財務諸表と決算書の違いとは?財務三表や分析方法などを解説

代表税理士 三嶋 泰代
監修代表税理士三嶋 泰代

財務諸表と決算書の違いってなんだろう?その疑問にお答えしましょう。
財務諸表と決算書は同じことなんです。えっ!同じなの!と思いましたよね。そうなんです。
決算書とは通称であり、財務諸表は金融商品取引法の法律の下で呼ばれる正式名称なのです。

「財務諸表」と「決算書」の違いとは?

財務諸表と決算書の違い

決算書とは通称であり、決算報告書とも呼ばれています。
決算書の正式名称には、「財務諸表」「計算書類」があり、2つの違いは法律によるものです。

財務諸表とは、金融商品取引法の対象になる企業の決算書を指します。
計算書類とは、会社法の対象になる企業の決算書を指します。

財務諸表と計算書類の違い

名称 財務諸表 計算書類
法律 金融商品取引法 会社法
作成対象 上場企業 上場・非上場問わない
提出先 内閣総理大臣 株主総会等
書類
  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • キャッシュフロー計算書
  • 株主資本等変動計算書
  • 附属明細表
  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • 株主資本等変動計算書
  • 個別注記表
名称 財務諸表
法律 金融商品取引法
作成対象 上場企業
提出先 内閣総理大臣
書類
  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • キャッシュフロー計算書
  • 株主資本等変動計算書
  • 附属明細表
名称 計算書類
法律 会社法
作成対象 上場・非上場問わない
提出先 株主総会等
書類
  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • 株主資本等変動計算書
  • 個別注記表

財務諸表と計算書類は、法律や提出先などが異なります。

財務諸表は有価証券報告書を提出する義務のある、上場企業のみが作成する書類であり、その種類には貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、株主資本等変動計算書、附属明細書があります。また、財務諸表は有価証券報告書の一部に組み込まれています。

計算書類は会社法に基づき、全ての会社が作成する書類であり、その種類には貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表があります。

財務諸表を作成する目的

財務諸表を作成する目的は、企業の財政状況や経営成績を広く公開することにあります。
財務諸表の作成や公開の必要性、基本的な役割について、以下に説明していきます。

  • 株主・投資家・債権者などの利害関係者が経営状態を知るため
  • 従業員や取引先が会社の安全性や収益性を知るため
  • 税務当局が法人税等の申告・納付額に誤りがないかを確認するため
  • 経営陣が経営戦略を立てるため

財務諸表で特に重要な「財務三表」

財務諸表には、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、株主資本等変動計算書、附属明細書のようにいくつか種類があり、その中でも貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書は特に重要で「財務三表」と呼ばれています。

貸借対照表

貸借対照表とは、会社の財政状態を表している書類です。
企業の保有資産と負債、純資産が表形式で示されています。

すべての企業が作成する書類であり、会社の持っているお金やモノの他、どのくらい借金があるかなどが分かります。

それでは、もっと詳しく見てみましょう。

損益計算書

損益計算書とは、会社が儲かっているかが分かる書類です。
収益、費用、利益の3つの要素が記載されています。

すべての企業が作成する書類であり、会社が儲かっているか、損しているかが分かります。

それでは、もっと詳しく見てみましょう。

キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書とは、お金の流れが分かる書類です。
下のとおり、3つの区分で表します。

上場企業のみが作成する書類であり、会社にどのようにお金が入ってきて、何にお金を使っているのかが分かります。

それでは、もっと詳しく見てみましょう。

営業活動によるキャッシュフロー 本業の営業活動による現金の出入りを表す
投資活動によるキャッシュフロー 設備投資や有価証券への投資の状況を表す
財務活動によるキャッシュフロー 銀行からの融資や社債などの動きを表す

財務諸表から何がわかるのか?5つの分析方法

財務諸表の数値を使うことで、以下の5つの分析を行うことができます。
これらを分析することで何が分かるのでしょうか。

  1. 収益性分析:稼ぐ力はあるか
    営業利益などの経営成績と自己資本などを活用して分析
  2. 生産性分析:生産性は高いか
    従業員数など主に貸借対照表を活用して分析
  3. 安全性分析:倒産リスクはないか
    主に貸借対照表を活用して分析
  4. 成長性分析:企業は成長しているか
    売上や経常利益など、主に損益計算書を活用して分析
  5. 効率性分析:資本を効率良く回転できているか
    売上高や期首期末平均売上債権などを活用して分析

財務諸表の監査について

財務諸表監査とは、財務諸表に対して行う会計監査のことです。

上場企業は、監査人から監査を受けることが義務付けられています。
公認会計士や監査法人が行い、監査人が財務諸表に対して信頼性を付与するために実施されます。

監査基準では、「財務諸表の監査の目的は、経営者の作成した財務諸表が、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、企業の財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況を全ての重要な点において適正に表示しているかどうかについて、監査人が自ら入手した監査証拠に基づいて判断した結果を意見として表明することにある。」(監査基準 第一 監査の目的)としています。

財務諸表の作成を税理士に依頼するメリット

財務諸表の作成は、専門家である税理士に任せましょう。
専門家である税理士に任せることで、スピーディーかつ正確な決算書を作成できます。
また、税理士の署名をすることで決算書の信頼性が高まります。

さらに顧問契約することで以下のメリットもあるんです。

  • 経営に関する相談ができる
  • 効果的な節税対策を提案してもらえる
  • 融資や税務調査対策もアドバイスしてもらえる

ほら、メリットだらけでしょう。

税理士と顧問契約するメリットは?|依頼できる業務などを解説

決算書の作成・税務申告はキークレア税理士法人にお任せください。

財務諸表の種類や見方については、正しく理解しておく必要があります。
決算書の作成や税務申告には専門知識が必要であり、煩雑で手間もかかります。

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お客様のビジョン達成のために、グループ一丸となり全力で支援してまいります。 お客様のビジョン達成のために、グループ一丸となり全力で支援してまいります。

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