【個人事業主向け】社会保険料控除の対象となる保険料などについて
目次
個人事業主は、毎年3月15日までに確定申告を行う必要があります。確定申告をする際、所得から控除できるものの1つに社会保険料控除があります。
これから社会保険料控除の控除対象となる保険料について解説します。
個人事業主の社会保険料控除とは?
社会保険料控除は、その年中に支払った社会保険料を所得から差し引くことができます。誰でも利用できる非常に大切な制度です。
控除された分だけ課税の対象となる所得が少なくなるため、所得税・住民税の負担が軽減され、節税効果があります。
個人事業主の社会保険料はいくら控除できる?
1年間に支払った社会保険料の全額を所得金額から差し引いた金額が控除できます。また、過去分や前納分を年内に支払っていた場合、合算して控除が可能です。
社会保険料控除は、他の控除とは違い、上限がないので、支払った分が控除対象になる大きな特徴があります。
個人事業主の控除対象となる社会保険料
控除対象となる保険料は以下となります。
- 国民年金保険料
- 国民健康保険料、介護保険料
- 労働保険料
- 国民年金基金の掛金
個人事業主がうけられる社会保険料は、国民年金保険料、国民健康保険料・介護保険料、労働保険料、国民年金基金の4つです。これから控除対象となる、それぞれの保険料について解説していきます。
国民年金保険料
国民年金保険料とは、20歳~60歳のすべての人が加入する公的年金のことです。
保険料の金額は、年によって変動します。国民年金保険料は、全額が社会保険料控除の対象になります。確定申告の社会保険料控除をうけるには、控除証明書の準備が必要となります。
会社員が退職し個人事業主になった場合、厚生年金は退職日までで、退職後は「国民年金」になります。加入切り替えは、14日以内に住所地の市区町村での手続きが必要となります。確定申告の際は、この厚生年金と国民年金の両方が控除対象となります。
国民健康保険料・介護保険料
国民健康保険料とは、公的医療保険のことです。40歳以上64歳以下の方は介護保険料も支払うことになります。
国民健康保険料も介護保険料も、確定申告の際には支払額が、社会保険料控除の対象になります。年間の支払い金額を集計して記載すればよいため、納付証明書や領収書の添付は不要です。
しかし、書類として5年間は保存をしておきましょう。控除漏れを防ぐために、1年間支払った保険料は自分で記録・集計してしっかり管理することが大切です。
労働保険料
労働保険には、怪我や病期に備える労災保険と失業等に備える雇用保険の2つがあります。
本来、個人事業主はこれらに加入できませんが、労災保険に限り特別加入という制度を利用して加入できる場合があります。この特別加入して支払う労災保険は、確定申告で全額が「社会保険料控除」の対象となります。
なお、保険料の金額は、加入時にご自身で設定した「給付基礎日額」によって異なります。
国民年金基金の掛金
国民年金基金とは、自営業者やフリーランスが老後の年金を上乗せできる公的年金制度のことです。
厚生年金のない個人事業主の方に向けた、確定した給付額を生涯受け取れる確定給付型の年金として設計されています。掛金を支払うことで、老齢基礎年金に上乗せして受け取れるため、安定した老後資金づくりに適しています。
掛金は加入プランによって異なりますが、iDeCo等の掛金と合わせて月額68,000円(年間816,000円)まで拠出可能です。これらは全額が、社会保険料控除の対象になります。将来への貯蓄をしながら、その年の税金を大きく減らすことができるため、老後の安心と現在の節税ができることが大きな特徴です。
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個人事業主が社会保険料控除を行う際のポイント・注意点
個人事業主の方が、社会保険料控除を適用する際のポイントは以下の通りです。
- 配偶者や子供など家族の社会保険料も控除の対象になる。
- 青色事業専従者として働く家族の社会保険料も控除の対象になる。
- 過去分や前納分であっても、支払った年に応じて社会保険料控除の対象になる。
- 従業員の社会保険料は控除の対象にならない。
これらについて下記で詳しく解説していきます。
①配偶者や子供など家族の社会保険料も申告できる
社会保険料控除の基本は、「支払った人が控除を受けることができる」です。そのため、個人事業主が自身の配偶者や子供の保険料を支払っていれば、全額社会保険料控除として申告することができます。
その場合に注意するべきなのは、同じ保険料を複数人(例えば、個人事業主と妻の2人とも)で二重に控除することはできないため、誰が支払ったのか把握しておくことが大切です。
また他にも、高齢のご両親との同居や仕送りをしている方の後期高齢者医療保険料を支払った場合も控除の対象になります。
②家族が青色事業専従者の場合でも申告できる
青色事業専従者とは、青色申告をしている個人事業主が、配偶者や子供などの家族に給与を支払っていることをいいます。
もし、その青色事業専従者の社会保険料を個人事業主の方が支払っていれば、社会保険料控除の対象になります。控除を受ける場合は、誰がいくら支払ったのかを証明できる資料を整えておくことが重要です。
③過去分や前納分や前納分も社会保険料控除の対象
過去の社会保険料や今後の社会保険料をまとめて支払った場合は、その支払った年の社会保険料控除の対象となります。過去といってもどこまでの過去分が対象になるのか疑問に思いますよね。社会保険料の内、国民年金保険料を除き、時効による納付制限がないため、過去の未納分もまとめて支払えば、その年に社会保険料控除の対象となります。
一方で、国民年金保険料が原則として過去2年以内の未納分しか追納できず、それ以前の分は支払うことも控除することもできません。
なお、年金を上乗せできる国民年金基金の掛金も、その年に支払った全額が社会保険料控除の対象となります。
④従業員の社会保険料は控除の対象外
従業員の社会保険料は、控除の対象にはなりません。
控除対象になるのは、事業主本人または生計を一にする家族の保険料のみです。もし、従業員が負担すべき社会保険料を事業主が負担した場合、その分は、福利厚生費として計上することになります。この分は、事業上の費用として扱われるため、社会保険料控除には含めることができません。
個人事業主が社会保険料控除を受ける方法
個人事業主が控除を受けるためには、確定申告書で控除を申請する必要があります。
支払った社会保険料の額の確認、控除証明書の保管が必要です。家族分の社会保険料や前納分や追納分も対象になるので忘れることがないようにしておくことが重要です。
確定申告での社会保険料控除の書き方


» 国税庁「確定申告書等の様式・手引き等」申告書第一表・第二表(令和4年分以降用・PDF)
確定申告書で社会保険料控除を受ける際の書き方を説明します。
まず、第二表の「社会保険料控除」欄に、保険料の種類と支払った金額を記入します。
ここで、年度の途中で退職された方は注意が必要です。退職後に自分で納付した分だけでなく、在籍中の給与から天引きされた保険料(源泉徴収票の社会保険料等の金額)も忘れずに記載してください。ここが漏れると、税金が高くなってしまいます。
次に、第一表の「社会保険料控除」の欄に、支払った社会保険料の合計金額を記入します。その時に、一表と二表の金額に相違がないか確認しましょう。 上記の図が実際の確定申告書の記入欄になります。
控除証明書の添付方法
控除証明書は登録されている住所に郵送されてきます。
確定申告の際に控除証明書の添付は不要です。ただし、提出は不要ですが、税務署からの問い合わせや調査が入ったときに提示できるように、5年間は保管しておく必要があります。電子交付された際も同様に、添付は不要ですが保管しておく必要があります。
個人事業主は年末調整で控除申請できない?
個人事業主は年末調整をすることはなく、確定申告のみになります。
ただし、年末調整が必要になるケースもあります。
自身
他社から給与を受け取っている場合、その勤務先で年末調整が必要となります。
事業主として
従業員や青色事業専従者を一人でも雇っている場合、年末調整を行う義務が生じます。
個人事業主の確定申告を税理士に任せるメリット
確定申告には会計の知識、税務の知識が必要となり、自分でやるとなると手間や時間が大幅にかかってしまいます。確定申告を税理士に依頼すると以下のようなメリットがあります。
- 節税のアドバイスを受けられる
- 正確な確定申告ができる
- 手間と時間の大幅な削減で本業に専念できる
- 確定申告書の提出を期限内で済ませられる
- 長期的な経営のアドバイスが得られる
下記のコラムではよりそのメリットについて書かれているので、ぜひご参考にされて下さい。
個人事業主の確定申告は税理士に丸投げ!メリットや費用は?正しく社会保険料控除を申告して節税するためにもキークレアにご相談ください
今回は「個人事業主の社会保険料控除」について説明させていただきました。
個人事業主は、自分で保険料を納付する責任があるため、納付期限を守って忘れずに支払うことが非常に重要です。そして支払った保険料を控除申告することも非常に重要です。そのため、確定申告を税理士に依頼することを検討されてはいかがでしょうか。
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