勤務医が税金で気をつけることとは?おすすめの節税対策8選を解説
目次
勤務医の先生方は一般的に年収が高く、それに比例して税負担も大きくなりがちです。しかし、日々の激務に追われ、確定申告の要否や副業の所得区分、経費の正しい扱い方など、知らなければ損をする税務のポイントを見過ごされているケースも少なくありません。
この記事では、勤務医特有の税金のリスクや注意点、そして手元資金を確実に残すための具体的な節税対策について、分かりやすく解説します。
勤務医が税金で気をつけること
確定申告が必要になるケースがある
通常、勤務医の方は病院での年末調整により税額計算が完結するため、ご自身での確定申告は不要と考えがちです。しかし、確定申告とは1年間の所得と税額を計算し、過不足を精算する重要な手続きです。
以下のケースに該当する場合は、確定申告が必須となります。
- 給与収入が年間2,000万円を超える場合
- 主たる給与以外の所得(原稿料、講演料、不動産所得などの副業所得)が年間20万円を超える場合
- 2か所以上の病院から給与を受けている場合
住民税は前年所得に基づいて課税される
住民税は所得税と異なり、「前年(1月〜12月)」の所得を基に計算され、翌年の6月から課税される仕組みです。
そのため、医局人事による異動や大学院への進学などで収入が大きく下がった年であっても、前年の所得に基づいた高額な住民税の通知が届きます。手取りが減る中で納税負担だけが重くのしかかるため、資金繰りに窮する先生もいらっしゃいます。将来のキャリアプランを見据え、あらかじめ納税資金を確保しておくことが重要です。
勤務医は節税対策が欠かせない
医師は他の職種に比べて高収入である分、税負担の重さを痛感しやすい職業と言えます。
日本の所得税は「超過累進課税制度」を採用しており、課税所得が4,000万円を超えると、住民税と合わせて最大55%もの税率が課されます。つまり、一生懸命働いて収入を上げても、その半分以上が税金として徴収される可能性があるのです。
適切な節税対策を講じることで、合法的に納税額を圧縮し、資産形成のための原資を手元に残すことが可能になります。
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勤務医におすすめの節税対策8選
勤務医の方が取り組める節税対策は限られているように思われがちですが、実は多くの選択肢があります。ここでは、すぐに始められるものから大きな効果が見込めるものまで、代表的な8つの手法を解説します。
所得控除
| 基礎控除・給与所得控除 | 全ての納税者に適用される基礎控除と、給与収入に応じて適用される控除です。 |
|---|---|
| 扶養控除 | 扶養控除とは、子どもや親などの親族を養っている場合に受けられる所得控除です 。控除額は扶養する親族の年齢や同居の有無によって決まり、16歳以上の子や70歳以上の親がいる場合に適用されます 。 |
| 社会保険料控除 | ご自身や家族の社会保険料を支払った場合、その全額が控除されます。 |
| 生命保険料控除 | 民間の生命保険や介護医療保険、個人年金保険の掛金の一部が控除されます。 |
| 地震保険料控除 | 自宅や家財に対する地震保険料の一部が控除対象となります。 |
| 医療費控除 | 納税者本人や家族のために支払った医療費が、年間10万円(または総所得金額等の5%)を超えた場合に受けられる控除です。治療費や薬代のほか、通院交通費も対象になります。この控除は年末調整では適用されないため、確定申告が必須です。生計を一緒にする家族分を合算して申告することが可能です。 |
| 寄附金控除 | 寄附金控除は、国や地方公共団体、特定の公益法人などへ寄附をした際に所得から一定額を差し引ける制度です 。控除上限額は、その年の特定寄附金の合計額か、総所得金額等の40%相当額のいずれか低い方となります 。 |
| 住宅ローン控除 | 住宅ローンを利用してマイホームを取得された場合、年末時点の住宅ローン残高に応じて、所得税の税額控除を受けることができます。 なお、住宅ローン控除の適用を受ける初年度については、確定申告が必要となりますのでご注意ください。 ただし、合計所得金額が2,000万円を超える方につきましては、住宅ローン控除の適用対象外となります。 |
特定支出控除
勤務医の先生方にも活用可能な制度として「特定支出控除」があります。
これは、業務遂行に直接必要な費用を会社(病院)が証明した場合に限り、経費として控除できる制度です。
特定支出に該当するもの
- 通勤費(通勤手当を除く部分)
- 職務上の旅費(学会参加の交通費等)
- 転居費(転勤に伴う引っ越し費用)
- 研修費(技術習得のための研修費用)
- 資格取得費(専門医資格の取得費用等)
- 帰宅旅費(単身赴任者の帰宅費用)
- 勤務必要経費(図書費、衣服費、交際費等で職務に必要なもの)
確定申告書に給与支払者の証明書を添付し、その年の特定支出額の合計が「給与所得控除額の2分の1」を超える場合、その超過分が控除されます。だし、プライベートで使用するスーツ代や、単なる自己啓発の本代などは認められません。ハードルは高いですが、高額な研修費などが重なる年は検討の余地があります。
ふるさと納税
ふるさと納税は、応援したい自治体に寄附を行うことで、特産品などの返礼品を受け取れる制度です。
最大のメリットは、寄附金額から自己負担額2,000円を除いた全額が、所得税および住民税から控除される点です。実質2,000円の負担で地域の特産品を楽しめるため、節税というよりは「税金の使い道を選べるお得な制度」と言えます。
ただし、控除される上限額(限度額)は年収や家族構成によって異なります。高所得な医師ほど上限額が高くなるため、メリットを最大限に活かすことができます。
iDeCo・NISA
国の税制優遇制度を活用した資産形成は、将来への備えと税負担軽減の両立が可能です。代表的なものにiDeCo(個人型確定拠出年金)とNISAがあります。
iDeCoは掛金が「全額所得控除」となるため、所得税・住民税の節税効果が非常に高いのが特徴です。運用益も非課税となり、受取時にも控除が適用されます。
一方、NISAは投資による運用益が「無期限で非課税」になる制度です。直接的な所得控除はありませんが、資産を増やす過程で税金が引かれないため、効率的な資産形成が可能です。
不動産投資
医師の節税対策として王道とも言えるのが不動産投資です。
マンションやアパート経営では、建物の減価償却費やローン金利などの経費を計上できます。これにより不動産所得が会計上の赤字となれば、給与所得と「損益通算」して総所得金額を圧縮し、所得税・住民税を還付・減額させることが可能です。
医師は社会的信用が高く、好条件での融資を受けやすいため、レバレッジを効かせた投資がしやすいというメリットもあります。
医師の節税対策として「不動産投資」が最適な理由とは?太陽光発電投資
太陽光発電投資は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)を利用し、電力会社へ電気を売ることで収益を得る事業です。
FITにより最長20年間、一定価格での売電収入が保証されているため、比較的リスクが低い投資とされています。
税務面では、太陽光発電設備の減価償却費を経費計上することで、不動産投資と同様に給与所得との損益通算が可能です。特に「特別償却」などの税制優遇が適用できる場合、初年度に大きな経費を作ることができ、高い節税効果が期待できます。
プライベートカンパニー設立
プライベートカンパニーとは、自身の資産管理や副業を行うために設立する法人のことです。
法人化することで、個人の給与所得とは別に、法人の経費として認められる範囲が広がります。例えば、社用車の購入費や社宅の家賃、業務に関連する旅費などを法人の経費にできます。
また、家族を法人の役員や従業員にし、適正な給与を支払うことで所得分散効果が生まれ、世帯全体での税率を下げることが可能になります。
医師(勤務医)の会社設立(プライベートカンパニー)による節税対策ブログ開設
医療知識や経験を活かしたブログ運営も、副業としての収入源になるだけでなく、節税につながる場合があります。
ブログ運営で得た収入は事業所得または雑所得となりますが、これに関連する経費(サーバー代、ドメイン代、執筆のための書籍代、取材費など)を計上できます。広告収入(アフィリエイト等)が得られれば増収になりますし、事業として認められれば、赤字が出た際に給与所得との損益通算ができる可能性もあります(ただし、事業的規模と認められる必要があります)。
勤務医が税金対策を進める上でのポイント
やみくもに節税を行うのではなく、戦略的に進めることが大切です。以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
節税の目的を明確にする
「とにかく税金を減らしたい」という思いだけで節税商品に手を出してはいけません。節税はあくまで手段であり、目的は「手元資金の最大化」や「将来の資産形成」にあるはずです。
無理な節税でキャッシュフローが悪化しては本末転倒です。老後資金のためなのか、教育費のためなのか、目的を明確にすることで、ご自身のライフプランに合った最適な手段を選択できます。
税制の最新情報をこまめに確認する
税制は毎年改正されており、以前は有効だった節税スキームが使えなくなることも珍しくありません。
例えば、海外不動産の減価償却を用いた節税や、足場レンタルへの投資などは、税制改正により規制が強化されました。 常に最新の情報をキャッチアップし、新しい控除制度や特例措置を見逃さないよう、国税庁のサイトや専門家の発信をチェックする習慣をつけることが大切です。
税理士に相談する
勤務医の先生方は日常業務が極めて多忙であり、複雑な税制を独学で理解し、最適な対策を実行するのは困難です。税理士に相談することで、以下のようなメリットが得られます。
- 専門的な知見により、控除の活用漏れを防げる。
- 煩雑な確定申告の手続きを任せられ、本業に集中できる。
- 一過性の節税ではなく、将来を見据えたトータルな資産形成の提案が受けられる。
- 最新の税制改正に対応した、リスクの少ない適正なアドバイスが得られる。
勤務医が税金で気をつけるべきことについて、キークレア税理士法人がアドバイスいたします
勤務医の先生方は高収入である反面、税負担も重く、適切な対策を行わなければ資産を効率的に増やすことが難しいのが現状です。しかし、個々の状況に合わせた節税対策を講じることで、確実にお金を手元に残すことができます。
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