税務調査が入りやすい業種は?法人・個人別の特徴や確率を解説
目次
現金取引が多く売上の計上漏れが疑われやすい飲食店や美容室は、税務調査が入りやすい傾向にあります。
日々の営業に追われ、売上把握・管理が後回しになってしまうことも少なくありません。また、高額な材料費や外注費が発生する業種も調査対象になりやすいです。
近年はコンサルティングやSNS関連ビジネスも申告漏れが高額になりやすく注目されています。
本記事では、対象になりやすい業種の特徴や対策が分かります。ぜひ参考にしてください。
税務調査が入りやすい業種
税務調査が入りやすい業種にはある程度の傾向があると言えます。キークレアの経験上、特に以下の4つの特徴を持つ業種は注意が必要です。
なぜ税務調査が入りやすいのか、その理由を解説していきますので、該当業種や、特徴が当てはまる会社は参考にしてください。
現金取引が多い業種
現金取引が多い業種というのは、どうしても税務署の目に止まりやすい業種です。
銀行口座を介さない取引が多いためにデータの記録が残りにくく、売上を計上しないなどの不正を行いやすいと判断されてしまうからです。
具体的には、美容院や飲食店、それに建設業や建築業などが挙げられます。
実際に現金出納帳の不備が税務調査につながった事例は多くみられます。
ですから、日々の正確な記帳やレジデータと合っているかの確認作業が本当に大切です。
海外取引が多い業種
海外取引が多い業種も国税当局から特に注目されがちです。
なぜなら、国内だけの取引に比べて国境を越えた資金の流れはどうしても不透明になりやすいですし、諸外国の税制を悪用した租税回避や、所得の申告漏れが発生しやすいと厳しくチェックされてしまうからです。
具体的な業種としては、輸出入を手がける貿易業や海外投資を行う法人、また海外ECサイトの運営事業者などが挙げられます。
現在、国税当局は国外居住者の金融交差情報を税務当局間で交換する共通報告基準(CRS)などの国際的な情報交換の仕組みを最大限に活用しており、海外口座の動きや取引履歴を確実に捕捉しています。
アナログ会計がメインの業種
紙の帳簿などアナログな会計処理を続けている業種も、税務調査が入りやすい傾向にあります。
手書きの帳簿や紙の領収書管理は、悪意がなくても計算エラーや転記漏れが起きやすく、税務署から売上がすべて正しく計上されていないのでは?と疑われるリスクを高めてしまうからです。
具体的には昔ながらの個人商店などに多く見られます。キークレアの経験上、アナログ管理は税務リスクに直結するため、早めのデジタル化を強くおすすめしています。
IT系など新分野の業種
昔からある業種だけではなく、IT系などの新分野も税務調査が入りやすい業種に含まれます。
新しいビジネスを始める個人事業主や法人は、特に税務調査の対象になりやすい傾向にあります。
具体的には、民泊やフードデリバリー、暗号資産取引などが該当します。
こうした新しい分野のビジネスは、法整備が追い付いていないことや、そもそも取引の仕組みが複雑なこともあって、税務処理の解釈が難しくなりがちです。
プラットフォームのデータから売上は確実に捕捉されますので、正しい知識がないまま曖昧な申告を続けるのは非常に危険だと言えます。
税務調査で不正発見の割合が高い業種ランキングTOP10
国税庁では毎年、税務調査での「不正発見割合」を公表しています。このランキングで上位に上がる業種は税務署から特に注意を払われています。
つまり、それだけ調査対象になりやすいと考えられます。
「令和5事務年度(令和6年11月発表)法人税等の調査実績」でTOP10にランクインした不正発見割合の高い業種は以下の表の通りです。
| 順位 | 業種 | 不正発見割合 | 不正所得金額 | 前年順位 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | バー・クラブ | 62.3% | 44,664千円 | 1 |
| 2 | その他の飲食 | 45.2% | 31,759千円 | 2 |
| 3 | 外国料理 | 40.2% | 9,016千円 | 3 |
| 4 | 美容 | 34.5% | 31,664千円 | 5 |
| 5 | 大衆酒場、小料理 | 34.4% | 17,697千円 | – |
| 6 | 自動車修理 | 32.9% | 6,379千円 | – |
| 7 | 船舶 | 31.0% | 16,303千円 | 9 |
| 8 | 土木工事 | 30.4% | 17,496千円 | 4 |
| 9 | 識別土木建築工事 | 30.1% | 16,943千円 | 7 |
| 10 | 中古品小売 | 30.1% | 27,125千円 | – |
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税務調査が入りやすい法人の5つの特徴
業種だけでなく、税務調査の対象になりやすい法人にも共通する傾向があります。
キークレアがこれまで対応してきた事例からも、以下の5つの特徴に当てはまる場合は注意が必要です。それぞれの特徴を詳しく解説します。
①事業の規模が大きい
事業規模が大きい法人は納税額が高く、申告ミスの影響も大きいため税務調査の対象になりやすいと言えます。
税務署は、売上や利益といった「数字のインパクト」が大きい法人をターゲットに税務調査の選定をする傾向にあるといえます。
ただし、規模だけで調査が決まるわけではありません。特定の経費が極端に多いなど目立つ特徴があれば、規模に関わらず調査対象になり得ます。
キークレアでは、規模の拡大は成長の証であると同時に、適正な申告への責任も増大するとお伝えしています。
税務署に疑念を抱かせないためにも、日頃から財務内容をクリアに保つことが大切ですね。
②利益や売上の変動が大きい
利益や売上に大きな変動がある法人も、税務調査の対象になりやすい特徴の一つです。
例えば、売上が急増しているのに利益が少ないと、意図的に利益を隠しているのではないか、不当な経費を計上しているのではないかと不審に思われやすいのです。
急成長期に調査が入る事例は多く見受けられます。
たとえ正当な経費や損金で利益が圧縮されていたとしても、まずは申告漏れを疑われる可能性があるため、変動理由を証明できる書類の適切な管理・保存が欠かせません。
③経費率が高い
経費率が高い場合、売上の除外や経費水増しを疑われて、税務調査の対象になりやすくなります。
売上が伸びているのに利益がほとんどでない会社や、接待交際費・仕入れ代・支払手数料・外注費などが多い場合は特に注意が必要です。
同業種の平均と比べて経費率が突出していると、税務署側から不自然だとみなされて調査される可能性が高まります。
だからこそキークレアでは、業界平均を意識したアドバイスを通じて、事前のリスク回避をお手伝いしています。
④過去に税務調査で指摘を受けたことがある
過去に申告漏れなどで指摘を受けた法人は、再び税務調査の対象になりやすい傾向にあります。
前回の指摘事項が適切に是正されているかを税務署に確認されるためです。指摘の頻度が多いほど、何度も調査される可能性が高まってしまいます。
もし指摘を受けた場合は、早めに是正対応し、クリーンな会計を維持していきましょう。
指摘を受けた時こそ、社内の会計ルールを根本から見直す絶好のチャンスです。社内の経理体制を根本から再構築し、財務体質を強化しましょう。
⑤申告の内容に不審な点がある
確定申告の内容に不審な点があると、原因確認のため調査が行われる可能性が高まります。
多額の経費を計上していたり、同業他社と比較して利益率が極端に低かったり、貸借対照表が前期と比べて異常な変動がある場合は特に要注意です。
ただ、適正な会計処理を行っていたとしても、決算書上不審に見てしまうケースももちろんあります。
どうしてその数字になったのか、根拠となる資料や、背景を説明できるよう準備しておくことが大切です。
税務調査が入りやすい個人事業主の5つの特徴
個人事業主の場合も、売上や利益の急増や過去の指摘があるかなど、税務調査の入りやすさには法人と共通する特徴があります。
一方で、個人事業主特有の要因もあります。法人とは少し視点を変える必要があるのです。
特に狙われやすい5つの特徴を詳しく見ていきますので参考にしてください。
①確定申告をしていない
所得税の申告をしていない「無申告」の状態は、最も税務調査の対象になりやすいケースです。
売上や利益があるのに申告を行わない行為は、悪質な脱税とみなされ、厳しく追及されてしまいます。
取引先の支払記録や銀行口座入出金などの情報から、無申告であることが遅かれ早かれ発覚することもあります。
売上が高いほど調査の優先順位は上がりますし、無申告期間が長引くほどペナルティも膨らんでしまいますので、一日も早く相談されることをお勧めします。
②経費の申告が多い
事業で発生した支出はもちろん確定申告にて必要経費として計上できますが、もし申告内容が実態と乖離していたり、事業と関連のない私的な支出を無理やり経費に混ぜたりすると、税務署から目を付けられ、税務調査の対象となるリスクが急激に高まってしまいます。
特に個人事業主の方は、仕事とプライベートの線引きが曖昧になりがちです。
税務署は、生活費まで経費に含めていないかという点を非常に厳しい目でチェックします。
もし調査になった場合は、客観的な資料を提示し、なぜその支出が経費として妥当なのか、説明できる状態にしておくことが大切です。
経費になるものとならないものとは?③売上が1000万円をわずかに下回る
売上1,000万円前後の個人事業主の方は、税務調査に特に注意が必要です。
前々年(基準期間)の課税売上が1,000万円を超えると消費税の納税義務が発生するため、900万円前後で売上を調整していると、税務署から消費税逃れのための過少申告を疑われてしまう傾向があります。
現在はインボイス制度により、取引データから正確な売上が税務署に把握されています。
適正な申告のため、消費税の納税義務も見据えた資金計画を税理士と一緒に立て、健全な経営体制を整えることが最善の策といえるでしょう。
④現金取引が多額である
法人に限らず、多額の現金取引を行う個人事業主も税務調査の対象になりやすいです。
現金取引は銀行口座と違い記録が残りにくく、売上の計上漏れや故意の脱税の疑いを持たれやすいためです。
調査時には取引を証明する請求書、領収書、伝票の保管状況が厳しく確認されます。
日ごろから管理体制を整え、正確な現金出納帳の記帳をしておくこと、請求書などの証憑を適切に保管しておくことが大切です。
万一の突然の調査にも慌てず対応できますよ。
⑤顧問税理士がついていない
顧問税理士がいない個人事業主は、税務調査の対象になりやすい傾向があります。
専門知識のがない状態で作成した申告書は、どうしても計算ミスや経費の誤認といった不備が生じやすいため、税務署から適切な申告ではないと懸念されてしまうからです。
日々の適切な経理業務を維持し、万が一の調査にも自信をもって対応するため専門家のサポートがあると心理的にも安心でしょう。
キークレアでは、税務リスクを軽減する適正申告をサポートし、万全の体制で経営者を支えています。
税務調査に入られる確率はどれくらい?
実際のところ、法人の税務調査の確率は約3%、個人事業主は約1%が目安です。申告件数全体に対して実地調査が行われる件数は決して多くはありませんが、国税局は様々なデータから対象を絞り込んでおり、定期的に調査は確実に行われています。
まずは適切な会計処理と申告を、そして急な調査でも、数字の説明ができるように日ごろから準備をしておくことが大切です。
税務調査に入られないための対策
税務調査に入られないための最大の対策は、日々の正確な記帳と期限内の適正申告につきます。専門家のサポートを受けずに独力で書類を作ると、どうしても知識不足によるミスが指摘のリスクを高めてしまいます。そこで、確実なのは私たちキークレアのような税理士に依頼することです。
正確な税務書類の作成や提出を代行できるので、ミスによる不要な調査リスクをぐっと抑えられます。また、万が一、税務調査の通知が届いても、税理士が立ち会いを行うことで、当日の折衝をサポートし、行き過ぎた是正要求を防ぐことができます。
税務調査での税理士立ち会いは、経営者にとって非常に心強い存在です。私たちは事前の備えから当日の対応まで、貴社の経営と利益を全力で守り抜きます。
税務調査に入られてもいいように備えるための完全ガイド 確定申告を税理士に依頼する6つのメリット税務調査についてご不安なことはキークレア税理士法人へご相談ください
税務調査というのは、突然の連絡から始まり、調査の準備や質問対応に拘束されるため、経営者様に多大な精神的ストレスをもたらしてしまうものなのです。
キークレアには、調査に強い専門スタッフが多数在籍しており、事前の対策から当日の立ち会い、税務署との折衝まで全面的にサポートしています。
過去の申告内容に不安がある方や、事業拡大に向けて強固な財務体制を築きたい方は、ぜひ一度ご相談ください。
税務調査は、単に恐れるだけではなく、日頃の経理を見直す良い機会でもあります。
私たちと一緒に、税務リスクのない安心できる経営を目指しましょう。
不安を抱え込ますに、プロの力で守りを固め、ゆるぎない事業経営を一緒に目指しましょう。