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相続手続きを自分でできるのか?大変な5つの理由や注意点

代表税理士 三嶋 泰代
監修代表税理士三嶋 泰代

身内に不幸があったら、お葬式の手配とともに相続の手続きが必要です。故人にある程度の財産があった場合、相続税申告も必要になります。相続人になるのは一生のうち数回程度とそう多くはないため、どのような相続手続きが必要なのかわからないことも多いと思います

このコラムでは、相続手続きの流れや手続きを自分でできるのかどうか、専門家に任せた方がいいのはどのようなケースか、などについてご説明いたします。

相続手続きは自分でできる?

相続が発生したら、相続財産の額にかかわらず相続手続きを行う必要があります。相続手続きを自分ですることは可能です。しかし多くの時間と労力がかかることは覚悟した方がよいでしょう。また相続税申告が必要な場合は、期限内に申告できなかったり、間違えて低い税額で申告してしまうと過料を課せられたりするリスクがあることに注意が必要です。

相続手続きを自分でできるケースと専門家に依頼した方がよいケースは次の通りです。

相続手続きを自分でできるケース

  • 相続税申告が不要である
  • 相続人の関係が複雑でない
  • 平日の日中に時間がある
  • 根気強い

専門家に依頼した方がよいケース

  • 相続税申告が必要である
  • 相続人の関係が複雑である
  • 相続手続きをする時間がない
  • 土地を多く所有している

相続税申告や相続登記が必要な人

相続した財産の相続税評価額が「3,000万円+法定相続人の数×600万円」で計算される基礎控除額を超える場合は、相続税申告が必要です。また、相続税申告をすることが適用要件になっている相続税の特例(小規模宅地等の特例など)や税額控除(配偶者の税額軽減など)を適用する場合は、適用することで相続税額が0円になったとしても相続税申告が必要です。

また、相続税申告が不要であっても、土地や建物などの不動産を相続した人は相続登記が必要です。

相続手続きを専門家に依頼した方がよいケース

相続手続きを専門家に依頼した方がよいケースについてご説明いたします。

  • 相続人関係が複雑である
    被相続人の兄弟姉妹が相続人となる場合や、被相続人より先に相続人が死亡して代襲相続となっている場合は、必要な戸籍謄本が増えたり、相続人同士が疎遠であったりして遺産分割協議がスムーズに進まない可能性があります。
  • 不動産を相続した
    相続財産に不動産がある場合は、その不動産の相続税評価が難しい場合があります。また、相続した不動産は相続登記が必要です。
  • 保存期間が終了し廃棄されてしまった書類がある
    保存期間(最長で150年)が過ぎて廃棄されてしまった戸籍謄本は取得することができません。

相続手続きの主な流れ

相続手続きを自分でしたい人のために主な流れを紹介いたします。

  1. 遺言書の確認
    被相続人が遺言書を作成している場合は、原則として遺言書の内容に沿って遺産分割をします。遺言書がない場合には原則として法定相続分に従って遺産分割を行います。
  2. 相続人の調査
    相続人を調査するには、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等が必要です。
  3. 相続財産の調査
    正確な相続税申告をするには相続財産を漏れなくすべて把握することが大切です。相続財産の調査は相続人の調査と並行して行うことができます。
  4. 相続方法の選択
    相続放棄や限定承認を選択する場合は、家庭裁判所に申述する必要があります。申述の期限は相続開始があったことを知った日から3ヶ月以内です。
  5. 遺産分割協議
    遺産分割協議では相続人全員が参加して、誰が何を相続するのか具体的に決定します。
  6. 相続税の申告
    相続した財産の相続税評価額が基礎控除額を超える場合は、相続開始を知った日の翌日から10か月以内に相続税申告が必要です。
  7. 不動産・預貯金の名義変更
    不動産の名義変更(相続登記)は2024年4月1日から義務化されました。相続開始から3年以内に正当な理由がなく登記しないと、過料が科される可能性があります。
    預貯金の名義変更(払い戻し請求)に期限はありませんが、長期間請求しないでおくと休眠 口座に移り、手続きが煩雑になる可能性があります。

これは一般的な流れであり、状況によってはさらに別の手続きが必要となる場合もあります。

相続手続きの流れ

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自分で相続手続きするのが大変な5つの理由

一般的に自分で相続手続きをすることは大変だと言われますが、何が大変なのか、その理由についてご説明いたします。

  1. 必要書類を集めたりする手続きに手間と時間がかかる
  2. 相続税の計算が複雑
  3. 預貯金の解約、不動産の名義変更などやることが多い
  4. 金融機関などに何度も足を運ばなければいけない
  5. 手続きに期限がある

①必要書類を集めたりする手続きに手間と時間がかかる

相続人相続財産を調査するためには調査に必要な書類を集める必要があります。相続人の数や財産の種類が多いと、かなりの手間と時間を要する作業になります。また、戸籍謄本や不動産の登記簿謄本(全部事項証明書)などの公的な書類は市区町村役場や法務局で取得しますが、開庁時間は平日の昼間に限られます。預貯金や生命保険契約を複数所有している場合は金融機関や生命保険会社ごとに手続きが必要です

自分でやると手続きをし忘れたり、必要書類を取得し忘れたりする可能性があります。

相続人調査 相続財産調査

②相続税の計算が複雑

相続税は申告税であるため、税務署は納税額の計算をしてくれません。相続税額を正しく計算するにはまず、相続財産や相続人を漏れなく調査する必要があります。次に続税で適用できる控除や特例など把握し納税額を計算します。期限内に申告できなかったり申告漏れや計算ミスで納税額が少なかったりすると、延滞税や過少申告加算税などのペナルティを課せられる可能性があります。逆に多く納税してしまった場合は、税務署から指摘はないので損することになってしまいます。

相続税を自分で計算する方法

③預貯金の解約、不動産の名義変更などやることが多い

相続した財産は相続手続きをしなければ自由に処分することができません。相続手続きには以下のものがあります。

  • 預貯金の解約払戻手続
  • 土地や家など不動産の名義変更(相続登記)
  • 生命保険金の受け取り手続き
  • 携帯電話、公共料金、クレジットカードなどの解約 など

なお、銀行口座は死亡したことを届け出ることで凍結されますが、凍結される前は預貯金を引き出すことが可能です。

凍結前に引き出してしまうと相続放棄を選択できなくなる可能性があります。また、公共料金などの引き落とし口座になっている場合は、口座凍結によって支払いができなくなるため、滞納することになりかねません。

④金融機関などに何度も足を運ばなければいけない

預貯金の解約払戻手続の際は、金融機関1ヶ所につき最低2回は訪問する必要があります。1回目では必要書類の案内を受け2回目でそれらを持参して解約払戻手続きをします。手続きが複雑なものや書類不備、不足があると更に訪問の回数が増えます。信用金庫など規模の小さい金融機関は支店ごとに手続きが必要なこともあります。遠方の場合は郵送で対応してくれる金融機関もあります。金融機関ごとに対応が異なりますので、2回の訪問では終わらないこともありえます

⑤手続きに期限がある

相続手続きには期限があるものがあります。期限がある主な相続手続きは以下の通りです。

  • 相続方法の決定:相続開始を知った日から3ヶ月以内
    相続放棄や限定承認を選択する場合は、家庭裁判所に申述する必要があります。
  • 準確定申告:相続開始を知った日の翌日から4ヶ月
    確定申告が必要であった人が亡くなった場合に、相続人が代わりに行うのが準確定申告です。
  • 相続税の申告・納税:相続開始を知った日の翌日から10ヶ月
    遺産分割が完了していなくても申告期限は変わりません。また、相続税の軽減や特例を適用した結果、相続税がかからなくても申告が必要な場合があります。
  • 相続登記:相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内
    正当な理由がなく登記しないと、過料が科される可能性があります。

相続手続きを専門家に依頼するメリット

相続手続きには多大な労力と専門的な知識が必要です。これまでにご説明した通り、期限が設けられている手続きもあるため、手続きを計画的に進める必要があります。自分で手続きをすることに不安があるときは、なるべく早く専門家に相談した方がよいでしょう。専門家に依頼するメリットは次の通りです

  • 財産調査や相続人調査などの手間を省くことができる。
  • 遺産分割を提案してもらえる。
  • 相続税を納めすぎる心配がない。
  • 税務調査に入られるリスクを下げることができる。

キークレアが相続手続きでできること

キークレア税理士法人には相続手続きに特化した専門のチームがあり、数多くの相続手続きを承っています。キークレア税理士法人は正確な相続税申告だけではなく、被相続人や相続人の思いをくみ取り、相続が円満に滞りなく完了することを目指しています。

そのために相続手続き完了までの各段階で、手続きの進捗状況を逐一ご報告し、相続に関する不安を少しでも軽減できるように尽力いたします。また、相続開始前の対策のみならず、相続後の財産運用や二次相続対策もご対応可能です。

相続手続きを自分でするときの注意点

相続手続きを自分でする場合、相続税額を誤って申告してしまうと延滞税や過少申告課税などのペナルティが課せられます。相続税申告を自分でした場合は、税理士に依頼した場合に比べて税務調査に入られる可能性が高くなります。

また、相続登記は2024年4月から義務化されています。正当な理由がなく登記しないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。
期限がある手続きは期限内に完了しないことで様々なペナルティが発生するので、特に注意して対応する必要があります。

キークレア税理士法人が相続手続きをトータルサポートします

相続が発生したら、葬儀の手配と共に相続手続きを行う必要があります。相続手続きは自分ですることも可能ですが、多くの時間と労力がかかります。また相続税申告が必要な場合は、期限内に申告できなかったり、間違えて申告してしまったりすると過料が課される可能性があります。その他にも期限内に手続きをしないことで、様々なデメリットが生じる可能性があります

キークレア税理士法人ではこれまでに数多くの相続税申告を行った実績があります。キークレア税理士法人が皆様の相続手続きをトータルサポートいたします。

お客様のビジョン達成のために、グループ一丸となり全力で支援してまいります。 お客様のビジョン達成のために、グループ一丸となり全力で支援してまいります。

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