個人事業主の確定申告には青色申告と白色申告の2種類があります。青色申告で確定申告をする場合、「青色申告決算書」の提出が必要です。
本コラムでは、青色申告決算書とは何か？具体的に何を記載すればいいか？などを詳しく解説していきます。

青色申告決算書とは

個人事業主の確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類があり、青色申告を選択すると税金面でさまざまな優遇を受けられる特典が付いてきます。

ただし、青色申告を行う場合は、確定申告書とあわせて「青色申告決算書」の提出が必要です。
青色申告決算書とは、損益計算書3ページと貸借対照表1ページの計4ページで構成される書類です。

【個人事業主の確定申告】青色申告とは？メリット・やり方を解説

損益計算書	事業の売上や経費などをもとに、1年間の所得金額を計算します。全3ページで構成され、1ページ目が損益計算書の本体、2ページ目は売上や給与などの細目、3ページ目は減価償却費などの細目を記載します。
賃借対照表	期首と期末時点における事業の資産、負債、資本をまとめた表です。

そもそも個人事業主の決算とは？

個人事業主の決算とは、1年間の収益と費用を集計して利益を明確にすることです。個人事業主は決算を毎年行う必要があります。対象となる期間は、1月1日から12月31日までの1年間で、個人事業主の決算月は12月です。

一方、確定申告とは、決算をもとに算出した利益（所得）から所得税額を計算して、国に申告する手続きです。決算を行った翌年2月16日から3月15日までに確定申告を行う必要があります。決算を行うことで、スムーズに確定申告の書類を作成できます。

青色申告決算書はどこで入手できる？

青色申告決算書は、11月から12月の上旬ころに税務署から郵送されます。国税庁のホームページからダウンロードして取得することも可能です。

また、オンラインで青色申告決算書の作成から提出まで行うことも可能です。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」というサイトへアクセスし、画面上の案内に沿って入力を行うだけで、青色申告決算書を作成でき、e-Taxを利用してそのまま税務署へ提出ができます。

青色申告決算書の書き方とポイント

青色申告決算書は4ページ中1～3ページ目が損益計算書およびその明細、4ページが賃借対照表という構成です。2、3ページ目から書き始めて、1ページ目の損益計算書に転記し、最後に4ページ目の貸借対照表に進むと記載しやすいです。

それでは、ページごとの記載内容や書き方のポイントをみていきましょう。

【1ページ目】損益計算書

損益計算書1ページ目では、売上金額や売上原価、経費などを記載します。売上金額などの一部の項目は、損益計算書2ページ目以降に内訳を記載するため、2ページ目と3ページ目を先に記入したほうがスムーズに作成ができます。
それでは損益計算書1ページ目の各項目についてみていきましょう。

1. 基本情報
   住所、氏名、事務所所在地、電話番号、業種、屋号などを記載します。
2. 売上金額
   1月から12月までの売上金額および雑収入の合計額を記載します。損益計算書2ページ目の「売上（収入）金額」の計の金額を転記します。
3. 売上原価
   期首と期末の商品棚卸高、1月から12月までの仕入金額の合計を記載します。仕入金額は、損益計算書2ページ目の「仕入金額」の計の金額を転記します。
4. 経費
   水道光熱費や旅費交通費などの経費の金額を記載します。減価償却費については、損益計算書3ページ目の「減価償却費の計算」の「㋷本年分の必要経費算入額」の計の金額を転記します。
5. 各種引当金・準備金等
   貸倒引当金などの引当金や準備金の繰入額や戻入額を記載します。
6. 青色申告特別控除額
   損益計算書2ページ目の「青色申告書特別控除額の計算」の⑨の金額を転記します。

【2ページ目】損益計算書の内訳

損益計算書2ページ目では、売上金額や仕入金額、給料賃金などの内訳を記載します。

1. 月別売上(収入)金額及び仕入金額
   1月から12月までの各月の売上（収入）金額、仕入金額の内訳を記載します。
2. 貸倒引当金繰入額の計算
   本年分の貸倒引当金の繰入額を記載します。
3. 給料賃金の内訳
   従業員を雇って給料を支払っている場合に、その従業員の氏名や年齢、1年間に支払った給料賃金の合計額などを記載します。
4. 専従者給与の内訳
   生計を一にする配偶者や家族に対して支払っている場合に、その家族の氏名や年齢、1年間に支払った給料の合計額などを記載します。
5. 青色申告特別控除額の計算
   青色申告では、青色申告特別控除として所得金額から最高55万円（e-Taxによる電子申告または電子帳簿保存を行った場合は最高65万円）の控除を受けることができます。青色申告特別控除前の所得金額や青色申告特別控除額を記載します。

【3ページ目】損益計算書の内訳

損益計算書3ページ目では、主に減価償却費の計算や地代家賃について記載します。

1. 減価償却費の計算
   減価償却資産の取得価額や取得年月、償却方法（定額法や定率法など）、本年度の償却費の合計などを、減価償却資産ごとに記載します。繰延資産についても、同様に記載します。
2. 利子割引料の内訳
   事業を通じて借入をした場合に、1年間で支払った借入金の利息などを記載します。
3. 地代家賃の内訳
   1年間に支払った地代家賃の詳細を記載します。
4. 税理士・弁護士等の報酬・料金の内訳
   税理士や弁護士、公認会計士などに支払った報酬の内訳を記載します。
5. 本年中における特殊事情
   例年と比べて売上や経費、利益などの大幅な増減があった場合などに、税務署から疑いをもたれないようにその理由を説明します。

【4ページ目】貸借対照表

貸借対照表では、期首（1月1日）と期末（12月31日）時点の資産・負債・資本の内訳について記載します。65万円または55万円の青色申告特別控除を受けるためには必ず記載する必要がある重要なページです。

1. 資産の部
   現金や預金、売掛金や棚卸資産などの流動資産や、建物や機械装置、土地などの固定資産の金額を記載します。資産の部にある事業主貸の項目では、生活費などの費用で経費に該当しないものを事業から支払った場合に、その金額の1年間の合計額を記載します。
2. 負債・資本の部
   買掛金や支払手形などの流動負債や、銀行などからの長期借入金などの固定負債、事業の元手である元入金などを記載します。
3. 製造原価の計算
   製造業を行っている場合にのみ記載が必要な項目です。製品を製造するために生じたコストの詳細を記載します。

個人事業主の決算書の作成はキークレアにお任せ下さい！

青色申告では、貸借対照表や損益計算書を作成する必要があるため、高度な簿記知識やスキルが必要になります。見よう見まねでの作成では、かえって時間とコストがかかって損をする場合もあるため、税金のプロである税理士に任せるのをおすすめします。

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など、個人事業主の決算書作成を手厚くサポートできます。

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決算書作成を効率化する会計ソフトの導入もサポート

青色申告では複式簿記が前提となるため、会計に関する一定水準の知識や経験が必要です。ただし、会計ソフトを使うことにより、簡単かつ効率的に記帳を行うことができます。

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青色申告決算書の提出方法

青色申告決算書が完成したら確定申告書を作成して、税務署に提出しましょう。提出方法は次の4つから選択が可能です。ただし、青色申告特別控除を受けるためには、原則e-Taxの利用が必要なため注意が必要です。

1. 税務署に持参する
2. e-Taxを利用してパソコン、スマホ、タブレット端末から提出する
3. 郵便または信書便で税務署に送付する
4. 税務署の時間外収集箱に投函する

青色申告の期限はいつまで？

確定申告の提出期間は、青色申告と白色申告のいずれの場合でも、例年2月16日から3月15日までの間です。提出期限を過ぎてしまうと延滞税などがかかる場合があるので、期限内に提出するようにしましょう。

個人事業主の決算・確定申告でお困りの際は、キークレア税理士法人にご相談下さい。

本コラムでは青色申告決算書の内容について説明させて頂きました。
個人事業主でも青色申告の際には決算書の作成が必要です。青色申告書の作成や確定申告は、会計や税法に関しての高度な知識が必要となるため、税金の専門家である税理士のサポートを受けるのがおすすめです。

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