営業利益率とは?算出方法・目安・数値を高める方法

代表税理士 三嶋 泰代
監修代表税理士三嶋 泰代

営業利益率とは売上高の中に本業での利益がどれくらいの割合があるのかを見るための指標です。
企業の収益性を分析する財務指標のひとつになり、とても重要な項目となります。

営業利益率とは

営業利益率とは冒頭でも説明した通り本業での利益率になります。
売上高より売上原価と販売管理費を引いた残りの利益が、売上高を100%としたときにどのくらいの割合で利益が残っているのかが営業利益率になります。

営業利益率から何がわかるのか

営業利益率は本業のみの収益率になるのでこの数値が高いと自社の事業だけでキャッシュを多く残す事ができており、逆に低くいと借入や本業以外の収入で資金繰りを賄わないといけなくなる場合があります。

利益率の種類

利益率の種類
売上総利益率 売上高に対して、売上高より原価を引いた利益の割合
営業利益率 売上高に対して、売上総利益より販売管理費を引いた利益の割合
経常利益率 売上高に対して、営業利益より営業外収益・費用を加味した利益の割合
税引当期純利益率 売上高に対して、経常利益より特別損益を加味した利益の割合
当期純利益率 売上高に対して、税引前当期純利益より法人税を引いた利益の割合

営業利益率が重要な理由

本業で儲ける力の指標となるため

営業利益率=本業での利益割合となる為、この指数が高ければ高い程企業の商売が上手くいっている証拠になります。金融機関も営業利益(率)は良くチェックする数値となります。

仮に営業利益率が低いと、キャッシュが枯渇し、借入金や本業以外での収益に頼らざるを得なくなります。

市場の変化にいち早く対応するため

営業利益率が低いと、本業で上手くいっていない事が分かる為、今後のビジネス展開の方向性を考えるきっかけにもなります。

市場の変化が営業利益率含め、財務指標に影響する事は多いです。指数分析を常日頃行う事によって危機的状況からの脱却、または新たに取り組む事など、迅速に対応するとことができます。

営業利益率の算出方法

営業利益率の計算式

  • 営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100
  • 売上総利益=売上高ー売上原価
  • 営業利益=売上総利益ー販売費及び一般管理費

売上原価:売上に直接かかる費用(仕入や外注費など)
販売費及び一般管理費:人件費や家賃など固定的にかかる費用

適正な営業利益率の目安は?

業種業態やビジネスモデルによって異なりますが、一般的には5~10%を目標にするのが良いでしょう。

営業利益率 状態
0%以下 危険
0~5% 一般的
5~10% 優良企業
10%~ 超優良企業

営業利益率がマイナスの場合は本業が赤字の為、仕組みがおかしいのか、そもそも売上が足りないのか、または原価がかかりすぎているのか、などの改善が必要になります。

営業利益率の業種別平均値

業種によって売上高営業利益率の平均値は異なる

厚利少売である職種は営業利益率の平均値が高いですが(IT業界、金融関連業界、不動産業界など)卸売業や小売業、製造業、建設業などは売上に占める原価率が高い事が多いので、最終的な営業利益額は大きくとも、営業利益率自体は小さくなることがあります。

同業他社と比較をすることで有効な分析が可能

上場企業の決算書や財務指標はインターネットでも見る事が可能なので、一度分析を行い自社の数値と比較してみるのも良いかもしれません。

業種 営業利益率
建設業 3.52%
製造業 2.45%
情報通信業 4.71%
運輸業・郵便業 -0.33%
卸売業 1.61%
小売業 0.65%
不動産業・物品賃貸業 8.12%
学術研究、専門・技術サービス業 5.55%
宿泊業・飲食サービス業 -9.61%
生活関連サービス業・娯楽業 -2.62%
サービス業 3.36%

営業利益率は高ければ高いほど良い?

一般的に営業利益率が高い企業は、経営が安定するといわれています。
潰れない会社は営業利益率が安定しており、本業で生んだキャッシュで「借入金返済」「設備投資」「新たな事業への投資」などを行うことができます

低い企業だと借入金の返済だけでキャッシュが枯渇し、次の事業展開のための資金を確保できず、じり貧になる場合もあります。
よく「売上〇〇億を目指します!」と根拠もなく目標を立てる人がいますが、大事なのは稼ぐべきキャッシュです。営業利益から逆算しキャッシュが残る売上目標を立てましょう。

ただし、営業利益率が20%以上ある場合は注意が必要です。
「人件費が低水準」「保守修繕に不足がある」「取引先に無理を強いている」など、必要なコストまで下げているおそれがあります。

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営業利益率を分析する際のポイント

上場企業が営業利益率15%を出しているから、同じ水準を出そうとすることも間違いではないですが、中小企業には中小企業の、自社には自社の適正値や目指せるべき数値があるはずです。

まずは稼ぐべきキャッシュを設定し、そこから積み上げた時の売上に対してどのくらいのパーセントが最低でも必要なのかを知る事が大切になります。

経常利益率とは?営業利益率との違いや目安・計算方法について

財務分析・経営改善はキークレアにお任せ下さい!

キークレアグループでは、税務だけではなく財務にも力を入れております。
大事な指数は営業利益率だけではありません。会社を財務視点で現状分析する事により、改善箇所や取り組むべき事、目標設定などが見えてきます

また、グループ同士連携しているため、税務と財務をワンストップで提供する事が可能です。
お客様の情報や資料を随時グループ内で共有する事によりスピーディーな対応と、お客様の資料ご準備のお手間を最大限省略できます。

営業利益率を高めるための4つの方法

以下4つの手段をとることができます。

販売単価を上げる

値上は原価を上げずに、ダイレクトに営業利益率を上げる事が可能です。

  • 大幅の値上げは顧客を失うリスクも生じる
  • 値上げする場合は付加価値を付けるなど、顧客が納得するための取り組みが必要

販売数量を増やす

大量仕入れによる原材料や仕入れ商品の単価を引き下げる効果も期待できます。

経費を削減する

経費を1%でも下げる事が可能であれば、その分営業利益率は1%増えます。

固定経費の削減

  • テナント物件や保険料を見直して賃料や保険料を下げる
  • リモートシステムを導入して通信費を節約する など

変動経費の削減

  • 広告宣伝費、交際費、通信費が過剰であれば削減
  • 適宜業務を外注して人件費を下げる

販売構成割合を変更する

複数の商品を取り扱っている場合、粗利率が悪い商品と良い商品があるはずです。
その中から粗利率が良い商品の販売割合を増やすと必然的に営業利益率も上がってきます。

営業利益率を見るうえで注意すべきこと

過度なコストカットには注意

経費削減をすると簡単に営業利益率は向上するが、そもそも本当に削減して良い費用なのか注意が必要です。
人員を削減したことにより仕事が回らなくなったり、社員のモチベーション低下によりパフォーマンスが落ちたり、広告費をカットしたことにより大幅な売上減少を招いたり…。

トライ&エラーを繰り返し自社に合ったコストカットを見つける事が大切です。

営業利益率だけではなく営業利益の額やその先の経常利益までしっかり見る

営業利益率だけが良くても、営業外にてキャッシュを使い過ぎれば経常利益は減り、借入返済額を含めるとキャッシュがショートする場合もあります

財務指数には様々な項目があるので自社に合せた目標値を設定し、健全かつお金が貯まる計画を立てましょう。

財務・経営のお悩みは、実績豊富なキークレア税理士法人がサポートいたします。

営業利益率を把握することで、経営状態を知ることができる

今回のテーマは営業利益率でしたが、財務指数には大事なポイントがいくつもあります。
それぞれの会社に必要な情報をピックアップする事が重要です。

営業利益率に関して不明点やお悩みがあればキークレアグループにご相談を!

キークレアグループでは営業利益率はもちろん、財務分析を行い、お客様のB/S、P/Lの良い所悪い所を見える化できます。
現状分析をすることにより目標とのギャップを明確化し、今会社にとって何が必要なのかを数字でお伝えする事が出来ます。

また、財務コンサルサービスではギャップを埋めるための目標設定の相談・検討、併走支援(予実管理)、決算書だけでは見えてこないお金が貯まる本当の目指すべき利益など、様々な視点からお客様に合った情報提供とサポートを致します。

是非この機会にキークレアグループへご相談下さい!

お客様のビジョン達成のために、グループ一丸となり全力で支援してまいります。 お客様のビジョン達成のために、グループ一丸となり全力で支援してまいります。

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