医師の節税対策として「不動産投資」が最適な理由とは?

代表税理士 三嶋 泰代
監修代表税理士三嶋 泰代

不動産投資をしたら節税になる???そんなバカな!?と思っている方は正しい反応だと思います。
「投資」という言葉の響きがリスクを負う印象と、税金は利益にかかる印象のため、多くの方は「投資をして節税」と聞くと、騙されて資産を減らされるのではないかと不安になるものです。

では、実際のところどうなのか。今回はこの「不動産投資による節税」を簡単にかつ少し掘り下げてご説明します。

結論から言うと、すでに所得の高い方は不動産投資で利益を出しても節税になります
(医師、会社役員、事業主、高所得サラリーマンなど)

※不動産投資は投資である以上、投資した金額を割り込んでしまうリスクがあります。 ※なぜ節税となるのかを解説するため、基本的に不動産投資で利益が出る場合を前提としていきます。

医師の不動産投資での節税は税理士に相談すべきか?

もしあなたが今、節税のための不動産投資を検討していて、まだ税理士に一度も相談したことがないのであれば、購入する前に一度は税理士に相談することをお勧めします。
新規に不動産投資をはじめる場合は各種届出や毎年の確定申告が必要になります。

開業医であればご自身の顧問税理士に相談できると思いますが、勤務医であっても一度は税理士に相談してください。あてがない場合は勤務先の顧問税理士を紹介してもらっても大丈夫でしょう。
特に節税を意識した投資をしたい場合は税の専門家に相談したほうがいいです。

POINT

わたしたちキークレア税理士法人は税の専門家であるだけでなく、関与先様の将来を見据えたサポートを心掛けています。ライフプランニングサポート、相続税対策、事業承継などその他の相談にも積極的に対応いたします

なぜ不動産投資が医師の節税対策になるのか?

まず、個人の給与・事業等の所得は、合算して計算され、合算された所得が高いほど税率も高くなっていきます(総合課税・累進課税制度)。
しかし例外があり、不動産や株式を売却して利益が出た場合には、他の所得と影響させずに一定の税率が課されます(分離課税)

そこで、普段から所得の高い、高い税率の方(医師、会社役員、事業主、高所得サラリーマンなど)はこの一定の税率との差を利用すること(不動産投資)で税金を抑えることができます。

2つの税率の橋渡しをする鍵となるのは「減価償却」です。

減価償却により本業の所得を圧縮できる

個人が不動産を賃貸して家賃収入を生む場合、その成果は、合算する側の所得(総合課税)に含まれます。
本業と合算して計算しますので、仮に家賃収入以上の減価償却を計上できれば、本業の所得と相殺し、合計所得を圧縮することができます。(損益通算) (※家賃収入が大きいことは投資として良いことです。減価償却が家賃収入を上回ることができずに本業の所得と相殺することができなくても、節税効果がないわけではありませんので安心してください)

減価償却とは、不動産(建物)の購入価額を一定の年数をかけて取り崩しながら費用としていくことで、取り崩された建物は時の経過とともに毎年価値(簿価)が下がっていきます。
時の経過とともに価値が下がらない(劣化がない)土地には減価償却といった概念はありませんので、注意して下さい。

POINT

大事なポイントはこの建物の「減価償却」が総合課税側(高い税率)の経費となることです。

不動産投資が節税になる仕組み

具体的な数字を使って見ていきましょう。
主人公は年収1,600万円の勤務医とします。 (※令和3年度税制を基にした概算です。将来の税制については変わる可能性があります。)

不動産投資をしている場合の税額

軽量鉄骨の集合住宅(築15年)を1億円(土地5,000万円、建物5,000万円)で購入(利回り5%)
7年後に8,500万円(土地5,000万円、建物3,500万円)で売却

給与所得 1,600万-195万=1,405万
不動産所得 500万-715万=△215万
課税所得 1,190万‐(170万+48万)=972万
所得税 972万×33%-153.6万=167.1万
復興税 3.5万
住民税 98.2万
税額合計 268.8万円/年

7年後売却に係る税金(分離課税・一定の税率)
長期譲渡所得 3,500万-1円(簿価)の譲渡益に20.315%(復興税・住民税を含む) 711万円

7年間で売却まで合わせた所得税等は合計2,592.6万円となります。

不動産投資をしない場合の税額
給与所得 1,600万-195万=1,405万
課税所得 1,405万‐(170万+48万)=1,187万
所得税 1,187万×33%-153.6万=238.1万
復興税 5万 住民税 119.7万
税額合計 362.8万円/年

7年間で所得税等は合計2,539.6万円となります。

家賃収入を3,500万円(500万円/年・7年間)得つつ、建物を購入時より1,500万円安く売却しています。本業以外で2,000万円のプラスを出しながら、税金は通算して本業のみの場合とほとんど変わっていません

ちなみに、同額程度を給与で増やそうとした場合(300万円/年)では7年間で2,100万円給与が増えても917万円税金も増えます。
(給与1,900万円で所得税337.1万 復興税7万 住民税149.7万の493.8万円/年)

POINT

まとめ
減価償却により総合課税側(高い税率)で費用としつつ、簿価が下がりきった建物を市場価格で売却することで、譲渡益を分離課税側(一定の税率)で実現させる。

不動産投資は経費がかかる(青色申告特別控除はメリットあり)

「不動産投資にかかる費用は経費にできる。」よく耳にしますが、これをメリットのように挙げられると騙されている気になるのはわたしだけでしょうか。
これは裏を返せば、不動産投資では以下のような経費がかかり、実際にお金が出ていきます。

投資である以上、出ていくお金は極力少ない方がいい。だからこそ税金も節税したいはずです。
これらは税務メリットというよりは、投資として表面利回りと実質利回りの差となるものです。

経費としてかかるもの

  • 管理費用(管理委託費・清掃委託費)
  • 募集費用(仲介手数料・広告宣伝費)
  • 水道光熱費(共用部分電気水道代)
  • 通信費(インターネット料金)
  • 修繕費(建物の維持補修費)
  • 保険料(建物に対しての火災保険・地震保険)
  • 租税公課(不動産取得税、固定資産税)
  • 支払報酬(司法書士や税理士などへの報酬)
  • 支払利息(借入返済の利息部分)
  • その他消耗品費 など

ただし、お金が出ていかないで所得から控除できる青色申告特別控除というものもあります。
すでに青色申告を行っている開業医や事業主であれば、新たな不動産投資によるメリットとはなりませんが、勤務医やサラリーマンであれば青色申告をすることで特別控除額が使えるようになります

相続税対策としても有効

不動産投資は相続税対策にも有効です。相続税は亡くなった方の資産を相続税評価という独自の評価方法で評価し、相続税の計算の基礎とします。
預金等で残した場合にはそのままの金額が評価額となりますが、不動産の評価額は一般的に市場価格よりも低く算出されます。

賃貸用不動産であればさらに評価額が低くなりますので、相続税を抑える効果があります。
デメリットとしては、不動産は分割しにくいため相続人同士でトラブルになる可能性や、不動産ばかりあって現預金が少ないと相続人が相続税を納めるときに現預金が足りないといった可能性もあります。

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医師の節税対策として「不動産投資」が最適な理由

特に医師と不動産投資との相性がいい理由は次のようなものになります。

  • 節税による効果が大きい
  • 医師は融資が受けやすい
  • 本業以外の副収入が得られる
  • 多忙な医師でも取り組みやすい

それぞれ詳しく確認していきましょう。

節税による効果が大きい

普段から所得が高い医師は、総合課税・累進課税制度により高い税率がかかります。
不動産投資をすることで「減価償却」を通じて総合課税側(高い税率)で費用としつつ、簿価が下がりきった建物を売却することで、譲渡益を分離課税側(一定の税率)で実現させます。
「減価償却」が2つの税率の橋渡しをしています。これができるのが不動産投資の最大の特徴です。
普段の税率が高い人ほど一定の税率との差が大きく、節税効果も大きくなります

これが冒頭にお伝えした、すでに所得の高い方が不動産投資をすると節税になるという流れです。

さらには相続税対策としても不動産投資は有効で、賃貸用不動産は評価額を低くすることができます。

医師は融資が受けやすい

将来も安定して高い収入が見込めるとして、医師は金融機関からの信用度が高い職業です。 信用が高い方は、銀行から有利な条件(低金利、長期借入)で融資を受けやすいため、不動産投資をはじめるハードルが低くなります

注意していただきたいのは、借入れをして不動産投資をはじめた場合は、はじめやすい分、不動産売却時に借入金も残額完済しないといけないため、税金と合わせると、支出が重なりそんなに手元に残っていないと感じてしまうことです。

減価償却で毎年総合課税側(高い税率)の税金を抑えていた分、分離課税側(一定の税率)で実現させるわけですから、税率が総合課税より低いとはいえ売却年は税金が高くなります。(この税金が高いほど節税できているバロメーターです。)

本業以外の副収入が得られる

不動産所得は、投資として利回り何%などと表現され、不労所得とも言われるように、ご自身の労働力をかけなくても副収入が得られます。 労働集約型と言われる医師に相性がいいポイントです。

ここでも注意していただきたいのは、借入れをして不動産投資をはじめた場合です。毎月定期的に家賃収入が入ってきても、借入金の元金返済があります。借入金は借りた時に収入とならないかわりに返済時も元金部分は費用となりません。返済月額が大きすぎると、お金が残っていないのに所得だけ大きくなる場合があります。

多忙な医師でも取り組みやすい

さきほど労働集約型と言われる医師に相性がいいとお伝えしました。
実際には、募集をかけ、不動産賃貸借契約書を交わし、物件を管理し、家賃を回収し、退去の申し出をうけ、敷金の精算を計算するなど、様々な管理業務があります。入居者の騒音トラブルや違法駐車トラブルなども。

お金はかかりますが、そういった管理は不動産管理会社に委託できますので、任せてしまえば特にオーナーに負担がかかることはありません。
かかる経費は少ないほうが望ましいですが、これらをご自身でやろうとすると時間と手間がかかりますので、特に本業がお忙しい医師はお任せした方がいいでしょう。

医師が節税対策として不動産投資を行う際の注意点

良い面ばかりでなく、注意点もお伝えしてきましたが、さらにいくつかの注意点があります。
まず、投資である以上、リスクを理解しておく必要があります。(空室、災害等による建物滅失、老朽化、さらには売却時の市場相場)

また、高所得者である医師は悪徳な不動産業者に狙われやすいため、信頼できる不動産業者を見極めることが大切になります。そのため、はじめは物件選びや購入に時間と手間がかかってしまいます。
初期費用やランニングコストについても、税金だけでも取得時の不動産取得税や毎年の固定資産税がかかるなど、意識しておかないと急な出費となってしまいます。

POINT

わたしたちキークレア税理士法人は税の専門家であるだけでなく、関与先様の将来を見据えたサポートを心掛けています。数々のご相談による実績とノウハウにより、これらのリスクや注意点をカバーすることができます。
安心してご相談・お問合せください。

医師の節税対策で不明点があれば、専門家である税理士にご相談下さい。

結論、医師が不動産投資をすることは、節税に効果的です。
しかし、節税のためと言っても、不動産投資はリスクを抱えながらも資産を増やすことが目的です。
不動産投資を失敗してしまうと節税どころか単なる損失になるため、注意が必要です。

医療でも、民間療法と医師の診療とを一緒にしてはいけないのと同様で、巷のうわさの節税を鵜呑みにすることはやめましょう。知らない間に節税のつもりが脱税となってもいけません。

今回は細かい部分は飛ばしていますが実際に節税のための不動産投資をするとなると、まだまだ多くの部分で注意が必要となります。また、不動産投資以外にも節税方法はありますので、実際に節税のために何かを始めたい方は、まずは専門家である税理士に相談してください。

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