選ぶことができます。なお、類似業種比準方式は、評価手法の中でも比較的低い評価額が出やすい傾向にあるといわれています。
ただし、以下のようなケースでは類似業種比準方式は使えず、純資産価額方式によって評価される点に注意が必要です。

  • 会社が保有している土地、株式などの資産割合が一定基準を超えている場合
  • 設立から3年未満の新しい会社である場合  など

純資産価額方式

純資産価額方式とは、非上場企業の株式について「会社を仮に解散し、保有資産を売却して現金化した場合に、株主にいくら戻ってくるか」という視点で株価を算出する方法です
この方式では、相続税評価に基づいて資産から負債を差し引いた純資産額をもとに、法人税などの税金を考慮して最終的な残額を計算します。
その後、その金額を発行済株式数で割ることで、1株あたりの評価額が算出されます。

純資産価額方式は、主に小規模な会社の株式を評価する際に用いられます。たとえば、従業員が5名以下の企業などが該当します。
このような小会社の場合、純資産価額方式と、次に紹介する「併用方式」のいずれか有利な方法を選ぶことができます。

併用方式

併用方式とは、類似業種比準方式と純資産価額方式の2つの評価方法を組み合わせて株価を算定する方法です。主に中会社の評価に用いられます。
中会社とは、大会社ほど規模が大きくなく、かつ小会社にも該当しない会社を指します。中会社はその規模によってさらに細かく、「中会社の大」「中会社の中」「中会社の小」の3つに区分されます。
この区分により、2つの評価方法の使用割合が以下のように異なります。

区分 類似業種比準方式 純資産価額方式
中会社の大 90% 10%
中会社の中 75% 25%
中会社の小 60% 40%

また、参考までに、小会社の併用方式では、類似業種比準方式が50%、純資産価額方式が50%となっています。
なお、中会社であっても、併用方式と純資産価額方式のうち、有利な方式を選ぶことが可能です。

配当還元方式

相続や遺贈により株式を取得した場合でも、その株式の発行会社に対して経営上の影響力(支配力)を持っていない人が取得したときは、「配当還元方式」を使って評価します。
この評価方法では、まず株式を持つことによって受け取れる1株あたりの過去2年間の配当金の平均額を算出します。その金額を年利10%で割り戻す(還元する)ことで、1株の価値を見積もります。

なお、もし配当が1株あたり2円50銭に満たない場合は、最低でも2円50銭として評価に用います。
さらに、その評価額に対して「1株あたりの資本金等の金額を50円で割った値」を乗じて、配当還元価額を算出します。
計算式は次の通りです。

配当還元価額=(2年間の1株あたり配当金の平均 ÷ 10%) ×(1株あたりの資本金等の金額 ÷ 50円)

この「配当還元価額」に、保有している株式の株数を掛けることで、最終的な評価額が求められます。

税理士・司法書士・社労士・財務会計・会計・不動産・カンボジア

キークレアグループ一丸となって支援いたします!

092-406-6736092-406-6736

受付時間:8:30-17:30 / 定休日:土・日・祝日

※相談は来所、オンライン可能

※30分以降は、30分毎に5,500円(税込)の有料相談となります

株の相続税を軽減する方法

株式に課税される相続税を軽減する方法についてご説明いたします。

上場株式の相続税対策は生前贈与が有効

今後、株価が上昇すると見込まれる株式を保有している場合は、値上がり前に子や孫などに株式を贈与しておけば、値上がり後の高い評価額を基にした相続税の負担を回避できる可能性があります
とはいえ、株価の動きを正確に読むのは簡単ではありません。
また、相続開始前3年以内(令和9年1月1日から順次延長され、令和13年1月1日以降は7年以内)に相続人に対して暦年贈与した財産は、相続財産として加算され、相続税の対象となることにも注意が必要です。

非上場株式の相続税対策は特例の活用が有効

非上場株式の相続では、「法人版事業承継税制」と呼ばれる特例制度を活用することで、相続税の納税が猶予され、一定の条件を満たせば免除される可能性があります。この制度は、中小企業の円滑な事業承継を目的に設けられたものです。
後継者が株式を相続した際に必要な要件を満たし、その後も継続して条件を維持すれば、最終的に相続税の納付が免除されます。

ただし、要件を満たさなくなった場合は、猶予されていた税額に利子税を加えて支払う必要があります。なお、令和8年3月31日までに特例承継計画を提出することで、猶予・免除の対象が100%となる特例措置を受けられます。

株の相続税評価額を算出するときの注意点

株の相続税評価額を算出する場合の注意点を以下でご説明いたします。

配当期待権や未収配当金がないか確認する

株式を保有していると、銘柄によっては配当金を受け取ることがあります。
配当は「配当基準日(通常は決算日)」に株主として記録されていることで権利が発生し、その後の「配当確定日(通常は株主総会)」で正式に決定され、「受取日」に実際に支払われる流れとなります。
相続が発生した時点によっては、配当期待権や未収配当金も相続財産に含まれるため注意が必要です。これらはすべて源泉徴収後の金額で評価されます。
配当関連の権利は見落とされやすいため、慎重に確認しましょう。

相続開始日 相続財産 税目
配当基準日まで 配当金 被相続人の所得税
配当基準日の翌日から配当確定日 配当期待権 相続税
配当確定日の翌日から受取日 未収配当金 相続税
受取日の翌日以降 配当金 相続税

1単元に満たない端株がないか確認する

端株(はかぶ)とは、通常の売買単位である100株に満たない株式を指します。株式分割や株式交換などのタイミングで発生することがあります。
被相続人が証券会社で管理されている単位株と同じ銘柄の端株を保有していた場合でも、端株は信託銀行などの株主名簿管理人が管理しているため、一般的な相続手続きでは見落とされる可能性があります。

配当金計算書に記載された株数が100の倍数でない場合は、端株がある可能性があります。その際は、配当金計算書記載の株主名簿管理人に問い合わせて相続手続きを行いましょう

配当支払いや新株割当てがないか確認する

株式を保有していると、配当金や新株割当てなどの権利を得られる場合があります。
こうした権利を受け取るためには、「権利確定日」に株主名簿に名前が載っている必要があります。株主名簿に記載されるには、権利確定日の2営業日前、いわゆる「権利付最終日」までに株式を取得していることが条件です。
この日に株を保有していなければ、配当などの権利を受けることはできません。

一般的に、権利付最終日の翌日には、企業の実際の価値に変化がなくても株価が下がる傾向が見られ、これを「権利落ち日」といいます。
なお、相続開始日が権利落ち日と権利確定日の間にあたる場合、株式の評価額は、権利付最終日の終値を基準にして算出します。

相続発生直前に売却した株が受け渡し未完了になっていないか確認する

相続が発生する直前に株式の売買が成立したものの、相続開始時に決済がまだ完了していない場合があります。この場合、証券会社が発行する残高証明書に売買が成立した株式が記載されていても、それを相続税評価には含めません
代わりに売却金額をプラスの財産として計上し、証券会社への支払手数料をマイナスの財産として計上します。また、売却益が発生した場合、相続開始を知った日から4ヶ月以内に準確定申告を行います。
その際は納付すべき所得税額をマイナスの財産として計上します。

相続財産に株が含まれていた場合はキークレア税理士法人にご相談ください。

相続財産に株式が含まれている場合、その株式が上場株式か非上場株式かによって評価方法が異なります。
上場株式は証券会社の残高証明書を使って比較的簡単に評価できますが、非上場株式の評価は上場株式に比べて複雑なため、税理士などの専門家に依頼することをお勧めします。

相続税申告に特化した専門チームがあるキークレア税理士法人にご依頼いただければ、司法書士や弁護士事務所と連携してワンストップで相続税申告手続きが可能です
また、グループ内の不動産会社やコンサルティング会社とも協力し、相続財産の活用についても相談をお受けしております。
相続財産に株が含まれていた場合は、キークレア税理士法人にご相談ください。

お客様のビジョン達成のために、グループ一丸となり全力で支援してまいります。 お客様のビジョン達成のために、グループ一丸となり全力で支援してまいります。

お客様のビジョン達成のために、グループ一丸となり全力で支援してまいります。

受付時間:8:30-17:30 / 定休日:土・日・祝日

092-406-6736
メールでのお問い合わせ