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遺言書に納得いかない時はどうすればいい?3つの対処法と注意点

代表税理士 三嶋 泰代
監修代表税理士三嶋 泰代

遺言書を見たときに、「思っていたよりも自分の相続分が少なかった」「不動産だけを相続することになり、相続税の支払いが難しい」「相続人ではない第三者にすべてを譲ると記されていた」など、その内容に納得がいかないケースも考えられます。

本コラムでは、そのように遺言書の内容に不服がある場合に取り得る3つの対応策についてご紹介し、それぞれの対処法における注意点についても詳しく解説いたします。

遺言書に納得いかない場合の3つの対処法

納得のいかない遺言書がある場合、以下3つの対処法が考えられます。

  1. 遺言書の無効を主張する
  2. 分割協議を行う
  3. 遺留分侵害額請求を行う

これらについて、以下で詳しくご説明いたします。

①遺言書の無効を主張する

遺言書の形式には、「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」「公正証書遺言」の3つがあります。それぞれの遺言書には法律で定められた作成方法があり、そのルールに従っていない場合には無効と判断されることがあります

さらに、遺言の内容が本人の意思によるものではなく、無理やり書かされたようなケースでも、遺言の効力が認められない可能性があります。
もし遺言書の正当性に疑問がある場合には、その無効を主張することが可能です。

遺言書が無効になるケース

遺言書が無効と判断される代表的なケースは、次のとおりです。

法的な要件に沿っていない場合

例えば、作成日が記されていない、署名や押印がない、複数人で共同作成されている、訂正方法が民法の定めに従っていないといったケースでは、形式不備により無効とされる可能性があります。

遺言書の内容があいまいである場合

「どの財産を誰に渡すのか」といった内容が不明瞭な場合、意思の特定が困難なため無効とみなされることがあります。

遺言能力を欠いた状態で作成された場合

認知症などにより判断能力が不十分な状態で、医師の立ち会いもなく作成された遺言書や、15歳未満の者が作成したものは、法的に有効とは認められません。

錯誤・詐欺・脅迫による遺言書の場合

事実を誤認した状態で書いたもの、他人にだまされて書かされたもの、脅されて作成したものなど、本人の自由意思によらない遺言書は無効とされます。

公序良俗に反する内容が含まれている場合

例えば、不倫相手に財産を譲るといった内容が含まれている場合、公序良俗に反するものとして無効となる可能性があります。

遺言書の無効を主張する方法

遺言書の無効を主張するには、「遺言無効確認調停」または「遺言無効確認訴訟」という方法があります。
まず、遺言無効確認調停は家庭裁判所へ申し立てる手続きで、民間から選ばれた調停委員が、当事者双方の主張をそれぞれ聞き取りながら、話し合いによる解決を目指します。
この調停で、遺言書が無効であることが確認され、合意に至れば「調停調書」が作成されます。

ただし、遺言書の有効性をめぐる争いは、たとえば被相続人に遺言能力があったかどうか、遺言書が偽造されたものでないかといった、専門的な証拠を要する論点が多く、調停では解決が難しいケースが少なくありません。
そのため、遺言無効確認訴訟に進むことが多いのが実情です。

遺言無効確認訴訟とは、裁判所に対して「この遺言書は無効である」と法的に認めてもらうための手続きです
裁判で無効と認められるためには、客観的かつ具体的な証拠をもって、裁判官を納得させる必要があります。

遺言無効確認訴訟とは?

②遺産分割協議を行う

遺産分割協議とは、相続人全員が集まり、遺産の分け方について話し合い、最終的に「遺産分割協議書」を作成する手続きです
通常、遺言書の内容に従って遺産を分けるのが原則ですが、次の条件をすべて満たす場合には、遺言書の内容とは異なる方法で遺産分割を行うことも可能です。

  1. 相続人および受遺者全員が、その内容に同意していること
  2. 遺言書の中で、遺産分割協議を禁止する旨が明記されていないこと
  3. 遺言執行者が指定されている場合は、その同意が得られていること

これらの条件が整い、協議が成立した場合には、遺産分割協議書を作成します。この書類は、不動産の名義変更や相続税の申告といった相続手続きの際に必要な書類です
遺産分割協議書には、相続人全員の署名と実印での押印が必要です。

遺産分割協議とは?進め方や注意点について

受遺者がいる場合

遺言によって相続人以外の人物が財産を受け取る「受遺者」とされている場合には、遺産の分け方を変更する際にその受遺者の同意も必要です。
相続人だけの判断で、受遺者の権利を一方的に取り消すことは認められていません。
なお、「受遺者」とは、法定相続人ではないものの、遺言によって遺産の一部または全部を譲り受ける人のことを指します
遺贈の方法には2種類あります。

  • 特定遺贈:財産の種類や内容を具体的に指定して遺贈するもの
    (例:「A土地を○○に渡す」)
  • 包括遺贈:財産の何割といった形で包括的に遺贈するもの
    (例:「全財産の3分の1を○○に渡す」)

遺贈を放棄する場合は、どちらの方式で遺贈されたかによって手続きが異なります。
特定遺贈であれば、受遺者が放棄する意思を示すだけで足り、期限の制限もありません
一方で、包括遺贈の場合には、相続放棄と同様の手続きが必要となり、遺贈があったことを知った日から3か月以内に、遺言者の最終住所地を管轄する家庭裁判所へ「放棄の申述」を行わなければなりません

遺産分割協議が禁止されている場合

遺言による遺産分割の禁止とは、遺言によって最長5年の範囲内で遺産を分割せずに現状のまま維持するよう定めることをいいます。
このような遺産分割の禁止が定められるのは、たとえば次のようなケースです。

  • 相続人の中に未成年者が含まれており、成長して自分の意思で遺産分割に加わってほしいと遺言者が考えている場合
  • 遺産分割を急ぐことで、相続人同士の争いが生じる可能性があると見込まれる場合

このような遺言がある場合には、たとえ相続人全員が遺産分割に合意していても、その期間中は分割することが認められません。

遺言執行者がいる場合

遺言執行者とは、遺言書に記された内容を実際に実現するための権限と責任を持つ人物を指します。
遺言執行者には、相続財産の管理や相続人の調査、財産目録の作成、そして遺産の分配といった業務が求められます。
なお、相続人が遺言の執行を妨げるような行為をすることは禁止されています。
そのため、遺言書に書かれた内容とは異なる遺産分割を行おうとする場合には、遺言執行者の同意を得ることが必要です。

③遺留分侵害額請求を行う

遺言の内容が一部の相続人にとって著しく不公平である場合には、「遺留分」が侵害されている可能性があります。
遺留分とは、特定の相続人に対して法律上保障されている最低限の取り分のことで、遺言によっても奪うことができない相続財産の留保分です

遺留分が侵害されたときには、対象となる相続人は「遺留分侵害額請求」という形で、他の相続人や受遺者に対して金銭による補償を求めることが可能です。
ただし、この請求は誰でもできるわけではなく、法律で認められた一定の範囲の相続人のみが対象となります。請求できる人は以下の通りです。

  • 配偶者
  • 子(代襲相続人を含む)
  • 直系尊属(子や子の代襲相続人がいない場合に限る)

遺留分侵害額請求を行う方法

遺留分侵害額請求を行う流れは以下の通りです。

  1. 遺留分侵害額を特定するための財産調査を行う
  2. 相続人間で話し合う
  3. 相続開始から1年以内に配達証明付き内容証明を送る
  4. 決着しなければ遺留分侵害額請求調停を申し立てる
  5. それでも決着しない場合は遺留分侵害額請求訴訟を起こす
遺留分侵害額請求とは?手続きの流れや時効などわかりやすく解説

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納得できない遺言書があった場合の注意点

納得できない遺言書だった場合、以下のことに注意する必要があります。

  1. 偽造や破棄をすると相続権を失う
  2. 既に払い戻した預貯金は取り消せない
  3. 相続登記をやり直すこともある
  4. 相続税の修正申告が必要になることがある

偽造や破棄をすると相続権を失う

遺言書の内容に納得がいかなくても、遺言書を偽造したり破棄したりする行為は絶対にしてはいけません。
民法では、遺言書の偽造や破棄を行った場合、その人は相続権を失うと定められています。
さらに刑法では、遺言書を偽造したり、偽造した遺言書を相続の手続きに使った場合、3か月以上5年以下の拘禁刑が科される可能性があります。

既に払い戻した預貯金は取り消せない

例えば、公正証書遺言に「○○銀行△△支店の口座番号×××××にある預金はすべて相続人□□□□に相続させる」と記載されている場合、その相続人は、たとえその預金の額が他の相続人の遺留分を侵害していても、単独で口座の解約や払い戻しを受けることができます。
このとき、他の相続人は遺留分が侵害されたとしても、金融機関に対して払い戻しの取り消しを求めることはできません。

遺留分の侵害を受けた相続人は、侵害した相続人に対して「遺留分侵害額請求」を行い、侵害された遺留分の回復を求めることになります。

相続登記をやり直すこともある

無効な遺言書に基づいて相続登記をしてしまった場合は、新たに遺産分割協議をやり直し、それに基づいて再度相続登記を行う必要があります。
この再登記の際は、まず誤った相続登記を抹消し、登記の状態を相続登記前の状態に戻してから、新たな相続登記を行います。
抹消登記と再登記の手続きには、登録免許税や司法書士への手数料が発生します。

手間を省くために抹消登記を省略し、1度の手続きで新たな所有者に登記を移すと、その取得は相続ではなく贈与や売買とみなされます。そうなると、登録免許税に加えて贈与税や譲渡所得税、不動産取得税などの税金がかかる可能性があるため注意が必要です。

相続税の修正申告が必要になることがある

遺言書に従って遺産分割と相続税の申告を行った後で、遺言書とは異なる内容の遺産分割協議をして財産の分け方が変わった場合、相続税について修正申告や更正の請求が必要になることがあります。

例えば、遺産分割協議で取得する財産が増えた結果、相続税額も増えた場合は、修正申告を行い、不足している相続税を納めなければなりません。
逆に、取得財産が減って相続税額が少なくなった場合は、更正の請求をして、過払い分の還付を受けることができます。
これらの手続きは判断が難しく専門知識も必要になるため、相続税の専門家である税理士に相談することをおすすめします。

遺言書など相続に関するお悩みはキークレア税理士法人にご相談ください

「相続する財産が予想よりも少なかった」「換金が難しい資産ばかり相続してしまい相続税を支払えない」など、遺言書の内容に納得できないケースでは、経済的な負担だけでなく、相続人間のトラブルによって精神的なストレスを抱えることも少なくありません。
こうした問題を避けるためには、遺言書は公平性を保ちながら、納税資金の準備も踏まえて作成することが非常に大切です。

キークレア税理士法人には相続税申告の専門チームがおり、豊富な経験を活かして、相続人同士の不満が生じにくい遺言書の作成をサポートしています。
もし、遺言書の内容に納得できない場合でも、あきらめずにぜひキークレア税理士法人へご相談ください。
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