融資のリスケとは?メリット・デメリットや注意点を分かりやすく解説
目次
コロナ禍や景気変動により経営不振に陥り、資金繰りが悪化することは珍しくありません。
融資の返済が困難になった際に検討すべき手段が「リスケ(リスケジュール)」です。リスケは資金繰りを改善する大きなメリットがある一方、デメリットも存在します。
本記事では、融資のリスケとは何か、メリット・デメリットから手続きの流れ、注意点まで、専門家の視点から分かりやすく解説します。
融資のリスケ(リスケジュール)とは?
融資のリスケ(リスケジュール)とは、金融機関との合意のもと、借入金の返済条件を見直す手続きです。資金繰りが悪化し、融資返済が経営を圧迫している場合、リスケによって返済負担を一時的に軽減し、経営の立て直しを図ります。
具体的な方法には、
- 一定期間、返済額を減額する
- 一定期間、元金返済を据え置き利息のみ支払う
- 返済期間を延長して月々の返済額を減らす
などがあり、手元資金を確保して事業再建に集中する時間を作ることが可能になります。
リスケはどのくらい行われている?
リスケは特別なことではなく、多くの企業が活用しています。金融庁のデータによると、令和5年3月末時点の中小企業向け貸付条件の変更等の実行率は96.4%と非常に高い水準です。
これは、かつてあった「中小企業金融円滑化法」の趣旨が現在も金融機関の対応に根付いているためです。
金融機関にとっても、企業が倒産して債権が回収不能になるより、返済条件を緩和してでも経営を再建してもらう方が望ましいという事が分かります。
リスケを検討すべきタイミングとは?
リスケは、手元資金が尽きる前に検討を始めることが重要です。資金繰りの悪化が予測された段階で、早めに専門家や金融機関に相談しましょう。
- 急激に業績が悪化している
- 赤字が慢性化し、資金繰りが厳しい
- 数ヶ月後に資金ショートが予測される
- 他の金融機関から追加融資を断られた
これらの状況は、返済計画の見直しを検討すべきサインです。
融資のリスケをするメリット
資金繰りを改善できる
リスケの最大のメリットは、資金繰りが大幅に改善される点です。毎月の返済額が減ることで手元資金に余裕が生まれ、仕入や給与の支払いに充当する事ができます。
資金繰りのプレッシャーから解放され、経営の立て直しに集中できる時間は、新規融資にも匹敵する効果があり、経営全体を見直す貴重なきっかけにもなるでしょう。
一般的なリスケのパターン
| 実施期間 | 半年~1年間程度 ※一定期間で更新・見直し |
|---|---|
| 元金 | 返済なし(利息のみ)、または数万円程度まで減額 |
| 利息 | 減額はされず、そのまま支払いを継続 |
| 期限終了後 | 経営改善の進捗に応じて、リスケの継続や条件変更を協議 |
リスケ中は法的措置をとられない
金融機関に無断で返済を延滞すれば、督促の末、預金差押えや担保不動産の競売といった法的措置に至る可能性があります。
しかし、事前に金融機関と合意の上でリスケを行えば、こうした法的措置は取られません。
金融機関と協力して経営再建を目指すという前提に立つため、倒産のリスクを回避し、事業の立て直しに専念できるのです。
融資のリスケをするデメリット
新規の融資を受けづらくなる
リスケの最大のデメリットは、期間中および終了後しばらくは新規融資が極めて困難になる点です。リスケを行うと金融機関内の企業格付けが下がり、「返済懸念先」と見なされるためです。
保証協会付融資でリスケした場合、その情報は他の金融機関にも共有されるため、他行からの借入も難しくなります。リスケ期間中は新たな借入ができない前提で、手元資金だけで事業を運営しなくてはなりません。
そのため、リスケを申し込む前にある程度の運転資金を確保しておくことが非常に重要です。
返済期間が長くなる
リスケは借金が免除されるわけではなく、返済の先延ばしです。元金の返済ペースが落ちるため、完済までの期間は当然長くなります。
また、リスケ期間中も利息は発生し続けるため、最終的に支払う利息の総額は増えてしまいます。長期的に見れば返済負担が増加し、将来の経営に影響を与える可能性があることも理解しておく必要があります。
期間内に経営を改善させなければならない
リスケが認められる期間は、一般的に半年から1年です。この限られた期間内に経営を立て直し、元の返済条件に戻さなければなりません。
期間の延長も可能ですが、経営改善計画の進捗が思わしくなければ認められないケースも多く、ハードルは決して低くありません。リスケはあくまで一時しのぎであり、その間に抜本的な改善が必須です。
融資のリスケを申し込む際の流れ
融資のリスケは、一般的に以下の4つのステップで進められます。手続きには時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールで臨むことが重要です。
- リスケの申込み
- 必要書類の提出
- 金融機関との交渉
- リスケの実行
①リスケの申込み
まずは融資取引のある全金融機関の担当者に、返済条件の変更を相談したい旨を伝えます。電話やメールで済ませず、必ずアポイントを取って直接出向き、経営状況と再建への意志を真摯に伝えましょう。
また、リスケの実行までは早くても1ヶ月以上かかることが想定されるので、資金がショートする2~3ヶ月前には相談を開始することが理想です。
②必要書類の提出
リスケの申込み後、金融機関から必要書類の提出を求められます。これらはリスケの必要性と経営再建の実現可能性を示す重要な資料です。
主な必要書類
- 返済条件変更の申出書
- 経営改善計画書:リスケ交渉で最も重要な書類です。
- 資金繰り表(過去と未来)
- 試算表(直近分)
- 全借入の返済予定表
特に「経営改善計画書」の作成には専門知識が必要です。独力で作成するのが難しい場合は、キークレアグループにご相談ください。
③金融機関との交渉
提出書類をもとに、金融機関との交渉が行われます。交渉では、なぜリスケが必要で、リスケをすれば将来的に返済が可能になるかを、客観的な資料に基づいて論理的に説明することが求められます。
金融機関側に「支援するメリットがある」と判断させることが重要です。厳しい質問にも誠実に答え、嘘やごまかしは決してしてはいけません。専門家である税理士が同席することで、交渉を円滑に進めることも可能です。
④リスケの実行
交渉がまとまり、金融機関内での承認が下りるとリスケが実行されます。
まずは合意した期間(通常半年~1年)、変更後の条件で返済を行います。リスケ期間中は、定期的に計画の進捗状況を金融機関に報告する義務を行い、この報告をもとに、金融機関はリスケの継続などを判断します。
業績が回復し、通常の返済が可能になればリスケは終了し、当初の条件に戻ります。
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融資のリスケをする際の注意点
利息は免除されない
リスケは元金の返済を猶予・減額するもので、利息は通常通り支払う必要があります。利息の支払いまで滞ると信頼を失うため、資金繰り計画には必ず利息分を盛り込んでください。
社内外への信用が低下する可能性
リスケの事実が信用情報に登録されることはありません。しかし、社内の関係者や取引先に情報が漏れ、人材流出や取引停止につながるリスクもゼロではありません。交渉は経営層など限られたメンバーで慎重に進めるべきです。
リスケで抜本的な経営改善はできるのか?
リスケは倒産を防ぐ一時的な助けにすぎず、経営課題を解決するものではありません。まさに「時間稼ぎ」の手段です。
この期間に売上向上やコスト削減など抜本的な改善を行わなければ、数年後に再び困窮する可能性が高いでしょう。
リスケを検討する時こそ、経営を根本から見直す絶好の機会です。しかし、日常業務に追われる中で客観的な改善策の立案と実行は困難なため、税理士など外部専門家のサポートに依頼する事も視野に入れたほうが良いでしょう。
融資のリスケ・経営改善をキークレアがトータルサポート!
キークレアグループでは、企業の資金繰り改善や経営再建をサポートしており、金融機関が納得する具体的で実現性が高い「経営改善計画書」の作成に、豊富な実績とノウハウがあります。
お客様からは「書類作成を任せられたことで本業に専念できた」とのお声も頂戴しております。また、キークレア税理士法人は国認定の「認定経営革新等支援機関」でもあり、中小企業支援の専門家です。
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金融機関との交渉にも同席することができ、お客様の負担を軽減しながら円滑な合意形成をサポートいたします。
融資のリスケに関するQ&A
リスケ中の融資は可能?
リスケ中に銀行などから新規融資を受けることは極めて困難です。
しかし、資金調達の方法はゼロではありません。不動産担保ローンや、売掛債権を資金化するファクタリング、所有資産を売却してリースで使い続けるリースバックなどの手法があります。
ただし、金利等の条件が厳しい場合が多いため、利用は慎重に検討すべきです。専門家への相談をおすすめします。
金融機関からリスケを拒否されるケースとは?
ほとんどの場合で実行されるリスケですが、認められないケースもあります。
- 過去に無断延滞を繰り返している
- 経営改善計画に具体性や実現性がない
- 事業の回復が絶望的と判断された
- 粉飾決算など、経営悪化の原因が不正によるもの
金融機関との信頼関係を損なう行為があった場合、交渉は著しく困難になります。
コロナ融資についてもリスケできる?
「ゼロゼロ融資」をはじめとするコロナ関連融資もリスケは可能です。実際に返済が本格化し、多くの企業が条件変更を申し入れています。
国も「新型コロナ特例リスケジュール支援」などの制度を設けており、金融機関も柔軟に対応する姿勢を見せています。
まずは取引のある金融機関の窓口に相談することが第一歩です。キークレアでもコロナ融資の返済計画に関するご相談を多数お受けしております。
資金繰りや経営改善でお悩みなら、専門家であるキークレア税理士にご相談下さい。
融資のリスケは、資金繰りの危機を乗り切るための有効な手段です。
返済負担を一時的に軽減し、経営立て直しに集中する貴重な時間を得られます。しかし、リスケを成功させ、その後の事業再建を軌道に乗せるには、専門的な知識と経験が不可欠です。
説得力のある経営改善計画書の作成から、金融機関との交渉、そしてリスケ期間中の改善実行まで、一貫したサポートが求められます。
キークレアグループでは、経験豊富な専門家がお客様の状況を丁寧に伺い、最適な解決策をご提案します。
資金繰りや経営改善でお悩みの経営者様は、一人で抱え込まず、ぜひ一度キークレアにご相談ください。共に危機を乗り越え、会社の未来を築くお手伝いをいたします。