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相続登記が放置されている場合の7つのリスクと対処法、義務化について

代表税理士 三嶋 泰代
監修代表税理士三嶋 泰代

» 相続登記は相続の際の不動産の名義変更手続きです。
これまでは相続登記申請に期限や罰則がなかったため、申請されずに長年放置されている不動産が多くありました。「相続登記」をせずに放置することには様々なリスクが伴います。

2024年4月1日からは、所有権の取得を知った日もしくは遺産分割が成立した日から3年以内の相続登記の申請が義務化されます。

このコラムでは、「相続登記」をしなかった場合のリスクと、その解決方法についてご説明いたします。

相続登記とは?期限はある?

「相続登記」とは相続の際の不動産の名義変更手続きのことです。
以下のタイミングで行われることが多くあります。

  • 不動産を相続したとき
  • 相続した不動産を売却するとき
  • 相続した不動産を担保に融資を受けるとき

これは、「相続登記」が完了しないと、不動産の売却や、不動産を担保とする融資を受けることができないためです。
なお、2024年3月31日までは相続登記申請に期限はありません。

2024年4月から相続登記は義務化に

2024年4月1日からは、不動産を相続したことを知った日もしくは遺産分割が成立した日から3年以内に「相続登記」をすることが義務化されます。

2024年4月1日以前に相続が開始している場合も義務化の対象です。
この場合には、2024年4月1日または不動産を相続したことを知ったときのいずれか遅い日から3年以内に申請する義務が生じます。

「相続登記」をしないと所有者不明土地が増え、活用できない土地が増えてしまいます。「相続登記」は所有者不明土地を増やさないために義務化されます。
正当な理由がなく義務に違反した場合には10万円以下の過料が科される可能性があります。

相続登記を放置する7つのリスク

「相続登記」を放置することで以下の例のように、さまざまなリスクが生じます。

  • 権利関係が複雑になる可能性がある。
  • 相続不動産を売却または、担保にすることができない。
  • 固定資産税が高くなる可能性がある。
  • 相続不動産を差し押さえられる可能性がある。
  • 他の相続人が勝手に不動産を売却する可能性がある。
  • 相続人が認知症になると遺産分割協議が難航する可能性がある。
  • 登記申請に必要な戸籍謄本などを取得できなくなる可能性がある。

①権利関係が複雑になる可能性がある

相続登記をしないまま新たな相続が発生した場合、「数次相続」「代襲相続」となる可能性があります。

「数次相続」とは、相続発生後、遺産分割協議が終わらないうちに次の相続が発生することです。最初の相続を「一次相続」、次の相続を「二次相続」といいます。

また、「代襲相続」とは、被相続人(親)よりも先に、生きていれば相続人となるべき人(子)が死亡し、その相続人の相続人(孫)が代わりに相続人になることです。

いずれも相続人が増えることで権利関係が複雑になり、遺産分割協議が難航することが多くなります。

②相続不動産を売却・担保にできない

相続財産中に不動産が占める割合が多いときには、遺産分割のために相続した不動産を売却することや、相続税を支払うために担保にして融資を受けることもあります。
相続不動産を売却または担保にするには、名義人を被相続人から相続人へ変更する必要があります。

売却を検討する理由としては、次の点があげられます。

  • 所有しているだけで、固定資産税や管理費がかかる。
  • 家屋の価値は経年劣化とともに下がることが多い。
  • 相続した不動産を相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日(相続開始から3年10か月以内)までに売却した場合には、相続税額のうち、相続した不動産にかかる金額をその不動産の取得費に加算することができる(相続財産譲渡時の取得費加算の特例)。
共有名義で相続登記について|デメリットやトラブルの対策方法も解説

③固定資産税が高くなる可能性がある

不動産は所有しているだけで、税金を負担しないといけません。

固定資産税と、市街化区域内の場合は都市計画税も払い続ける

「市街化区域」とは、既に市街地を形成しているか優先的に市街化を図るべき地域のことで、その事業に充てるために都市計画税が課されます。

「特定空家」に認定されると固定資産税が6倍になる

「特定空家」とは、そのまま放置すれば倒壊する、衛生上有害になる、景観を損なっているなどの理由で市区町村に認定された空き家を指します。「小規模住宅用地の課税標準の特例」を受けることができなくなるため、固定資産税は6倍になります。

④相続不動産を差し押さえられる可能性がある

相続不動産は、遺産分割協議が終わるまで共同相続人が法定相続分に応じて共有している状態です。
そのため、借金の支払いを滞納している相続人がいる場合、その相続人の持分を差し押さえられてしまう場合があります。

差し押さえられた持分が競売にかけられると、第三者と共有になる可能性があります。
また、その家屋に居住している場合には賃料を求められる可能性もあります。

遺産分割協議がまとまっても、相続登記を放置していることで自分のものだと主張できなくなりますので、なるべく早めに相続登記をしましょう。

⑤他の相続人が勝手に不動産を売却する可能性がある

相続財産は遺産分割協議が終われば誰が相続するか決まります。しかし、相続不動産については遺産分割協議完了後、相続登記を放置することで、次のような問題が発生する可能性があります。

相続登記は各相続人が法定相続分に従って、他の相続人の合意を得ることなく、単独で登記することができてしまいます。
そのため、共同相続人の誰かが法定相続分で勝手に登記をし、自分の持分を売却してしまう事態も起こり得ます。その場合は第三者との共有不動産となり、売却する際にはその第三者の承諾が必要となります。

このような事態を招かないためにも、遺産分割協議が完了したら速やかに相続登記をしましょう。

⑥相続人が認知症になると遺産分割協議が難航する可能性がある

相続手続き中に相続人が認知症と診断された場合、法律行為(例えば遺産分割協議など)を制限されてしまいます。
相続手続きが進まなくなり、結果として相続登記ができなくなる可能性があります。

判断能力が低下した場合は、「成年後見制度」の利用を検討します。
申立書や必要書類を用意し、家庭裁判所に成年後見人等の選任を申し立てます。成年後見人の選任には数ヶ月かかることもあります。

また、後見人への報酬も必要となる上、制度を利用しようと考えた法律行為が解決した後も制度の利用を止めることはできず、本人が死亡するまで続くことが一般的です。

⑦登記申請に必要な書類を取得できなくなる可能性がある

相続登記の申請に必要な公的書類には保存期限があります。
保存期限を過ぎてしまうと必要書類が廃棄されてしまう可能性があります。その場合は「廃棄証明書」が発行されます。

相続登記申請には「廃棄証明書」とあわせて「上申書(相続人全員の他に相続人がいない旨を記載した書類)」を提出します。
市区町村によっては期限を過ぎても公的書類が保存されている場合がありますので、問い合わせてみるとよいでしょう。

公的書類の保存期限は以下の通りです。

  • 除籍謄本  除籍から150年
  • 改製原戸籍 改製から150年
    2010年までに当時の保存期間(80年)が終了した書類は、廃棄されている可能性があります。
  • 戸籍の附票  除籍から150年
  • 住民票の除票 消除から150年
    2019年までに当時の保存期間(5年)が終了した書類は、廃棄されている可能性があります。

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相続登記せず放置されている不動産がある場合の対処法

相続登記されず名義が亡くなっている方のまま放置されているケースは意外と多くあります。
手続きが煩雑であることから、「次の相続の時に一緒にすればいいのでは?」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。

しかし、中間省略登記(複数回にわたり不動産の所有者が変更された場合に中間にあたる所有権移転登記を省略すること)は原則認められていません。

相続登記によって名義人を誰に変更すべきか悩まれる方もいらっしゃるかと思います。
同居していた方がいる場合はその方、同居の方がいない場合は他の相続財産もふまえた上で遺産分割協議によって決めるのが一般的です。

相続登記の手続きのおおまかな流れは以下の通りです。

  1. 相続不動産を特定する。
  2. 相続人を確定する。
  3. 必要書類を準備する。
  4. 管轄の法務局へ申請する。
相続登記の手続きは自分でできる?流れや必要書類などを詳しく解説

放置されていた場合でも自分でできる?専門家に依頼するメリット

長年放置されていた相続登記を自分でするには、非常に煩雑な手続きが必要になります。

遺産分割協議が行われておらず新たな相続が発生した場合には、関係性の薄い相続人同士で遺産分割協議をする必要があります。
また、遺産分割協議は行われたものの、相続登記が行われていなかった場合には、先代の公的書類を集めるなどの手間がかかります。

複雑な場合が多いため、専門家に依頼することをおすすめ致します。
専門家に依頼するメリットは次の通りです。

  • 必要な書類を集めてくれる。
  • 相続登記の申請を依頼できる。
  • 相続税申告を依頼できる。

相続の知識と経験を持つキークレアができるサポート

相続に関してキークレア税理士法人では、「相続不動産を含む相続財産の調査と評価」、「相続人調査」、「遺産分割協議書の作成」、「相続税申告」、「二次相続対策」などのご対応が可能です。
キークレア税理士法人には相続税申告に慣れた相続専門の税理士が在籍しておりますので、安心してご依頼頂けます。

また、司法書士や弁護士と提携しておりますので、相続登記や相続にまつわる裁判などについてもワンストップでご依頼が可能です。
相続に関するお悩みはぜひ、キークレア税理士法人にご相談ください。

放置されていた不動産や相続登記に関するご相談は、キークレア税理士法人にお任せください。

不動産を相続した場合には相続登記が必要です。
2024年4月1日からは、不動産を相続したことを知った日もしくは遺産分割が成立した日から3年以内の相続登記の申請が義務化され、正当な理由がなく義務に違反した場合には10万円以下の過料が科される可能性があります。

相続登記をしていない不動産を所有することは多くのデメリットを伴います。
もし、相続登記をせずに長年放置してしまった不動産があるときには、次の相続が発生する前に相続登記の申請をしましょう。

キークレア税理士法人は相続税申告に慣れた相続専門の税理士が在籍しております。
また、相続登記については提携の司法書士を通じた申請が可能です。

相続に関するご相談は、ぜひキークレア税理士法人にお寄せください。

お客様のビジョン達成のために、グループ一丸となり全力で支援してまいります。 お客様のビジョン達成のために、グループ一丸となり全力で支援してまいります。

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