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年末調整の訂正方法|期限や間違いが起きやすいケース、対策など

代表税理士 三嶋 泰代
監修代表税理士三嶋 泰代

年末調整では、扶養控除の記載ミスや保険料控除の申告漏れなどにより、後から訂正が必要になるケースがあります。誤りを放置すると、従業員の税額に影響するだけでなく、会社側にも修正対応や追加納税が発生する可能性があります。

そのため、年末調整は「間違えない仕組みづくり」と「誤りに気づいた際にすぐ再調整できる体制づくり」が重要です。この記事では、年末調整の訂正期限や具体的な訂正方法、よくあるミスの原因と防止策まで分かりやすく解説します。

年末調整の訂正期限はいつまで?

年末調整の訂正は、原則として法定期日の翌年1月31日までに行う必要があります。これは、源泉徴収票や法定調書、給与支払報告書などの提出期限が1月31日に設定されているためです。

一方で、源泉徴収票を発行した後で実務上再手続きが厳しい場合や、翌年2月1日以降に誤りが判明した場合は、会社内での再年末調整が難しくなるケースがあります。その場合は、従業員本人が確定申告を行い、所得控除や税額を修正する対応が必要です。

年末調整はいつまで?

年末調整の間違いを訂正する方法

年末調整の訂正方法は、誤りに気づいたタイミングによって対応方法が異なります。ここでは、「1月31日以前」「2月1日以降」「税務署から指摘された場合」の3つに分けて解説します。

申告期限内に気づいた場合【1月31日以前】

法定調書の提出期限である翌年1月31日までで、かつ源泉徴収票をまだ交付していない場合は、会社側で年末調整の訂正を容易にできます。

具体的には、まず従業員へ内容確認を行い、控除証明書や前職の源泉徴収票など必要書類を再提出してもらいます。その後、誤った箇所に二重線を引いて正しい内容を記入します。

修正テープや修正液は使用せず、訂正印も原則不要です。細かい修正方法は会社により異なるので社内ルールに従い修正をしてください。

修正後は所得税額を再計算し、不足税額や還付税額を精算します。精算方法は、給与や賞与の支払いで調整するほか、現金や振込で対応するケースもあります。

もし期限までに処理が間に合わない場合は、従業員へ確定申告が必要になる旨を案内しましょう。

申告期限後に気づいた場合【2月1日以降】

法定調書の提出期限後に誤りへ気づいた場合、会社内での年末調整のやり直しはできません。
すでに税務署や自治体へ提出済みの情報を修正する必要があるためです。

法定調書の提出期限後に誤りへ気づいた場合は、従業員本人が確定申告で修正対応を行うことが一般的です。会社は訂正後の源泉徴収票を再交付し、状況に応じて税務署や市区町村へ訂正対応を行います。

従業員が確定申告をスムーズに行えるよう、源泉徴収票の再交付や不足資料の準備などをフォローすることも重要です。特に、保険料控除や扶養控除の修正は還付税額に直結するため、早めの対応が求められます。

確定申告とは?

税務署から指摘されて気づいた場合

税務署からの問い合わせや税務調査によって誤りが判明するケースもあります。特に多いのが、配偶者控除や扶養控除の適用要件を満たしていないにもかかわらず、誤って控除を適用していたケースです。

年末調整には会社側の源泉徴収義務があるため、税務署から指摘を受けた場合は会社が修正対応を行う必要があります。従業員本人の確定申告だけで完結しない場合も少なくありません。

税務署から通知を受けた際は、従業員へ事実確認を行い、申告内容を修正したうえで不足税額や加算税を納付します。誤りの内容によっては、自治体へ提出済みの給与支払報告書も修正が必要です。

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年末調整の訂正はなぜ起きる?よくあるケースと原因

年末調整の訂正は、会社側・従業員側の双方のミスや情報変更によって発生します。ここでは、特に多い原因を紹介します。

会社側の計算に間違いがあった

年末調整を手作業で行っている場合、控除額や税額の計算ミス、転記ミスが発生しやすくなります。特に従業員数が多い会社では、確認漏れが起きやすい傾向があります。

会社側のミスは、従業員への還付不足や徴収不足につながるだけでなく、税務署からの指摘や社員からの信用低下を招くおそれもあります。年末調整は毎年行う業務だからこそ、チェック体制を整えることが重要です。

年末調整の計算方法

書類の記入ミスや証明書類の不足

年末調整では、従業員から提出される申告書や控除証明書をもとに計算を行うため、記入ミスや添付漏れによる誤りが少なくありません。

例えば、年の途中で入社した従業員が前職の源泉徴収票を提出し忘れるケースや、住宅ローン控除に必要な借入金残高証明書を提出していないケースがあります。また、担当者が源泉徴収票の内容を誤って転記してしまうこともあります。

小さなミスでも税額に大きく影響する場合があるため、提出時点での確認が重要です。

保険料控除や住宅ローン控除の修正

生命保険料控除や地震保険料控除、住宅ローン控除は、申告漏れが特に多い項目です。控除証明書が届いていなかったり、提出を忘れていたりすることで、本来受けられる控除が反映されないことがあります。

これらの控除は還付税額に直結するため、誤りに気づいた場合は早めに修正対応を行うことが大切です。

扶養親族の人数に変更があった

扶養親族の状況変更も、年末調整の訂正理由として多く見られます。例えば、子どもが就職や結婚によって扶養対象外になった場合、扶養控除の適用可否が変わります。

扶養状況はその年の12月31日時点で判定するため、途中の変化にも注意が必要です。

従業員本人や配偶者の年収に変更があった

従業員本人や配偶者の見込み年収が変わることで、控除額が変動する場合があります。

特に配偶者控除や配偶者特別控除は、配偶者の年間所得によって適用条件が細かく定められています。パート収入の増加や副業収入の発生により、当初の見込みから外れてしまうケースも少なくありません。

年収見込みに変更があった場合は、速やかに会社へ申告することが大切です。

年末調整後に保険に加入した

年末調整後に生命保険や地震保険へ加入し、その年中に保険料を支払った場合は、保険料控除を受けられる可能性があります。

ただし、すでに年末調整が完了している場合は、会社で再調整できないこともあります。
その場合は、従業員自ら確定申告によって控除を追加申告する必要があります。

年末調整で訂正を発生させないための対策

年末調整の訂正は、事前準備や確認体制を整えることで大きく減らせます。ここでは、実務上効果的な対策を紹介します。

年末調整書類は早めに配布しておく

年末調整書類は、11月上旬頃までに従業員へ配布しておくのがおすすめです。
提出期限が近すぎると、記入ミスや証明書の集め忘れが起こりやすくなります。

また、従業員からの提出期限も11月中旬〜下旬頃に設定しておくと、会社側に確認や修正の時間的余裕が生まれます。余裕を持ったスケジュール管理は、ミス防止に効果的です。

年末調整の準備はいつから始める?

記入漏れや誤りが起きやすい項目を事前に周知しておく

事前に注意点を周知しておくことで、従業員側の記入ミスを減らせます。

特に、生命保険料控除や地震保険料控除、配偶者控除、扶養控除は誤りが起きやすい項目です。近年は税制改正によって基礎控除や給与所得控除の仕組みも変わっているため、最新ルールを分かりやすく案内することが重要です。

チェックリストを配布するのも有効です。

年末調整の電子化を進める

年末調整を電子化すると、控除額の自動計算や入力チェック機能によって、計算間違いや記入漏れなどの人為的ミスを減らすことができます。

また、控除証明書の電子データ連携に対応しているシステムであれば、転記作業自体を削減できます。差戻しや再提出の件数も減り、担当者の負担軽減にもつながります。

ダブルチェック体制で確認する

年末調整業務は、必ず複数人で確認する体制を整えましょう。一人で処理していると、思い込みによるミスや確認漏れが起きやすくなります。

例えば、「入力担当者」と「確認担当者」を分けるクロスチェック方式を採用すれば、控除漏れや計算ミスなど細かな誤りも発見しやすくなります。繁忙期こそ、確認工程を省略しないことが重要です。

年末調整業務を税理士に依頼する

年末調整を税理士へ依頼することで、計算ミスや税制誤認のリスクを抑えられます。特に、扶養控除や住宅ローン控除など判断が複雑な項目では、専門家による確認が有効です。

また、税制改正への対応や電子化支援も受けやすく、社内担当者の負担軽減にもつながります。従業員数が増えて年末調整業務が煩雑になっている会社は、外部専門家への依頼も検討するとよいでしょう。

年末調整は税理士に依頼するとどこまでしてくれる?

年末調整の訂正に関するQ&A

年末調整の書類に間違いがあった場合、訂正印は必要ですか?

年末調整書類の訂正に、原則として訂正印は必要ありません。2021年4月の税制改正により、多くの税務関係書類で押印義務が廃止されたためです。

誤った箇所へ二重線を引き、余白に正しい内容を記入すれば基本的に問題ありません。修正テープや修正液は使用せず、読み取れる状態で訂正することが大切です。

ただし、会社独自の運用ルールとして訂正印を求めている場合は、そのルールに従って対応しましょう。

年末調整の誤りに気づかず訂正しなかった場合、ペナルティが課されますか?

年末調整の誤りを放置した場合、税務署から確認や修正を求められる場合があります。
その際、不足税額に対して延滞税や加算税が課される可能性があります。

特に、扶養控除や配偶者控除の適用誤りは指摘されやすい項目です。誤りへ気づいた時点で速やかな修正対応を心がけましょう。

年末調整を電子申請した場合、訂正するにはどうすればいいですか?

電子申請で年末調整を行っている場合も、基本的な考え方は紙申請と同じです。提出期限前であれば、システム上でデータ修正を行い、再提出することで対応できます。

一方、期限後の修正は、訂正後の源泉徴収票を再発行したうえで、必要に応じて税務署や自治体へ訂正データを提出します。従業員側で確定申告が必要になるケースもあるため、電子申請後も内容確認は欠かせません。

年末調整は訂正を出さないことが理想です。まずはキークレア税理士法人にご相談ください!

年末調整の訂正は、会社側にも従業員側にも大きな負担となります。特に、提出期限後の修正や税務署対応は手間がかかり、場合によっては追加納税や従業員自らの確定申告での対応も必要になります。

そのため、重要なのは「訂正を前提にする」のではなく、「訂正が発生しにくい体制を整える」ことです。書類配布の早期化や電子化、ダブルチェック体制の導入などにより、ミスのリスクは大きく減らせます。

キークレア税理士法人では、年末調整業務のサポートから電子化支援、税務相談まで幅広く対応しています。年末調整の負担軽減やミス防止を検討されている方は、ぜひ一度ご相談ください。

お客様のビジョン達成のために、グループ一丸となり全力で支援してまいります。 お客様のビジョン達成のために、グループ一丸となり全力で支援してまいります。

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