税務調査に入られやすい開業医の特徴は?対策や税理士の選び方
目次
税務調査とは、税務署が「申告内容が正しいかどうか」を確認するために行う調査のことです。
この税務調査は、法人や個人事業主など税務申告をしている人であればすべての人が対象となります。
この記事では、税務調査の対象となりやすい開業医について、税務調査のポイントや対策などを詳しく解説していきます。
開業医の税務調査とは?
税務調査には「強制調査」と「任意調査」の2種類があります。
このうち「強制調査」とは、主に巨額の脱税や悪質な犯罪行為についての調査であり予告なく実施されます。
この強制調査は裁判所の令状に基づいて国税局の査察部が行います。
また、「任意調査」とは、納税者協力のもとで行われる、一般的な税務調査のことをいいます。
この任意調査は、不正の有無を問わず、税務署職員が適正に申告されているかを確認します。
任意調査は名前に「任意」と入っていますが、実際は必ず協力しなければならない調査となります。
この税務調査は、一般的に5~10年に1回程度実施されると言われていますが、毎年調査が入る会社もあれば10年以上入らない会社もあり、税務調査の入るタイミングは様々です。
開業医の税務調査の流れ
主な税務調査の流れは以下の通りです。
- 税務署から顧問税理士に対して事前通知を行う
- 調査実施日の日程調整を行う
- 調査に必要な書類をそろえる
- 税務調査の実施(質問・応答)
- 追加資料の提出
- 税務署内で決裁を受ける
- 顧問税理士に対して調査結果の説明
- 調査終了(修正申告・是認)
税務調査は企業規模によって異なりますが、一般的には2~3日程度で行われることが多いです。
追加資料の提出が求められる場合や、確認すべき資料が膨大にある場合は長引くこともあります。
税務調査に入られやすい開業医の特徴は?
開業医は税務調査に比較的入りやすい業種の一つとされています。
理由はいくつかありますが、主に「高収入であること」や「現金取引が多い」ことなどがあげられます。
これらを含めて、税務調査に入られやすい開業医の特徴を具体的に以下で解説いたします。
開業3年以上で売上が伸びている
開業医は、開業から3年以上が経過すると売上が増える傾向にあるため、税務調査が入りやすいと言われています。
また、一般的に開業後2年間は消費税の免税事業者ですが、3年目以降は課税事業者となる事業者が多いため、納税額が大きくなり税務調査が入ることも多いです。
ほかにも、事業を始めて3年を経過すると、経理処理に油断が出てくることも多いため、3年目以降は特に注意が必要です。
売上が1,000万円をわずかに下回る
確定申告において、売上が1,000万円をわずかに下回る場合は税務調査が入りやすいと言われています。これは、売上を調整していると疑われるためです。
売上が1,000万円を超えると、消費税の課税事業者となり消費税の納税義務が生じます。
そのため、売上が1,000万円をわずかに下回っている場合、課税事業者になりたくないために売上を調整していると疑われる可能性があります。
もちろん、調整せずとも結果的に1,000万円をわずかに下回ることはありますので、無理に意識しすぎる必要はなく、正しい申告ができているのであれば問題ありません。
経費に疑わしい点がある
経費が不自然に多いような不審な点がある場合も、税務調査の対象となりやすいです。
特に開業医は、個人の支出と事業の支出との線引きが難しく、経費が多すぎると「私的流用」と疑われる可能性があります。
高級な時計や車の購入を経費計上している場合や、接待交際費が多額の場合は私的流用しているのではないかと疑われます。
そのため、個人の支出か事業の支出かは慎重に検討する必要があります。
自由診療の割合が高い
自由診療の割合が高い場合も税務調査が入りやすいです。自由診療は現金やクレジット支払が多く、レセプトで管理できません。
そのため売上計上が曖昧となり、申告漏れが生じている可能性があり調査対象になりやすいです。
特に、美容医療や審美歯科は自由診療の割合が多く、現金払いも多いため税務調査のターゲットとなる可能性は高いです。
デジタルコンテンツやネット通販を運営している
ネット通販を運営する事業者やデジタルコンテンツを提供する事業者は、税務調査が入りやすいでしょう。
これは、国税庁が「インターネット取引を行っている個人」に対して積極的に税務調査の対象とすると公表しているためです。
国税庁がこのような声明を出している背景には、ネット通販事業は、無申告や売上の計上漏れが発生しやすく、匿名性が高いため全体像を把握しにくい点などが挙げられます。
ネット販売やデジタルコンテンツを提供している事業者は、特に適正な帳簿と会計データの作成を意識したほうが良いでしょう。
不動産を購入・売却した
不動産を購入・売却した場合にも税務調査が入りやすいです。不動産の購入・売却は、基本的には高額な資金の移動となります。
そのため、不動産を購入する場合は資金調達方法を把握する目的で調査に入ることが多いです。
また、不動産を売却した場合には、譲渡所得に対する所得税及び住民税が発生することとなりますので、これらを正しく納税できているかという確認のために税務調査が入ることも多いです。
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開業医が押さえるべき税務調査への対策5選
以上のように、開業医は税務調査が入りやすい特徴がたくさんあります。
そのため、日ごろから税務調査への対策をきちんとしておくことで、万一税務調査が入ることとなっても慌てずに対応できるでしょう。
以下では、開業医が抑えるべき税務調査への対策を紹介します。
①不正申告をしない
当たり前ですが、経費の水増しや売上の過少申告のような不正は絶対にしてはいけません。ばれないだろうと思っていても、税務調査が入れば必ず指摘されます。
そのため、きちんと帳簿をつけて不正が疑われないような申告を心がけましょう。
また、故意の不正ではないですが、開業医の税務調査は「親族への人件費」や「家事関連費用」について指摘されることが多いです。
このような経費がある場合には、適正な金額であるかどうかを都度検討しておくと良いでしょう。
②経費計上の範囲を把握しておく
税務調査では経費計上しているものについて様々な質問を受けます。
質問を受けた場合には、何に使ったのか、事業用として支出した理由が説明できるように、経費の範囲を把握しておく必要があります。
また、上記で記載したように、「親族への人件費」や「家事関連費用」が適正な金額であることを説明できるとなお良いでしょう。
これらを含めて経費計上の範囲を事前に把握しておく必要があります。
③事前に根拠を示しておく
税務調査への対策として、「事前に証拠を示しておく」ことで、疑われる可能性が低くなります。
例えば、飲食代の領収書には、参加者・参加人数・飲食の目的などを詳しく記載しておくことで、調査官から詳しい説明を求められる可能性は低くなるでしょう。
また、調査の際に確認される元帳にも、より細かく説明を残しておくことで、疑われる機会も減るでしょう。
④日常的に正確な記帳を行う
税務調査は、申告内容と帳簿を照らし合わせて正しい申告がされているか確認します。そのため、記帳ミスが多いと、税務調査の対象となりやすいです。
記帳ミスを防ぐためにも、日頃からこまめに記帳し、定期的に会計監査を行うことが大切です。
また、特に現金取引が多い事業者は、漏れがないよう日々丁寧な記帳を心がけ、適切に帳簿を保存するようにしましょう。
⑤顧問税理士を契約しておく
税務調査への対策として、顧問税理士を契約しておくことも重要です。税理士は税の専門家であるため、一般の方が作成する申告書より税理士が作成した申告書の方が、税務署からの信用度が高いです。
そのため、顧問税理士を契約し申告書の作成まで依頼することで税務調査が入る可能性が低くなるとも考えられます。
また、仮に税務調査が入ったとしても、税理士は立ち合い可能であることから、税務調査のサポートをしてくれます。
税務調査に慣れていない方が多いと思いますので、顧問税理士を契約しておくことで税務調査が入っても安心して対応してもらうことができます。
開業医の税務調査に強い税理士を選ぶポイント
実務経験・医療知識が豊富か
開業医が税理士を選ぶポイントとしては、医療業界の実務経験や医療知識が豊富かどうかです。
例えば、医業に強い税理士や医業業界向けセミナーに参加している税理士を選ぶと良いでしょう。
医療業界の実務経験が豊富な税理士は、過去の事例をもとに税務調査への対策を日頃からアドバイスしてくれます。
また、調査当日にも円滑なコミュニケーションがとれ、医療特有の論点で交渉をしてくれます。
このような点を踏まえ、開業医は、医療業界の実務経験が豊富な税理士を選ぶと良いでしょう。
経費の範囲を具体的に示してくれるか
経費の取り扱いルールを具体的に示してくれる税理士も選択肢の一つです。
上記にもありますが、開業医は経費が私的流用していると疑われやすいため、何が経費として計上できるのか具体的に税理士からアドバイスを受けて会計処理を行うことをおすすめします。
また、税務調査の対策として日頃からアドバイスをしてくれる税理士もおすすめです。
節税と税務リスクのバランスを考慮しているか
節税すること自体は問題ないですが、節税を追求しすぎて誤った税務処理をしてしまう方も多いです。
誤った処理をして調査で指摘されないように、事前に税務リスクをきちんと説明し、節税と税務リスクのバランスを考慮してくれる税理士を選ぶことがポイントです。
この例として、役員報酬の金額設定や、高額医療機器の減価償却などが挙げられます。これらは調査の論点となりやすく、非常に難しい問題です。
そのため、きちんと理解してアドバイスしてくれる税理士を選ぶことをおすすめします。
開業医の税務調査についてはキークレア税理士法人にご相談ください
本記事でも記載したように開業医は税務調査に入られやすい傾向にあります。
そのためにも、日頃から顧問税理士とコミュニケーションをとり、適正な会計帳簿の作成や税務申告を行っていくことをおすすめします。
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